SS 兎鍋



 屋敷の周囲に誰かが捨てた兎がいたので、カーライルが兎鍋にしようと言った。


 厨房にもっていく際、チヨが遭遇する。


チヨ「ご、ご主人様。そっちの方向は厨房、そしてそれは可愛いウサギさんじゃないですかっ。まっ、まさか!」

カーライル「いつになく察しが良いな。そうだ。今夜は兎が食えるぞ!」

チヨ「だだだ、駄目ですっ!食事に困っているわけでもないのに、そんな可哀想な事っ!」

カーライル「俺はお前がそんなに拒絶する理由が分からん。兎なんてただの動物だろ」

チヨ「違いますよっ。可愛いですし、小さいですし、できれば傷つけたくないです!」

カーライル「異世界人はよほど呑気らしいな」

チヨ「まだ理由はありますっ、それに」

カーライル「それに?」

チヨ「私が兎だったら、絶対ご主人様に捕まるくらいどんくさいウサギさんじゃないですかっ」

カーライル「ーー。はぁ、仕方ないな兎鍋は次の機会にしてやる」


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