第8話 リアお姉さん



 ご主人様へのあれこれを考えた後。


「そういえばリアお姉さんは、どうしてここで働いているんですか?」


 私は前から思っていた事をリアお姉さんに尋ねてみます。


「あらあら、そんなこと気にしてたの?」

「はい」


 他の人は実家の話とか故郷の話をちょくちょくしてるんですけど、リアお姉さんだけ聞かないのが気になったきっかけですかね。


 リアお姉さんは、おっとりしてて、とっても優しいですけど、ちょっとミステリアスな所があるんです。


 たまに忽然と姿を消してしまう時がありますし、鏡に姿がうつってない時がありますもん。


 異世界だから、リアお姉さんはファンタジーな人なんでしょうか?


 この世界はけも耳が生えた獣人さんもいますし、海で泳いでいる人魚さんもいるみたいですから。


「私はカーライル様に恩があるから、かしらね。故郷から離れた後、すごく困っていた時期があったけど、その時に助けてもらったの。ああみて、すごく慈悲深い方なのよ」

「そうだったんですか」


 私の知らない所で、そんな人助けしてたなんて。


 ご主人様、ぱっと見の言動は溺れてる人を指さして「間抜けがいるぞ」とか言って、せせら笑いそうなのに。


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