第7話

そして辿り着いた先にいたのは、確かにフェルミアー本人だったのだ!彼女は驚いた表情で、こちらを見つめていた。

「あら、隣国のお方達!どうしてここに.............!?」

と。そこで僕は、事情を説明したのだった。

すると、彼女は納得した様子で、静かに語り始めたのである。

「私は、ずっと探していました。この国を救う方法を..............そして、ついに見つけることができたのです」

そう言って彼女が取り出したのは、一冊の本であったのだ。

それは、聖女が使っていたあの本だったのである。

彼女はページを開くと、そこに書かれていた内容について話し始めたのだ...........その内容とは『聖女の力を使い切った時に、現れる世界を変える力』というものだった。

つまりフェルミアーは、自らの力を捧げることで聖なる力を使えるようになろうとしていることが、判明したのだ。

僕は、彼女にやめるよう言ったが、彼女は首を横に振ったのである。「私には、これしか方法がないのです。」そう言って、彼女は微笑んだのだ。

そして、僕たちはついにその日を迎えたのである。

フェルミアーは、教会の中で一人祈りを捧げていたのだった。すると、彼女の身体からは白い光が溢れ出したのだ。

そして、聖女の魂を捧げることで、新たな聖具が作られたのである。

それは聖女の力を宿した、防具であったのだ!

その頃、魔族たちは再び侵攻を開始しようとしていた。彼らはかなりの数を揃えており、準備は着々と整いつつあった。そんな時、聖女が聖具を完成させたという噂が広まると、彼らは慌てて対策を講じることにしたのだ..............。

「このままではまずい」と考えた彼らは、急いで動き始めたのである。

そして、ついにその日がやってきたのだ!魔族たちによる攻撃が始まったのである!街は、あっという間に火の海となり、人々は次々と倒れていった..............。

そんな中でも僕らは、必死に抗っていたのである!フェルミアーの力に守られながら、戦い続けたのだ..............しかし、敵の数はあまりにも多く、劣勢を強いられていた。

すると、彼女は僕らに向かって叫んだのである。「もう時間がありません!私の力を使います!」

すると、フェルミアーの身体から眩しい光が放たれたのだ!その光は空高く舞い上がっていくと、雲を吹き飛ばしたのだ。そして次の瞬間、雷鳴が轟いたかと思うと、空には巨大な魔法陣が出現したのである。そして、その中から現れたのは、なんと女神さまだったのである!女神さまは光り輝く剣を手に持ちながら、現れたのだった。

「あ............、あれは............?」僕が呆然としていると、隣でフェルミアーが説明を始めた。

「女神さまは、この世界を守護する存在なのです。彼女は、私たちを救うために降臨したのです」と。

そして、女神さまは語り始めたのだった。

「我は世界を守護する者なり!汝らの行いを、私は見過ごすことは出来ない!今すぐに、元の世界へと戻りなさい!」と言って、僕達を元の場所へと返し始めたのである.............。

僕は、彼女に礼を言った後、フェルミアーと共に帰ることにしたのだ。

後ろでは、女神魔族たちを蹴散らしている様子が伺えるようだった。

こうして、僕たちの街を襲った魔族との戦いは、幕を閉じることとなったのである.............。

その後、魔族たちは大人しくなり、人々も平和に暮らせるようになったのである。

しばらく、満足感に浸っていたのだった。

こうして僕たちは、国の危機を救った英雄として讃えられるようになったのだ。

フェルミアーも、聖女として称えられるようになった。だが、彼女の表情はどこか寂しげであった.............。

そんなある日のこと、彼女は僕に語りかけてきたのである。「私は、この国を離れようと思います」

僕は驚きつつも理由を聞いたのだ.............すると、彼女は答えたのだった。「実は私、もう聖女の力を使えないのです.............」と。

彼女の話を聞いた僕は、落胆したのであった。

(そんな、どうして.............?)と。心の中で思いながら。

しかし、それでも諦めきれずに彼女を引き止めようとしたのだが、彼女の決意は固かったのである。

「.............ごめんなさい。もう決めたことなのです」と言った彼女は、寂しげな笑みを浮かべつつ、去っていったのだった。

僕は、去っていく彼女の後ろ姿を見送ることしかできなかったのである..............。


そして数年後、聖女を失った国は徐々に衰退していった。国民たちは祈りを忘れ、信仰心も薄れていったのだ。

そしてついには、国として維持できなくなり、滅びてしまったのだった.............。

こうして僕たちは、隣国を救うことができなかったのだ。

しかし、この経験を通じて得たものは大きかったと思う。

僕は、フェルミアーと出会えたことを感謝していた。

だからこそ、今回の経験を胸に刻み込みながら生きていこうと思ったのである。

(でも、やっぱり寂しいな..............)

そう心の中で呟きながらも、僕は前に進んでいくしかないんだと、自分に言い聞かせていたのだった。

「よくぞやった、アダルバート!」

国王陛下にそう言われ、私は胸をなで下ろしながら笑みを浮かべた。

こうして戦いを終えた僕は王城へと戻ることになったのだ。そこで待っていたのは国王陛下と王妃殿下だった。二人は、僕に感謝の言葉をかけてくださった。

「アダルバート、貴殿の協力がなければこの国は救われなかったであろう」

「本当にありがとうございました」と言って頭を下げるお二人の姿に、私は恐縮してしまったのだった.............。

そう言って、褒めてくださったことが嬉しかった。ただ、それだけではない。

私の中にはある想いが、あったからだ。

(これで、やっと皆の力になれるんだ.............!)

そう思うと、自然と笑みが溢れてきたのだった。

そんな私の様子を見ていた国王陛下と王妃殿下は、満足げな表情で頷いていたのである。


その後、僕は城内にある自室に戻ったのである。

(ふぅ.............疲れたな)と思いながら、ベッドへ横になると、すぐに眠ってしまったのだ。

それからしばらくして目が覚めると、外はすっかり暗くなっていた。

窓から差し込む月明かりが、部屋に差し込んでおり幻想的な雰囲気を醸し出していた。

僕は、しばらくボーッとしていたが、やがて立ち上がったのだ。

そして、着替えを済ませた後、城の庭へと出たのである。

夜空には、星が広がっておりとても美しかった。そんな景色に感動していた時、不意に声をかけられたのだ。

振り向くと、そこにはルナの姿があったのだ!「アダルバート様!一緒に星を見ませんか?」と言って誘ってきたのだ。

私は、笑顔で頷くと彼女の隣に並んで座ったのである............。

すると、彼女は語り始めたのだった。「実は私、悩んでいたのです...........」と。

そして、続けるようにして言ったのだ。「自分は英雄として本当に相応しいのだろうか...........と」

それを聞いた僕は、どう言葉をかけていいのか分からなかった。

すると、彼女は続けてこう言ったのだ。「だから私は決めたんです!もっと強くなりたいって...........!」そう言って、目を輝かせながら語る彼女に、僕は感動を覚えていたのだ。

それからというものの、彼女との絆はさらに深まったような気がしていた。


ある日のこと、突然城に来客があったのである。訪ねてきたのは、以前出会った魔法使いの女性であった。彼女は、僕に用があって来たらしいのだが、一体何の用だろうか............?

そう思っていると、彼女はいきなりこう言ったのだ!「アダルバートさん、あなた狩りに興味無い?」

その言葉に一瞬戸惑ったが、「興味あります!」と答えたのだった。

すると、彼女は嬉しそうに微笑むと、こう言ったのである。

「私と、一緒に狩りをしない?」と?

僕は迷わず了承したのだ!何故なら、彼女と一緒ならきっと楽しいに違いないと、思ったからである。

そして、僕たちは共に狩りに出かけたのであった。


僕と魔法使いの女性は、森の中を進んでいた。

彼女が先頭に立ちながら、道案内してくれるのだ。そしてしばらくすると、目的の場所に着いたらしいので立ち止まったのである。すると、目の前には大きな平原が広がっていたのだ!そこで、彼女は言ったのである。

「さあ、準備して!」と言うので、僕は慌てて道具を用意し始めたのだ。

すると、彼女は微笑みながら言ったのである。

「今日は優しめだから、安心してね」と言って笑った。その笑顔に勇気をもらった僕は、やる気に満ち溢れていたのだった.............。

僕たちは早速狩りを始めたのだが、最初はなかなか難しかったのだ。それでも、少しずつ慣れてくると楽しくなってきたのである!すると、私の様子を見かねた魔法使いの女性が、声をかけてきたのである。「ねぇアダルバートさん、大丈夫?疲れていないかしら?」

心配そうな表情を浮かべながら聞いてくる彼女に、僕は笑顔で答えたのだ。「全然平気だよ!それよりも楽しいから!」と言うと、彼女は安心したように微笑んでくれたのである。

その後も、僕たちは狩りを続けたのであった。

そして数時間後、ようやく目標の量を確保することができたのである。

その量は、何と驚くほどの多さであった!だが、達成感に満ち溢れていた僕たちは、満足していたのだ。すると、彼女が近づいてきて言ったのだ。

「この成果は、私のおかげね!」と自慢げに話し始める彼女の様子に、苦笑いしながらも僕は言ったのである。「そうだね!君のおかげで、こんなにたくさん獲れたよ!」

すると、彼女は嬉しそうな表情を浮かべながら言ったのだ。

「これからも機会があったら、また一緒に頑張りましょうね!」その言葉に大きく頷くと、僕たちは帰路についたのであった。

そして数日後のこと、また彼女と会った僕は感謝の気持ちを伝えたのである。すると、彼女も嬉しそうに笑いながら言ったのだ。

「こちらこそありがとう!楽しかったわ!」と言ってくれたので、僕も嬉しくなったのだ。

その後も、僕たちの関係は続いていくこととなったのだった。

(やっぱり一人だと不安だし寂しいもんな...............)

そう思いながらも、僕は満足感に浸っていたのだった。

「そうだ、名前を聞いていなかったけれど、君は?」

と聞くと、彼女は微笑みながら答えたのだ。「私はコレットっていうわ、よろしくね!」と言って手を差し出してきたのである。僕は、その手を握り返しつつ、自分の名前を告げたのだった。

「知ってのとおり、僕はアダルバートです。こちらこそ、よろしくお願いします」

こうして僕らは、友達になったのである。


それからというものの、僕たちは定期的に会うようになったのだ。そんなある日のこと、いつものように待ち合わせの場所へと向かうと、そこにはすでに彼女が待っていたのだ!そんな彼女を見て、僕は驚いた。

何故なら、いつもと違う服装をしていたからである。

しかし、それ以上に気になったことがあったのだ。

それは、彼女の表情である!いつもと違って、どこか悲しげな表情をしていたのだ............。

(何かあったのかな.............?)と心配になったものの、彼女はいつも通りの様子だったため、深く追求することはできなかったのである。

すると、彼女は突然話し始めたのだ。

「実は、友人が病気を患っていてね...........」と言って俯いてしまった。そんな彼女の様子に、胸が締め付けられるような思いを感じた僕は、思わず言葉を失ってしまったのである。

(一体、どうしたんだ?)と思っているうちにも、彼女の話は続いていた。

どうやらその病気は、魔法使いのコレットでも治すことができないらしいのだ。

それを聞いた僕は、とても悲しくなったのである...............。

すると、コレットは僕の手を握ると真剣な眼差しで見つめてきた。「あなたに、お願いがあるの!」と言う彼女の目を見て、僕は覚悟を決めたのである。

「何でも言ってくれ!」と力強く答えると、彼女は静かに語り始めたのだ。「あなたに、協力してもらいたいことがあるの!どうか私の友人を、助けてくれないかしら?」

その目は真剣そのものであり、僕もそれに応えるべく真剣に話を聞いたのだった.............。

話を要約すると、こうである。

病気に侵された友人の容態は、とても悪いらしい。そのため、貴重な薬草を一緒に探しに行ってほしいというのだ。

僕は、喜んで引き受けると言ったのである。

すると、コレットは嬉しそうに微笑んだ後、「ありがとう!本当にありがとう!」と何度もお礼を言ってきたのである。

そんな彼女の笑顔を見た僕は、心の底から安心したのだった..............。

そして、僕たちは薬草を探す旅に出発したのである。森の中を歩きながら、様々な植物や花を採取していくのだが、なかなか見つからない。

やがて日も暮れ始めてきたため、僕らは一度戻ることにしたのだった。

帰りの道すがらも、彼女は一生懸命に探して回っていた。その姿を見ているだけで、とても心強かったのである。

翌日も、朝早くから出発した僕たちだったが、なかなか見つからないまま、時間が過ぎていった。それでも、諦めずに探し続けるうちに、ようやく目的の薬草を見つけることができたのだ!

僕らは喜びのあまり、抱き合って喜んだのだった。

そして早速採取し、急いで友人のもとへ向かったのである。友人の容態は、相変わらず思わしくない様子だったが、コレットは必死に看病しながら薬草を煎じていた。僕は、ただ黙ってその様子を見守ることしかできなかった.............。

しかし数日後、友人の様態は回復に向かっていったのである!彼女は涙を流しながら喜んでおり、僕も思わず泣いてしまった。そんな僕たちの様子を見て、コレットは微笑んでいたのだった。

そして数日後、友人は無事に退院することができたのである!

僕たちは喜びのあまり、はしゃぎ喜んだのだ。

コレットがいなければ、ここまで来ることができなかったかもしれない。

彼女は改めて、僕に感謝の気持ちを伝えることにした。

「本当にありがとう!君がいなかったら、どうなっていたか..............」と言った後、涙を流していた。そんな彼女の肩を抱き寄せながら、僕は言った。「こちらこそありがとう!君の力になれて、本当に嬉しいよ!」

こうして僕らは、お互いの絆を深めることができたのだ。




ある日のこと、僕は友人と一緒に町を歩いていたのだ。そこで、偶然通りかかった楽器屋さんの前を通ると、店主らしき人が声をかけてきたのである。「お兄さんたち、ちょっと寄っていかないかい?」そう言われて興味を持った僕たちは中に入ってみることにしたのだ..............。

中に入ると、たくさんの楽器が飾られていた。どれも高価なものばかりで驚きを隠せなかったのである。そして店主は僕たちに説明をしてくれたのだ。「ここにあるものは全部手作りでね............」という前置きから始まって、一つ一つ丁寧に説明をしてくれたのである。

その話を聞きながら、僕たちは興味津々になっていたのだ。そして、さらに驚くべきことに、この楽器はすべて手作りで作られているというのだ。

しかも、材料は普通の木材ではなく特殊な素材を使っているとのことである............それを聞いた瞬間、僕は興奮を抑えきれなかったのだ。

(すごい技術だ!一体どんな仕組みになっているのだろうか?)

興味津々になりながらも、じっくりと観察していると店主が説明してくれたのである。

「この楽器はね、魔力を動力源に動いているんだよ」と言うのだ。僕は、思わず聞き返した。「魔力って何ですか?」すると、店主は丁寧に教えてくれたのである。

この世界に、存在する不思議な力のこと。魔力を動力源に動くことで、様々な現象を引き起こすことができるのだという。例えば、音を出すための仕組みも魔力によって作られていたりするらしい...........驚きの事実を知った僕は、更に質問を重ねたのである。

「他には、どんなことができるのですか?」と尋ねると、店主は笑いながら答えてくれたのだ。「いろいろあるけれど、代表的なところでいえば、楽器を演奏して音楽を奏でることができるね!」

それを聞いた瞬間、僕は思わず興奮してしまった!「ぜひ聞かせてください!」とお願いすると、店主は快く引き受けてくれたのである。そして、音楽を奏で始めると、店内に美しい音色が響き渡った。

僕は、感動のあまり涙を流しながら聴き入っていたのだ.............。

(こんなすごい技術があったなんて............!)

その後も、僕は何度も楽器屋さんに通い続けたのであった。店主さんとの交流を通して、新たな発見が沢山あったのである。

ある日のこと、僕が友人の家を訪れると彼はどこか元気がないように見受けられた。

心配になった僕は、どうしたのかと尋ねると、彼は悩みを打ち明けてくれたのである。

どうやら、最近楽器作りに苦戦しているようで思うようにいかないのだという............。

その原因が、わからず困っているそうだ。それを聞いた僕は考え込んだ後、思い切って彼に提案したのだ。「僕が、一緒に手伝おうか?」と提案すると、彼は嬉しそうに微笑んだのである。「ありがとう!助かるよ!」と言われたので、僕も嬉しくなって一緒に工房へ向かったのだった。

工房に入ると、早速作業を始めることになった僕たちは、黙々と作業を続けていた。途中で休憩を挟みつつ、夜遅くまで作業を続けた結果、遂に完成させることができたのだ!

完成した楽器に感動した僕は、思わず涙を流してしまった。

それを見た彼もつられて泣いてしまい、二人で喜びを分かち合ったのである。

それからというものの、僕らは頻繁に工房に集まり一緒に作業をするようになったのだ。

そして、遂に出来上がった楽器を見た僕は、言葉を失ってしまった。

(これがあの素晴らしい楽器なのか............!)

感動のあまり、胸がいっぱいになった僕に向かって彼が言った。「本当にありがとう!君のおかげだ!」そう言って、喜んでくれたので僕も嬉しかった。

それからというものの、僕らは一緒に演奏を楽しんだり、音楽コンテストに出場したりして、知名度を上げていくことになったのである。その結果、多くの人々から賞賛されることになったのだ!

そして、いつしか僕らはちょっとだけ有名になっていった。街を歩けば、声をかけられることも多くなり、とても充実した日々を送っているのである。

(本当に、夢のようだ............!)と僕は思った。

だがそんなある日のこと、僕の元に一通の手紙が届いたのである。

差出人は誰なのかわからないが、その手紙には次のような内容が書かれていたのだ。「先日の演奏会で、あなたの演奏を聞きましたが、素晴らしい才能をお持ちですね!ぜひ、私の専属作曲家になっていただけませんか?お金は、いくらでも払いますので............」という内容だった。

驚きのあまり言葉を失った僕は、手紙を片手に呆然と立ち尽くしていた。

そして数日後のこと、僕は友人に相談してみることにした。彼が言うには、このような誘いはよくあることなのだそうだ。つまり、僕にもチャンスがあるということらしい。それを聞いて勇気づけられた僕は、早速返事を書くことにしたのである...........。

手紙の返信を受け取った差出人は、喜びのあまり踊り出しそうなほど喜んでいたそうだ。

そして数日後、僕たちは会うことになったのである。待ち合わせ場所に着くと、すでに相手が待っていたので慌てて駆け寄ると、相手は笑顔で迎えてくれたのだった。

「初めまして!私は、楽器を依頼したレリアーミと言います。よろしくお願いしますね!」と言って、手を差し出してきたのである。僕もそれに応えて握手を交わし、自己紹介をしたのだった。

それからというものの、僕らは頻繁に会うようになったのだ。そんなある日のこと、いつものように待ち合わせの場所へ向かうと、そこにはすでに彼女が待っていたのである。

「レリアーミさん、今日はどこへ行くんですか?」と尋ねると、彼女は微笑みながら答えたのだ。

「実はね、あなたの曲を聞いてほしくて呼んだの!」

それを聞いた僕は、思わず笑顔になった。

(自分の曲を、褒めてくれた人がいるなんて............!)と思うと、嬉しくなったのである。そして僕らは、カフェに入り音楽を聴きながら、語り合ったのである。その時間は、僕にとって至福の時間であった。

その後も、僕とレリアーミさんは交流を深めていった。お互い音楽に対する情熱を持っており、意気投合して仲を深めていったのである。そんなある日のこと、レリアーミさんが突然こんなことを言い出したのだ。「実は、今から私の曲を作ってほしいんです.............」と言うではないか。

それを聞いた僕は、思わず驚いてしまった。

まさかあんな出来事から、自分なんかに依頼が来るとは思ってもいなかったからだ。それでも、彼女の真剣な眼差しを見た僕は、覚悟を決めて引き受けることにしたのである。

それからというものの、僕らは毎日のように案を出すことになったのだ!そして、遂に完成した曲を彼女に伝えると彼女はとても喜んでくれたのである。

それから数日後、僕はレリアーミさんに会いに行くことにした。そこでは彼女が待っていた。そして、完成した曲を聞かせてほしいと言われたので、僕は緊張しながらも、演奏し始めたのだ。

彼女の反応をうかがいつつ、一曲弾き終えた後に感想を聞いたのである。

すると、彼女は涙を流しながら感動している様子だった............それを見た僕も、思わず嬉し涙が出そうになったものだ。

「本当に、ありがとうございます!」

とお礼を言われ、僕らは握手を交わしたのである。

そしてその日はそれでお別れだったのだが、帰り際に彼女が再び口を開いたのだ。「あなたの才能に惚れ込んじゃったの!一緒に音楽界で、名声を轟かせましょう!」と言ってきたのだ。僕は、一瞬戸惑ってしまったが、彼女の熱意に押される形で承諾したのである。

(これからどうなるんだろう............?)

それからというものの、僕とレリアーミさんは二人で様々な曲を作り始めたのである。時に、意見が合わず対立することもあったが、それでもお互いの意見を尊重し合って乗り越えてきたのだ。そして、ついに完成した曲を彼女に聞いてもらう度に、彼女は涙を流しながら喜んでくれたのである。

「素晴らしい!感動しました............!」と言うので、僕も思わず嬉しくなったものだ。

その後も、僕たちは多くの曲を作っては発表していった。最初は、小さなライブハウスで細々と行っていたが、次第に評判が広がり様々な場所で演奏するようになっていったのだ。その過程で、僕らは数々の賞を受賞し、ついには世界的な音楽家として認められるようになったのである。

(..............まさか、ここまで来るとは思わなかった!)

喜びと達成感に満ちた僕だったが、一つだけ気がかりなことがあったのだ。

それは、レリアーミさんのことである。彼女が、とても素晴らしい才能を持っていることは、疑いようがなかったが、僕は彼女が無理をしてしまっているのではないか?と心配していたのだ。

そんなある日のこと、彼女が突然倒れたという知らせを聞いた僕は、急いで病院へ向かうことにした。そこで見たのは、ベッドで横になっている彼女だったのだ............。

「大丈夫ですか!?」と声をかけると、彼女は弱々しい声で答えてくれたのだ。「ごめんなさい、ちょっと無理をし過ぎてしまったみたいです............」

それを聞いた僕は、胸が痛くなった。

彼女をここまで追い込んだのは、自分の責任だと思い込んでいたからである。

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