一章5 興味の湧かないゲーム

家の中に入ると部屋はエアコンがきいていてとても涼しかった。


駿「涼しい」

舞美「はい、皆宿題だしてー」


4人はカバンを机の上に出し、宿題を出した。


舞美「計算ドリルあるじゃん!じゃあ計算ドリルからにしよう!」


えみと春と駿は計算ドリルを開いた。

だが心は開かなかった。


舞美「しんー?開いてー」

心「やだ。今日は皆で遊ぶの。勉強はしない」

舞美「早く宿題終わらせればそのあといっぱい遊べるんだよ?」

心「後でやる」

舞美「そ。じゃあ1人で遊んでな」

心「皆来たのに」


心はしばらくテレビを見ていた。

すると舞美が言い出す。


舞美「しんー勉強しようよー。おねがーい。心がいないと寂しいなー」


心は無視をした。


舞美「分かった!30分だけ!そしたらおやつ食べて遊ぼ!」

心「本当に30分だけ?」

舞美「絶対。約束」

心「分かった」


心はドリルを開きやりだした。

が、どうも集中していない。


舞美「心。集中して」

心「うん」


えみ(なんか舞美ちゃん今日は心ちゃんに優しい)

心(早く30分たたないかなー)


心にとってこの30分はとてつもなく長く感じた。


舞美「はい!30分たったよー」

心「終わったー!」


舞美が心のドリルを見た。


舞美「心、お前何にも終わってないな」

心「そんなことない。いっぱいやった」

舞「皆お疲れ様でした。はい、おやつ」


舞がスイカを持ってきた。


駿「スイカだ!」


駿がスイカを手に取り食べようとすると春が一言。


春「皆で食べるんだから1人で食べない」


そして皆がスイカを手に取る。


春「じゃあ食べよー」


心と駿はスイカにしゃぶりついた。

えみと春は小さい口で少しかじる。


えみ(春ちゃんはいいな。駿くんと喋れて。私心ちゃんどころか誰とも喋れない)


心「美味しいね。えみちゃん」


えみはドキッとした。

心の方を見ると心はまんべんの笑みでえみを見ていた。

えみは何だか嬉しいような恥ずかしいような不思議な気持ちになった。


えみ(けど喋れなくても心ちゃんは全然気にしてない。これでもいいかな)


そして笑顔で頷いた。


舞美「みんなー!いいもの見してあげる!」


舞美は大きな袋を持ってきた。

その袋の中から出てきたのは人生ゲームだった。


心「何それ?」

舞美「人生ゲーム。皆知らないでしょ?」


4人はあっけらかんとしている。


舞美「私が教えてあげるから皆きてー」


4人はお互いの顔を見て舞美の所に行くと舞美は人生ゲームの説明をし始めた。

だが4人ともボーッとしている。


舞美「まぁ、やってみよ!」


最初は4人とも聞いていたが、1人、また1人と集中が薄れていく。

まず駿の集中が切れた。


駿「もう1個すいか食べたい」


そして次は心だ。

心は自分の足の爪をいじりだす。


次は春。

春の目がうつろうつろになっていく。


えみはすでに座りながら寝ていた。


舞美「もー!皆聞いてる!?心!お前つまんないのかよ!?」

心「だってわかんないもん」


舞が居間にやってきた。


舞「だから皆にはまだ難しいと思うって言ったでしょ?」

舞美「もういい!」

舞「はい、駿くんスイカ」

駿「いただきます」


そして舞美が人生ゲームを片付け始めると心が舞美の膝に座った。


心「やっぱり教えて」

舞美「しーん!」


舞美が心に抱き着いた。


舞美「心が来てくれたからもういい!」


そしてその日はえみと春は寝てしまい駿もスイカを食べ過ぎ腹が膨れて寝てしまった。

心は舞美の膝の上で寝てしまい、最終的には舞美を膝枕にして寝てしまった。


舞美「お母さん、この状況どうするの?」

舞「ほっとけばいまに起きるでしょ。それよりどう?心ちゃんの事膝枕している感想は?」

舞美「うん、可愛い。このまま連れて帰りたいくらい」


そしてえみ、心、駿、春は夕方に目覚めそれぞれの家に帰っていった。

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