序章5 舞と心の出会い

舞美が家に着いた。


舞「あんたどこ行ってたの?えみちゃん迎えに行ったんじゃないの?」

舞美「行ったよ。えみちゃんの友達送ってきた」

舞「そう。珍しいね」

舞美「えみちゃんの事ナンパしたらしいよ。えみちゃんの事守ってくれるんだってー」

舞「マジ?どんな子?」

舞美「それがすっごいかわいいの!なんか女の子みたいな顔して!あれは将来モテるね」

舞「えー!見たかったぁ」

舞美「家からあの子の家近いよ。明日お母さん迎え行ってみなよ。きっとまた一緒に帰るって来るよ」

舞「へー。じゃあ明日は私が行ってこよ。ねー!」


えみに言う。

えみ(えーまた心くんと一緒に帰るの?けど確かにあの子可愛かったし)

えみが恥ずかしそうに頷いた。


次の日、えみが幼稚園に行くと心が外で待っていた。


心「今日は何して遊ぶ?」


えみは首を傾げた。


心「今日は一緒に絵描こ」


えみは頷いた。


心はずっと木を描いている。

えみ(何で心くんはそんなに木が好きなんだろう?)

えみも木を描いてみた。完成したが何を描いてあるのかわからない。

心がえみの絵を覗いてきた。


心「何それー!何描いてるかわかんないよ」


爆笑していた。

えみ(ムカつくー!)


心「木はこれだよ!」


えみ(下手くそー)

えみも笑ってしまった。


それから色んな絵を描き、見せあった。

えみは楽しそうだった。

そして幼稚園が終わりそうになるとなぜかまた木に連れてかれ手を重ねられた。


心「今日も一緒に帰ろうね」


その日は約束どうり舞が迎えに来た。


舞「えみちゃーん!来たよー!」


えみが舞の所に行くと心がついてきた。

心(また綺麗な人が来た。今度は誰だ?)


舞「君がえみちゃんを守ってくれる子かな?」

心「うん」

舞「かわいーー!お名前は?」

心「心」

舞「心ちゃん、じゃあ今日もえみちゃんの事守ってくれるかな?」

心「うん」

舞「私もついて行っていいかな?」

心「いいよ」


帰りの道中、舞は心に質問ばかりしていた。


舞「心ちゃん、苗字は?」

心「菊川」

舞「お母さんとお父さんは何してるの?」

心「わかんない。お母さんはいない」

舞「どっか行っちゃったの?」

心「死んだ」


しばらく舞は黙る。


舞「そっか。誰と住んでるの?」

心「お父さんと2人」

舞「お父さんはいつもいつ帰って来るの?」

心「よくわかんないけど最近は暗くなってから」

舞「そっか。いつもご飯は何食べてるの?」

心「お弁当とかラーメンとか」

舞「そっか。そうだ!今日、家でご飯食べてきなよ!」

心「いい。お父さんお弁当買ってくるし」

毎日「じゃあおやつ食べにおいで!」


少し心は黙った。

心(行きたい。けどいいのかな?)


心「いいの?」

舞「いいに決まってるじゃん!昨日のおばさんもいるよー?」

心「わかった」


心はえみの家でおやつをもらう事にした。

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