第75話 十五日目(夜) 予期せぬお客様? ※短めです。
「……ん?」
背中がふかふかしてる…………あれ、いつの間に寝てたんだ?
「ここは……グランドホテルの最上階、だよな?」
見覚えのある天井を見たあと、仰向けの状態からゴロンと転がりうつ伏せになる。
そして前方へと視線を向けて、今俺が寝ているのがいつも使っているベッドである事を確認することが出来た。
うん、ここは間違いなく最上階のマスタースイートだ。
でもなんで、最上階に居るんだ?
それもベッドの上に寝たりして。
「……んん?」
枕の上に顎を起きながら気を失うまでの出来事について考えてみる。
えーっと確か、"スキル屋"の前でみんなに話をして、それでプレゼントとして『状態異常耐性』のスキルが保管されている"スキルの書"を――っ!?
そこで俺はやっとぼんやりとしていた記憶を取り戻す事が出来て、慌てて体を起き上がらせた。
「そうだよ! あの後ぽよんぽよんとぱふぱふのおしくらまんじゅうに遭遇して意識が遠のいて……!」
という事は、俺は女性陣に押し潰される形で気絶していたのか。
そういえば、押し潰されて朧気になっていた記憶の中で恋人達以外の女性陣が抱き着いて来てたんだよなぁ……それでキャパオーバーになったのかな?
もみくちゃにされる勢いで押し潰されたから抱きついた人全員を把握している訳じゃないけど、最後に右側からマルティシアが「きゃっ!?」って悲鳴を上げながら大きな胸を押し付けて来たのは覚えている。
大変素晴らしいマシュマロでした!
「――なーんか、いやらしい顔してるね〜?」
「――マルティシア様が転びそうになって胸を押し当てた時と同じ顔してる。まこもそう思うよね?」
「――あはは……私も結構強めに抱き着いたんだけどなぁ……」
「なっ!?」
俺がマルティシアの柔らかい感触を思い浮かべていると左側……シャワールームがある方から聞き覚えのある3人の声が聞こえてきた。
慌ててそちらへ顔を向けると……そこには物部さん、如月さん、桜崎さんの3人の姿があった。
物部さんは困ったような笑みを浮かべて、如月さんは何処か呆れた様にジト目を向けて、桜崎さんは両手を自身の胸元へと置きながら遠くを見つめている。
三者三様の反応だ。
視線という意味では如月さんのジト目がグサグサと刺さって痛いのだが、遠くを見つめて胸元に置いた両手をぽふぽふと前後に動かし始めた桜崎さんが心配ではある。大丈夫かな?
てもそれ以前の疑問ではあるのだが…………なぜ3人がここに!?
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