着物少女と夜の学校

私の小さい頃の話だ—————


その頃の私は良く家の中で遊んでいた。

実家は一軒家、階段上ってすぐの部屋が私の部屋だ。その奥に物置部屋が見えて秘密基地みたいでよく中に入っていた。


—————ある夜

両親も寝て私も寝ていた時、ふとトイレに行きたくなって部屋から出ると、ガタン。

音がした。

奥の物置部屋のほうから聞こえてきた。急なことが起きてびっくりしたが冷静になり幽霊じゃないと分かった時には二階のトイレに入った。

もう一度布団に入り、天井を見つめていた。私は眠りに入るまでぼーっとしていた時

ガタン!

また鳴ったのだ。二度もなるとさすがに不安になった。

そしてガタン!またまた鳴ったが今度はタッタッタッタと足音がした。さすがに怖くなってきて布団を頭にがぶってブルブル震えた。

そっからは覚えていなかったが気づいた時には朝になっていた。その後に物置の部屋を見たが何も変わっていなく、落ちた証拠もない。私は夢だと思ってそっからは忘れていたのだ。


数日たった時、私は学校から帰ってきてふと奥の物置部屋を目に入り、思い出した。

「前に足音がしたんだっけかな。」

私は部屋の前に来てドアノブを握りしめた。少し怖がったが好奇心のほうが勝り中に入ったのだ。

やっぱり何も変わらない。

私はあることをひらめいて、自分の部屋に戻って本を持ってきて物置部屋に入り、くつろいでいた。

三十分くらいたったのだろうか。何も起きてなかったので私は下に降りて、リビングでおやつを食べながらテレビを見てダラダラしていた。

ずっとテレビを見ているとガタン!と音がした。音がした先は物置のほうだ。私はびっくりして上を見た。時間がたつとすぐさまテレビを見た。そしてまた、ガタン!として私は立ち上がったって二階に上がったのだ。一段一段上がると誰かの声がしてきた。

何言っているのか分からいが二人の少女の声だ。


おかしい。親は二人とも仕事で、夜帰ってくるから、家にいるのは私一人なはずだ。

徐々に部屋に近づくに声が大きくなり、ドアの前まで来て、ドアノブを触った。

急に緊張してかたずを飲みこしてドアを開け———驚愕した。


「え、…。ここって…校庭。」


気が付くとなぜがどこかの学校の校庭、しかもど真ん中で立っていた。、まだ夕方なのに関わらずあたりが暗く、真夜中な感じだった。

小学校?と思った瞬間。誰がか私の手を握り出して後ろを向いた。

ストレートなさらさらな髪で人形のように整っている顔。時代に合わず赤い着物を着ている十歳くらいの女の子が話しかけてきた。

「あなた、何故、ここにいるの。」

私は少女の見とれていてぼーっとしていた。

「何やっているのか。聞いているですけど。」

着物の少女はしかめっ面の顔をして言ってきた。

「ああ、悪い、実は声がしていてドアを開けたら、…校庭に立っていてそして君が出てきたってことかな。」

「あ、そう。私はある少女と一緒に遊ぼうとしているけど空き缶がなくて困っていたんだよ。」

「あ、空き缶使って何するの。」

「カンケリよ。」


私はきょとんとしていた。その時。

奥のほうから誰かが出てきた。

こっちは髪が短く、白い水玉のワンピースの女の子がこっちに走ってきた。

年は着物の少女と同じくらいだろう。だが何故かシューズを履いていたのでちょっと変わってる子だと思った。

その少女がぜいぜい言いながら。

「空き缶、あったよ。」

「はぁー。よかった。これでカンケリやれるね。」

着物の少女がそう言うと水玉の少女が私に気づいて。

「ねぇー。この人は。」

「なんか迷い込んできたらしいってよ。」

「じゃ、仲間に入れよう。」

唐突に言われて、私は困惑し。

「じゃ、あの人、鬼でいいね。」

着物の少女が言ってきて空き缶を置き、蹴り上げたのだ。

下駄をはいている割に結構飛んで行って奥の草むらに入っていった。

それと同時に少女たちが走、学校の中に入っていったのだ。


茫然とした同時に隠れ場所が学校だと知って、私は絶望した。規模が大きすぎる。

ここから出れるか分からないけどとりあえず少女たちの機嫌を損なわないように、草むらまで来て、缶を探して置き、いざ、学校の入り口に来たのだ。


また緊張してきた。どうなるか分からない衝動に駆られて私は入り口のドアを開けた。



————何故か、私はリビングのソファーに座っていた。まだみかんジュースとポテチが置きぱなっしで、テレビもつけっぱなしだった。私は急に立ち上がり走って二階に登って物置の前まで来て、ドアを開けた。———中はものが散乱しているだけで学校の校庭や少女たちの姿がなかったのだ。


それ以降、私は物置部屋を何度か開けたが、この体験は一回だけだった。アレは一体何なんだろうと今となって思ったのだ。

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