第1話②
アンダーマインは良い人だった。
しかし、異世界人に殺されたと言う。
英雄の死後、急速に文化が入れ替わっていき、ルールも改訂されていき、アンダーマインが命を賭けて作った平和は異世界人に容易く破壊されてしまった。
それでも、アンダーマインの意思を継いだ者達は密かに、異世界人との全面戦争を巻き起こす計画を立てたが、全て粉砕された。
それから何十年経ったのだろうか、平和な時代は消え、戦の時代が戻っていた。
「また敵対勢力がデモを起こしています
戦争は避けられないでしょう
どうしますか受けて立ちますか?」
「……どうして、分からない
下界の者どもでは我々には到底敵わないと言うのに
安心しろ、シェリー、俺とランドと何人かいれば事は足りるだろう
そう焦るな、この場での戦闘は復興に時間がかかる
せっかく築いて来た都市が壊れるのは御免だからな……」
俺はマドリック・エスファルド、異世界人だ。
訳のわからないまま俺は異世界に来た。
だが、恐ろしい事に、日本とはあまり変わらない街中で都会のビルのような建物がたくさんあって、あまり異世界に来た実感が湧かない。
俺の友達の中にオタクが1人いた。
そいつは魔法を使ってる人を見て異世界だとはしゃいで魔法とか出せるんじゃないかと言って急に変な構えをしだすと、辺り一面を炎で燃やし尽くした。
その後、俺達はオタクを見捨てて逃げ切ったが、そいつは捕えられて殺されてしまったそうだ。
しかしそこで分かった事もある。
俺達異世界人には皆チート能力が付与されていると言う事だ。
オタクがいなくなって、5人しかいないが、身なりが俺達と似てる人がそこそこいる。
転移した人が少なく無いのが分かる。
さらに、俺達にはそれぞれ違った能力が与えられた。
ランドは火の魔法で町中を燃やし尽くせるほどの火力、ミカは回復魔法をクリスティーは身体強化
ジョンはランドの上位互換でさらに複数の魔法を扱える。
そして俺はその中で1番恵まれていた。
空を飛ぶ事が出来る能力に、圧倒的な爆発魔法、その威力は村1つなら軽く消し飛ばせるくらいの威力だ。
「手加減はして下さいね
マドリック様は強すぎますので」
「分かってる、手加減はする
スタイリッシュに決めてくるさ」
数日後、俺とランドと部下5人の8人で敵対勢力380人に挑む。
しかし、我々はミカの魔法で力を得ている。
1人で50人を相手するのが余裕になるくらいには力の差があると思っていた。
しかし、相手は何故か簡単に崩れない。
「どうなっている!」
俺が手加減しているのもあるが、ランドを含め部下達もやや押され気味だ。
おかしい、人間が我々異世界人に敵うはずが無いのになぜ?
「くたばれ愚民ども!」
そう言って、上手くいかない怒りがあったのか、ランドはつい、力を使ってしまう。
その威力は絶大で、辺りを破壊する。
都市部から離れて良かった。
「村が焼け野原になってしまっただろ」
「そりゃ、俺達には関係ない事だ
立て直しだ、2人死んだ分からんが気を抜くなよ
最悪、お前も本気を出すかもしれんぞ」
「面白い……久々に楽しませてくれるじゃないか」
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