第2話 あくびメイド



「ふぁぁぁ」


 クルガート邸の使用人部屋で起きた私は、寝ぼけながら身支度。


 ふらふらする頭を抱えながら、朝のミーティングに顔をだして、お仕事にゴーです。


 ながーい廊下をとことこ歩いて、目的地へ。


 とんとん。


 ノックするのは、このお屋敷のご主人様がいる部屋。


 屋敷の中で一番上の階の、眺めのいい部屋です。


 他の部屋と違って、扉も超豪華。


 なんだかいい感じの、金ピカの装飾であしらわれています。


 語彙力がなくてすいません。


 私がその手の事に詳しければ、なんだかこう雅やかな文章で表現できたんですけど。


「ふぁあ、ご主人様~」


 とんとん。


「朝ですよ~、おはようございますっ!」


 すると、許可をもらって扉を開ける前に、ご主人様が顔をだした。


 にゅっ。


「お前か、チヨ」


 あっ、珍しい起きてた。


 こういう事、珍しいんです。


 いつもなら眠ってますから。


 けれど、ご主人様は額にお叱りのマークをつけていますね。


 機嫌が悪かったみたいですよ。


「ほう、たかがメイドの分際で、ふああだと?」


 あっ、原因私だった。


「チヨ、お前。屋敷の主人である俺様の前であくびをするとは、言い度胸をしているな」


 嫌な予感がしたので、私は後ずさります。


 けれどご主人に腕を掴まれて、引きずり込まれてしまいました。


 ひいっ。


「すみません! ごめんなさい! 反省してますっ!」


 ああああああぁ。


 またやらかしてしまいました~。


 同じミスをするの、これで何回目でしょうか。


 私って、いつもこうなんですよね~。


 こっちの世界に来ちゃう前から、そそっかしくて、ミスが多くて。


 家族や友達からもよく「大丈夫?」って言われちゃいます。


 ううっ、チヨは駄目駄目な子なんですぅ~。


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