ラーメン屋と少女

飲み会の帰りだった———。


女子会で私たちは仕事の愚痴や恋愛話、どうでもいい話をペラペラしゃべっていたら終電を逃してしまい、仕方ないので歩いて帰っていきました。

私は休みだが、美優やともこは仕事らしく、この先、ともこの家が近いと言っていたから裏路地に入った。


「腹減った。ラーメン食いたい。」

「こんなところにあるわけないでしょ。この時間にお店なんて。」

「それに食べると太るぞ。」

美優が言っていると私が腹が鳴ってしまった。

「和美、あんたも腹減っているのかよ。」

「へへへ、さっきの居酒屋じゃあんまり食べていなかったから。」


下戸で小食な私は皆がお酒や料理とかを食べているが唐揚げ二つくらいでお腹いっぱいになってしまうのでそれ以降は食べず、喋っていた。

なので私たちは裏路地のほうをとぼとぼ歩いていると。

「ねぇ、・・・あれ、お店じゃない。」

ともこが指さし言った。サユリを抱きながら奥のほうを見てみると何やら明かりがついていた。

徐々に近づいて目を細めてみると看板にラーメンと書いてあった。


ウソーー。とわたしたちは驚いて店の前まで来た。

店構えは何かこだわりのメニューとか書いていなくいたって普通のラーメン屋だ。

「こんなところにあったんだな。」

窓ガラスで店内を見ているとお客は誰もいない。そりゃー。この時間は来るわけないだろう。


「入って見ない。」

私はちょっと無表情で言った。

唐突に二人はプッと笑い。

「そうだね。こっからだとお店ないし、私の家まで我慢できないでしょ。」

「ま、まぁ。」

顔真っ赤になって言った。恥ずかしかった。——先にともこが店に入って順に美優、私とその肩に抱いて伸びでいるサユリが入った。

見た目は古き良きっと言った方がいいのか、いや古臭いラーメン屋で、カウンター席しかなく、壁には名前は知らないが、女優が缶ビールを片手で持って笑顔の宣伝ポスターが貼っていた。奥には小型の冷ケースが置いてあり、中には瓶のコーラが数本入っていた。

「すみません。」

ともこが誰かいないか呼んでみたら、奥から物音がして店長が出てきた。短髪であごひげをはいている三十後半くらいのいわゆるイケオジが出てきたのだ。

私たちはびっくりした。想像してたのは白髪が生えている頑固な爺さんが出てくると思ったから。


「いらっしゃい! すいません、ちょっと電話出ていたので遅くなって。」

「大丈夫ですよ。」

イケオジの店長がどうぞ、どうぞと席を案内した。

私たちはメニューを見ているとサユリが。

「味噌チャーシュー!大盛!」

「あんた、あれだけ飲み食いして、大盛って。」

「うるせー。食いたいときに食うんだ。それに今日はあんまり酒飲んでないから大丈夫!」

「10杯くらい飲んでいたくせに。」


ともこと美優はメニューを見て決めてオジサンに言った。

私は腹が減ったとはいえサユリみたいに食べられないのでラーメンを注文した。

あいよー。とオジサンが言うと冷ケースのほうまで行って美優とともこのグラスを出して瓶ビール二本を持ってきたのだ。


「美優、ともこ、また飲むの。」

「どーせ、時間かかるだろう。なので私たちはのんびり飲んで待っているから。」

ともこが二つのグラスにそそって二人で軽く乾杯して飲んでいた。

数秒くらいでラーメンが来た。それと同時に。

「あい、味噌チャーシュー麺、大盛一丁!」

「しゃ。」

らーめんが届くと早速サユリが麺をすすり始めた。

私もラーメンを食べようとした時。


ガラガラガラ———


誰かが入ってきた。私は無意識にちらっと見てしまったが、唐突に二度見してしまった。

少女だ。髪が黒のセミロングで白い水玉のワンピース着ている。きれいで可愛い子だが靴がシューズなのがちょっと変な感じがした。

「おっちゃん! いつもの。」

あいよー。とオジサンが言って、冷ケースから缶ジュースを取り出した。カルピスだ。

オジサンが作り出すと少女がカルピスを一気にに飲み干し、ぷはーと笑顔でからの缶ジュースを机に置いたのだ。なんだかちょっとオヤジ臭い。

私はジーっと見ていると美優とともこは小声で言ってきた。


「ねぇー。あの子。こんな真夜中なのに一人でっておかしくない。」

「確かに、ここの近くの子じゃないのか。」

「イヤ、私はたまにここ通るけど、こんな子は見たことないよ。」

ともこがビールを飲みながら言った直後。


「はい、ラーメン。お待ち!」


オジサンが言うと少女が待ってましたっという顔で食べ始めた。

最初にラーメンをすすった。熱かったのか。舌を出し、直後、フーフーと息をかけた。

そしてラーメンをすすり、少し食べたらカルピスを一口飲んだ。

黙々とラーメンと食べ、これからカルピスを飲んでそれの繰り返しをしていた。

私たちはその姿を見て、茫然としていた。すする直後に笑顔を浮かべカルピスを飲む姿が何故か可愛く感じた。

そしてドンブリを持ち上げて一気にスープを飲み干したのだ。


「ごちそうさまなのだー。」

少女は小銭を机に置き、席を立ったのだ。オジサンはいつもありがとよ。と笑顔で見送った。

私たちは少女を見ていると何故か手には先ほど飲み干したカルピスの空き缶を持って帰っていき。

「またもらっていくね。」

そのまま外に出て行った。


直後にオジサンが言ってきた。

「あの子はいつも缶と一緒にラーメンを頼むんですよね。」

「店長、あの子真夜中に来ているっておかしいと思わないですか。」

私が言うと、オジサンが振り向き。

「たぶん、人間じゃないと思うんだ。」

やけに無表情な顔をして言ってきた。私たちはちょっとビビッて黙り込んでいると。


「ごちそうさま!」


サユリがスープも含め、完食していた。

「えっ! もう食ったの。」

「フン、みな、少女のほうを見ていているから、ラーメンが伸びてしまっているよ。」

私はラーメンのほうを見るとスープが冷め、伸びてしまって私は驚き急いで食べたのだった。


「ありがとうございました。」

オジサンが笑顔で私たちを見送って、歩き始めた。

「あーうまかったな。あそこ。」

「そうなの私たち、ビールしか飲んでなかったけど。」

「確かに、うまかった。伸びていたけど。」

私は少ししょげているとサユリが言ってきて。

「また、次回、もう一度行っとこうよ。」

「まぁ、暇なとき、私たち四人全員揃ったらね。」

ともこが冷静に言って、私と美優もサンセイーと言い終わって家に向かったのだ。





数日くらいはみな、忙しくて時間が合わなかったが、今日ついに四人全員そろって小野お店に向かったのだが。

「あれ、確か、この辺だったよね。引っ越したのかな。」

「そんなわけないでしょ。だって建物ごと見つからないことっておかしいでしょ。」

「さっきは目立っていたのにね。」

私たちはあたりくまなく探してみたがそれっぽい店が見つからなかったので仕方なくいつもの居酒屋に行って飲み会を始めたのだ。

そういえばあそこの道って一軒家とアパートしかなかったような。まあいいか。

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