第11話 荷物の中身とモンローおじいさん
倉庫に荷物を置いていたら、医務室のお医者さんが来ていました。
このお屋敷、かなり広いので、お医者さんがいるんですよね。
もちろん、このお屋敷だけじゃなくてちゃんと付近の村々や町々でも診療してるんですけど、貴族のお屋敷にお医者さんがいる事がかなりのステータスみたいなので、こうしてお金持ちの人達が雇ってたりしてるんです。
異世界のお医者さんにはランクがあって、
シルバー、ゴールド、クリスタルというランクがあります。
シルバーは普通の町や村で働くランク。
貴族の人のお屋敷でお勤めしている人がゴールドランク。
王宮とかで働いている人がクリスタルランクみたいです。
お医者さんのお給料はランクで決まるらしいので、そのランクを上げるためにお貴族様に売り込みをするお医者さんが少なくないのだとか。
それで、普通の診療行為をおろそかにして、本末転倒なお医者さんもいるみたいです。
でも、このお屋敷で働くお医者さんはそんな人じゃないですよっ。
私が怪我をしても、その度にいつもきちんと見てくれる良い人です。
お顎にしろーいお髭がたっぷりの、モンローおじいさんです。
最初にカズリアの秘薬が必要になった時も、丁寧に診断してくれました。
それはそうとして、どうして倉庫に?
「医療器具を新調したから、それを見に来たんだよ、チヨお嬢ちゃん。他のものは非常食の備蓄だねぇ。もうじき期限が切れてしまうみたいだから」
なるほど、それでこの量でしたか。
お屋敷で働く人はかなりいますから、荷物が大量になるわけです。
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