レビュー5 ファンタジー最強のパワーワード

 真面目な作品だけでなく、ギャグやコメディー作品も読むことが多い。この作品の冒頭の数話は、声を出して笑ってしまった。


 ただ私の中で一番の発見だったのは、作品タイトルに入った「バグ」という言葉。プログラムやシステムのエラーだけでなく、ゲームの世界観や、裏技的なドキドキ感がある。たった2文字の言葉で、イメージさせるものは多い。


 必ずしも世界観を詳細に描く必要はないと思う。拘った世界観を説明する為に、多くの文字数を使い、理解が難しくなる。そして、文字数が減らすための造語が、負の連鎖を生む。

 「バグ」の世界と作品タイトルで謳えば、最初からゲームのような世界観だと思って読みにきている。ラノベでよくある設定がベースであるならば、省略したり上手くぼかして、文字数を省略出来る。


 さらに、「バグ」の言葉の強さ。「チート」が設定を最強にした強さならば、「バグ」は想定外の力。さらには「ご都合主義」も「バグ」に勝てない。

 「あっ、それってバグだね」と言いきってしまえば、誰が何と言おうが納得するしかない。そんな最強のパワーワードを、私もどこかで使ってみたいと思わせられた作品。

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