第6話 竜騎士になれたよ
僕の竜は今まで聞いたことのない声で、
僕の竜の声を聞き、全ての竜が起き上がり、宙へ飛び立つ。
そして、もう一声吼えると、一斉に王子がいるという大型テントめがけて全頭が降下した。
それはもう圧巻の一言だった。一頭でも千人の相手をする竜が、敵味方合わせて百頭以上。その先陣を切るのは、縦横奥行き2倍はある、つまり8倍のサイズの僕の竜。
敵兵は可哀想に、ビビって動けない。おしっこチビッちゃってる人もいるんじゃないかな? 僕もまだたまに漏らすけど。
僕は竜の鼻先から降りて、テントの中に駆け込……もうとするけど僕の竜に止められる。
僕の竜は、大型テントを口でひっぺがす。
なるほどそうだね。敵がいるから、一人で入るのは危ないね。
テントの中には、竜達に驚いて固まっている偉そうな人何人かと、青ざめて震える王子。
可哀想になって、抱きついて、頭をヨシヨシしてあげる。
(ぼく10歳王子13歳)
そして耳元でこそっと、「おしっこチビってない?」って聞いてあげたら、泣き笑いしていた。
王子は僕の竜に乗せられないから、二人で竜たちの間に挟まれながら、自陣に歩いて帰っていった。テントの中の偉そうな人たちはまだ固まって何もできなかった。
王子は、途中で迎えに来た馬に乗せてもらった。竜の中怯えずに来たあの馬は偉いと思う。僕は僕の竜の鼻先に乗って、
数日後、王子が無事
竜達を敵味方合わせて全部僕が引き連れて帰ってきてしまったので、敵国は無条件降伏をしたそうだ。
そのあと僕は功績を讃えられて、竜騎士の称号をもらった。褒美に何がほしいか聞かれたので、竜たちが遊べる場所が欲しいと言った。
どこがいいか聞かれたから、空から見たあの隣国との緩衝地帯がちょうどいいだろうと思って、そこの土地をもらった。国としても、小競り合いが多く活用ができない土地だったからちょうどよかったと言われた。
そして僕は竜たちと緩衝地帯で暮らすようになった。
付いてきてしまった隣国から来た竜たちも含めるととても数が多いので、隣国の竜は返すことにした。国王にお願いして、隣国の竜使いたちに迎えに来てもらった。
最初はおどおどしていた敵国の竜使いたちだけど、僕が怖がらなくていいよと笑うと、次第に向こうも笑ってくれるようになった。
竜達は、一旦帰るけど、またここに遊びに来てしまう。そのたびに竜使いたちが迎えに来るので、ちょっと気の毒に思ったけど、その竜使い達と仲良くなれたのでそれは嬉しかった。友達がまた増えた。
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