夢の中と少女
小学一年生の時の話。
その頃の私はよく、絵本を読んでいた。そこでよくやっていたのが。ベットの枕の下に絵本を置いて寝ていたことだ。
ある時、いつものように寝ていたが寝付けなくて何度もねがいりしていた記憶があり。
一年生だったので時間が読み取れなかったがたぶん、午前一時くらいだと思うんです。
やっとのことで眠りにつき、そして夢を見た。
場所はたぶん、山奥の大屋敷———。ベットではなく布団で寝込んでいた。畳が敷いていたことは覚えている。
その隣に仏壇あったがその時の私は恐怖心より懐かしいような実家いる安心感が沸いていた。
起き上がって、布団をたたんでいた時、庭のほうの窓から人影がちらついた。
少し近づいて窓に張り付いていると奥の林から少女が後ろ姿で立っていた。
10歳くらいの女の子——。水玉模様のワンピースを着ていて、髪は短髪で何か探し物か。ウロチョロしていた。
「お目覚めですね」
突然声がしたので私は振り向いた。
高校生くらいのお姉さんで服装はメイド姿でショートカット。無表情であいさつをしていてお人形みたいな顔立ちだった。
「今しがた、朝食ができましたのでどうぞ召し上がってください。」
私はメイドの姿をした女の子が案内をして朝食が置いてある部屋に向かうと、ごはん、みそ汁、焼き鮭、ほうれん草のお浸しと一般的な朝食が置いてあった。
「まずはお召し物を」
メイドの子は持ってきた着物を渡して着替えて朝食を食べた。
あまり好きじゃないけどお腹がすいていたので全部完食したのだ。
朝食を終え、くつろいでいると、先ほど見つけた水玉模様の女の子がこっちをジーっと見て近づいてきた。
「お話をしようよ」
女の子は350mlの缶のカルピスを2つ持っていたのを私に一つ渡してもらった。
少女の笑顔にうつったのか。私も大いに笑顔になっていた。覚えている。
女の子は庭で話そう。と私の手を掴んで廊下に座った。
学校で友達と一緒に遊んだこと。逆上がりができたこと。こくごで100点取ったこと。いろいろ話した。
女の子も多くは語らなかったが、おじさんと公園で缶を蹴った話。四年生たちとお墓で缶を蹴ったこと。
そこで私はふと、思いついてしゃべった。
「カンケリがしたいのだー」
「なんでこんなことを思い出したのか。その時の私は「カンケリ」という言葉すら分からないのにだ。
その言葉を聞いた女の子はやろうー!と走って缶を置いて蹴り上げたのだ。
奥のほうまで飛んでいったのを見た私がここじゃ、できないのだー。と言って女の子は謝るように言った。
「ごめん。ごめん。あそこに神社があるからそこでやろー」
女の子は私の手を掴んで走って神社に向かって行った。その瞬間メイドの女の子が行ってらっしゃい。と言って手を振っていった。
そこから目が覚めたのだった。
けど、私はちょっと違和感があるんだよ。
この思い出————。私の記憶じゃないのに夢を見た記憶という感覚だけあるのが不思議なんです。ちょっと最近になって気づいた。
この記憶は一体———。
カンケリ少女 倉ぼっこ @kuraboxtuko
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