一章9 心、元気との出会い
放課後4人は徒競走の練習をしていた。
駿「やっぱ心はダメだ」
心「もう帰ろうよ。舞美ちゃんに怒られちゃうよ」
駿「そうだよ!おばさんに怒られるよ!春、帰ろ!」
春「えー。じゃあ明日もやろうよ!えみちゃんのおばさんには言っとけばいいじゃん」
心「本当にー?」
駿がため息をつく。
駿「わかったよ。心、しょうがない」
心「えー。えみちゃんもイヤだよね!?」
えみは首を振る。
心「もう。わかったよ。舞美ちゃんに言っとく」
えみの家に着くと玄関に舞美が待っていた。
舞美「遅かったじゃん!何してたの!?」
心「運動会の練習」
舞美「え?本当に?」
心「本当だよ。明日もやるんだって」
舞美「何だー。そうだったんだね。そかそか。どんどん練習してこい」
心「何で?」
舞美「何がなんでよ?」
心「僕やりたくない。舞美ちゃんがダメだって言ってたって言っちゃダメ?」
舞美「ダメだよ。やってこい」
心「えーー」
それからえみ達は毎日放課後に練習をしていた。
心「もう帰ろうよ疲れたよ」
春「もうちょっと!心君、1番取りたくないの?」
心「別にいい」
駿「俺は取る」
心「駿君練習したくないんじゃなかったの?」
駿「こんなに練習して1番じゃないのはイヤだ。心もうちょっとやるぞ」
心「もうイヤ!」
心は毎日やる気がなくイヤイヤ練習していた。
そして運動会前日の放課後。
春「よし!これで終わり!明日頑張ろう!」
駿「おう!」
心「明日からは練習しなくていいんだよね?」
春「いいよ!皆明日楽しみだね!」
えみが頷く。
春「じゃあ帰ろ!」
えみと心が帰っていると心が言い出した。
心「えみちゃん、僕足早くなったかなー?」
えみは頷く。
心「1番とれるかな?」
えみは首を傾げた。
えみ(なんだ。心ちゃん結構気にしてんじゃん)
心「まぁいいや」
えみの家に着く。
舞美「おかえりー!どう?明日1番とか取れそう?」
心「わかんない」
舞美「そ。まぁ、いっぱい練習したんだから大丈夫だよ。よし、中入ろ」
家に入るといい匂いがした。
舞が台所でご飯の準備をしている。
舞「心ちゃん、今日はご飯食べてきな。心ちゃんのお父さんには言っといたから」
舞美「今日はとんかつだって。とんかつ食べて勝負に勝つ!だってよ。そんなんで勝ったら毎日食べるっつーの」
舞「何?舞美食べないの?」
舞美「食べるよ!とんかつ食べて勝負に勝つ!最高!」
舞「バカにしてんでしょ」
舞美「してないよ!てかいつできんの?早く食べたいんだけど」
舞「お父さん帰って来てからだよ」
舞美「えー!いっつも先食ってんじゃん!」
舞「心ちゃんに会いたいんだってー!」
心「え!?」
舞美「そう言えば心てお父さんに会った事あんの?」
心「ない」
舞美「そうだよね?てか何で?毎日いるのに」
心「わかんない」
舞美「お母さん、何で?」
舞「毎日パチンコ行って来るから」
舞美「あー。なるほどね」
心「えみちゃんのおじいちゃんって怖い?」
舞美「怖いよー。いい子にしてないと怒られるかもよー?」
舞美がニヤニヤしながら言った。
舞「何言ってんの!?怖がらせない!大丈夫だよ。優しいから!」
すると玄関があいた音がした。
足音が近づいてくる。
心は緊張し始めた。
舞美「おかえり」
元気「おう。心君は?」
舞美「これ」
元気が心を見た。
元気「お。中々イケメンじゃん」
心「こんばんは」
元気「はい。こんばんは」
舞美「あんた挨拶とかできるんだ」
元気が心の隣に座る。
心(何で隣に座るのー)
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