第10話 力持ち



 ばちーん。


 盛大に顔から床につっこんでしまいました。


 いたたたた。


 私のお鼻がつぶれちゃいますっ。


 はっ!


 運んでいた荷物はどうなってんでしょう!?


 慌てて、周囲を見てみると、放り出してしまった荷物をカイネ君が見事にキャッチしてくれていました。


 元々もっていた荷物の上に載せて、二段になってます。


 二段アイスならぬ、二段荷物ですね。


「かっ、カイネ君。ありがとう~!」

「別にこれくらい大した事ないよ。チヨ姉こそ、怪我とかしてないの?」

「私は大丈夫ですっ!」


 ちょっとお鼻がいたくなってしまっただけですし。


 転ぶのはなれてるのでっ。


 嫌な慣れですがっ!


「ほら、チヨ姉の分。今度は転ばないでよ」

「ううっ。気を付けるね」


 カイネ君って本当に力持ちだなぁ。


 渡された荷物がずっしり重くて、私はふらふらしながらしか歩けないのに。カイネ君はすたすた歩いて言っちゃうんだもん。


 先輩としての立場がないよう~っ。


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