148 二柱目の契約
真幸side
『えいえいおーに加われなかったアリスでーす……現在地、虫達の上空。数は20万匹以上といった感じです。
鳥さん達は約七万羽ほど涎を垂らして待ってます。ちなみに妖怪のウンメ……
『こちら地上班鬼一。こっちでも見えるぜ、あのバカデケェ鳥はコカクチョウか。
タツクチナワとぬりかべも連れてきたぞ。上空までぬりかべが伸びて、イナゴを閉じ込めてくれるってよ!』
『同じく地上班伏見です!天狐と地狐を調伏して狐達を山ほど集めました!』
『こちら観察班妃菜ちゃんやでー!そろそろ星野さん限界やろ?ぬりかべと狐達で協力して、新しい結界を展開した方が良さげやな』
『ほ、星野です!仰る通り守護結界がそろそろ限界です!!』
「よし、星野さんお疲れ様!こっちは最後の欠片が見つかりそうだ。以降の指揮は妃菜に頼む。もうちょい堪えてくれ!」
『はいな!伏見さんと鬼一さん、妖怪達で守護結界展開!
アリスは拗ねてないで鳥さん達と虫を上空から叩き落としてやー。地上の妖怪達と手分けして食べてもらお!
ウンメには火で燃やしてもろて、他に空飛べる助っ人さんおる?」
「居ますよ!ええと……――」
俺は妃菜に指揮をかわり、戦線を離脱する。
蝗害とは主にイナゴの大量発生のことを示す。あれは草木を食い荒らして土地を荒らすし、作物を根絶やしにするんだ。
大陸国でも日本でも過去に何度か発生している厄介な災害だ。
宣紀さんの時代にはこれが起きて大きな被害をもたらし、当時六千人が亡くなったとされる。
何もかもを食い尽くす虫達の集団は人をも殺す大災害になり得るんだよな……。
今回の蝗害は、呪術によって成された人工的なモノだ。イナゴ自体に怨念を感じるし、そもそも自然発生原因がない。
各地に設置されていた魔法陣は、虫を誘き寄せるものだと思う。
供物に捧げられたのは藁人形。その中には虫の羽が埋め込まれており、恨みでおびき寄せたとしか思えない仕様だったし。
呪術で言えば日本には『虫送り』と言うものが古来からある。
害虫が来ないようにして作物の豊作を願うお祭りなんだが、それに使われる藁人形で呪いが作られていたんだ。
そして、その魔法陣は細川宣言さんや九州の神様達によって壊されている。すでに有効化した後だから蝗害は無効化されなかったけれど。
俺たちは対処療法をするしかなく、さらに被害を拡大しようとして国護結界を緩めた、原因の玉を探している。
俺たちも移動のついでに各地の妖怪さんに声をかけて虫退治に向かってもらい、今や九州の超常達の殆どがあそこに集結しつつある。
今回も例に漏れず大騒ぎの様相だな。
量には量で立ち向かうのが一番とは言え、この後の事態収集を思うと頭が痛い。
「――あっ、匂います!!あそこの洞窟の中ですよ!ゴーゴー!」
「ほいさー!」
「うっぷ、ちょ、ゆっくり飛んでくれぇ……」
「あっ、ごめんなさい。こんくらいでどぎゃん?」
「ありがとう。おわー、下降重力すごぉいな」
「こればっかりは、どうにもできまっせん」
「うん、大丈夫。すまんな、俺だけ騒いで」
「はっは、普通はそうばい。清音しゃんが強かだけばいね」
さっき出会ったばかりの
彼は名前の通り反物みたいな布地の妖怪なんだ。その上に乗せてもらい、各地を移動している真っ最中。お空、キレイ。
魔法のじゅうたんみたいだな。こういう風にしてるアニメを参考にして、各地を巡りたいとお願いしたら……めっちゃ嬉しそうに了承してくれた。
清音さんの鼻を頼りに宝玉の欠片を見つけて、もう殆どが集まっている。
地上を走り回りながら玉を探すのは限界があるし、お空を飛べるって便利だ。
目に見える景観は大変素晴らしい……んだけど。
ヒラヒラふわふわしてるから揺れるんだよ。俺は乗り物酔いしそう。
「一反木綿の言う通りピンピンしてるけど、清音さんは本当に平気なのか?」
「私は乗り物得意なんですよ。三半規管が丈夫なので!」
「さすが武家の末裔……うぷっ」
「芦屋さんだって剣が上手いらしいじゃないですか?手合わせしてくださいね!」
「うん……今度ね……」
「ありゃ?なんか神さんがおるばい。ピカーっとしとる」
「えっ!?……あー、うん、大丈夫。丁度宝玉がある場所だな、降ろしてくれ」
「あいよぉー!」
一反木綿から降りて、大きな洞窟の入り口で腕を組みしかめ面をした……ニニギノミコトと目が合う。
「な、なんかあの方怒ってませんか?どちら様でしょうか。」
「ニニギノミコト、天尊だよ。あれは拗ねてるんだ。天照がそうなった時と同じ顔してる」
「あー、天照大神のお孫さんでしたっけ?お顔が颯人様に似てますね」
「小娘!私はお祖父様似だぞ!」
「ヒェッ、すみません」
「ちょっとー!ニニギ、俺の子孫に怒鳴らないでくれる?何拗ねてんだよ」
ちょっと離れた距離から声をかけると、ニニギノミコトはピカピカの光を放ちつつ頬を膨らませて近付いて来た。ちょっ、眩しいっ!
「眩しいだろっ!光量落として!」
「む……すまぬ。颯人は?」
「一反木綿に乗ってたから俺の中だよ。会いたいの?」
「否。私は其方に会いたかったのだ!京都で会ったきり、高天原でたまーにしか顔を合わせぬではないか!
ろくすっぽ話をしてくれぬし……勾玉を差し出したのに!」
「俺はくれって言ってないだろ。今忙しいから後にして」
「私を蔑ろにして良いのか?天尊が声をかければ、九州の広範囲から神々の協力を得られよう」
「ぬ……むぅ」
しかめ面から満面の笑顔になったニニギのタックルを受け止め、抱きしめられる。しゃーなし。
……颯人ー抑えてくれー。
(我の相棒に触れるなど……)
(ニニギは奥さんいるだろ?怖ーい女神様が)
(これの遊び好きは名高い。特に美女が好きなのだ)
颯人の声を聞いてふと思い出す。美女と言えば、ニニギに言いたいことがあったんだ。
「そういえば、イワナガヒメには大変お世話になってるんだー、俺」
「ギクっ」
「彼女は本当に働き者で気が利いて、頭の回転も早いし、手を抜かないし、素晴らしい神様だよ」
「…………ソウカ」
「そのイワナガヒメをさぁ、ポイってした神様がいた気がするんだよなぁ。彼女はどんな気持ちだっただろうなぁ。
俺としてはぱっと見好みじゃないだけで、嫌がってた神に嫁がなくて済んで本当に良かったと思うんだけどさぁ」
「まぁっ!酷いですね!どんな神様なんでしょう!!コノハナサクヤビメさんと姉妹で嫁ぐ予定だったのに、一方だけ断られたなんて!お姉さんも嫌な気持ちだったでしょうね!」
「清音さんもそう思うだろ?酷いやつだよなー」
「本当ですね!神様としてどうかと思いますっ!」
「…………スン」
素晴らしい合いの手をくれた清音さんとガッチリ握手を交わす。
そして、しおしおと小さくなったニニギの肩を叩く。お前さんのことだぞ、わかってるよな?
「で、神々に呼びかけてくれるんだっけ?」
「ハイ」
「可及的速やかに頼むよ。今虫退治と
ニニギに会いに来なかったのは申し訳ないから、後で俺んちにご招待しても良いよ。……長時間拘束されたいなら、ね」
「エンリョシマス」
うむ、これでよし。ニニギノミコトと共に、とりあえず洞窟に入っていく。
湿った空気の中で奥の方からほの暖かい気配が漂ってくる。宝玉の気配だ。
「これで最後の筈だな……あぁ、玉のかけらを媒介にして穢れを持たせてたのか。だから国護結界を歪めたんだ」
「酷いです、どうしてこんな事を……」
血の匂いと瘴気の匂いが入り混じり、その中に暖かい気配が包まれている。
黒と赤、淀んだ闇と血の匂いだ。まさか、ここも人の命でこれを生み出したのか?
「あっ!な、何かいます!」
「……蛇?いや、龍だ」
赤い液体の中でうごめく水色の龍は息も絶え絶えだ。もしかして、水源が枯れたのもこれが関係してる?
人の命が消費されてはいないけど、龍自身が傷つき血を流しているようだ。
龍神は八大龍王としてまつられている事が多い。またもや八の数字がちらつく。これも、清音さんにまつわるのだろうか。
「かわいそうに……綺麗にしてあげましょう!」
「うん、そうだな」
二人して龍に手を伸ばし、手持ちのハンカチで拭いていく。
じわじわと呪いの術が侵食して指先が黒く染まった。
「芦屋さん!指が……」
「大丈夫。清音さんは何ともないね」
「こういうのにも耐性があるんでしょうか?」
「そうかもしれん。清音さんは俺よりすごい力を持ってそうだなぁ」
「えぇ……?ナイナイ、ありえないですよー」
「うーん?身に覚えのあるセリフ……」
二人してゴシゴシ龍の血を擦っていると、ニニギノミコトが俺の手を掴んだ。首に巻いていた布で俺の手を拭い、颯人を呼ぶ。
「穢れぬ者がいるなら任せれば良い!なぜそう突っ込みたがるのだ。全く其方は……」
「えー」
「颯人様!早う清めてやって下さい!」
「言われなくとも」
ニニギノミコトから颯人に身柄を手渡されて、ぎゅうっと抱きしめられる。
おでこやらほっぺやらにチューチューされて、指先の黒がホワホワと消えて行く。
この、結界を張るときに唇で触れるのはちゃんと意味があるんだ。結界を張る術者が対生き物である時は、自分の体液を媒介として命に干渉しなければならない。
祓い清めるだけだと今まで構築してきた結界を壊してしまうし、結界を張るときの福音でお祓いをしてるから……たくさんチューしなきゃならんのはわかる。
だけどさ!もういい加減顔が熱いんだよっ!!
「も、もういいだろ!」
「今少し必要だ。ニニギ、清音に穢れの落とし方を教えてやれ」
「はいはい。叔父祖父様は神使いが荒いですね。清音、まずは其方の神を呼ぶのだ」
「は、はい!……どうやるんですか?」
「ぬ?それも知らぬのか?」
「すみません、分からないです」
ニニギノミコトがしかめ面をしつつ、霊力の流れから説明してる。……そう言えば、俺も神様の呼び方なんて知らないぞ。
ただ呼んでるだけなんだが、みんなそうじゃなかったのか?
「其方は本能で会得しているから教えるのは難しいやもしれぬな。
その口から甘やかな聲で我らを喚ぶのだ、応えずにはいられぬ」
「そうなの?……別に、甘くなんかないだろ」
「心で名を呼ぶ故、甘く感じる。其方が愛情を込めてくれるのだからそう感じてもおかしくはあるまい?」
「………………ソウデスカ」
颯人は俺を抱っこしたまま、まだチューチューしてる。……こんなにしつこくしなきゃダメなのか?もう辞めて欲しいんですけど。
「清音、うらやまけしからん奴らを見るでない。気が散るだろう」
「す、すいません?とりあえず心臓から力を流して口から吐き出しつつ、名を呼ぶんですね」
「そうだ。其方は一度力の流れを学んだほうが良さそうだ。あとで教わると良い」
「わかりました!とりあえずやってみます!!」
「や、八……」
「あるじー!!!」
「わぷっ」
元気だな、八房。名前を呼び切る前に出てきたな。
真っ黒わんこの八房は清音さんの手をぺろぺろ舐めて、綺麗にしてる。
彼も呪いへの耐性が強いみたいで、龍の周りのモヤモヤがすうっと消えていく。
俺達に拭かれた龍はキョトンとしたまま一緒に舐められて、涎まみれになってしまった……。
「清めになってる、よね?アレって」
「なってはいるようだが……ううむ。どうも八房と清音は常識が通じぬな」
「確かにそうだな。でも、いいんじゃないかな、それで。……うん、すごくいい気がする」
「む?」
颯人のハテナ顔を見上げて、なんだか幸せな気持ちになる。清音さんって、新しい風なんじゃないか?
今まで長年培ってきた俺たちの常識を打ち破ってくれるニューエイジなんだ。
教え込むのではなく、手を添えてあの子たちのやり方を確立してあげればいいんじゃないかなって、思った。
「其方が思うのならば、そうしよう」
「うん。あ、やっぱり怪我してるみたいだな。回復してあげよう」
「あぁ」
「芦屋さん、龍の鱗がはげてて、血が出てます」
「怪我してるぞぉー。誰かに切られてるなぁ」
「うん、わかった。怪我の治癒はお任せください」
涎まみれの龍は血まみれから脱してボーッとしてる。
清音さんが抱き上げようと手を伸ばすと、猫のように『シャーッ』と威嚇してきた。
手のひらサイズだから怖い顔してても可愛いけど、牙は結構鋭い感じだ。爪もチクチクしそうなくらい長い。
「我に返ったようだ。清音……龍は元々人に慣れぬ。無闇に手を出すと危ないぞ」
「でも、八房の涎まみれですし。血の中にいたらまた穢れちゃいますよ」
「あっ、これ!そのように……」
青い龍は鼻の根っこに皺を寄せ、差し出された清音さんの指にカプッと噛み付く。
清音さんはそれを見て、目を細めて微笑んだ。
「優しい子ですね。龍だと言うなら、私の指なんか噛みちぎれるでしょうに。
こんなに震えて、怖がっててもちゃんと手加減をしてくれたんですね。
綺麗な色の鱗です……海みたいに透き通って、空の色を写したみたいな蒼ですね」
「…………」
颯人と俺は立ち止まって、その様子を見守る。清音さんの肩に顎を置いた八房が神力を主に注ぎ、彼女は口から自然に言霊を発している。
なんだか……調伏でもしちゃいそうだ。鎮めの波動が優しく洞窟内に広がっていく。
これは手出ししないほうがいいな。
「あなたを見ていると、水島龍神社の社が思い浮かびます。
海と、空に囲まれて満潮時には人が渡れなくなる聖域で暮らしていたんですよね。
写真でしか見たことはないけど、青い瓦屋根の可愛い社だったと記憶しています。あそこに、帰りたいでしょう?」
「…………」
「天災の多い九州の神様達はみーんな働き者ですけど、そんなふうに怪我をしていてはお勤めを果たせませんよ。
芦屋さんがお怪我を治してくださいますから、安心してください。
あの……色々言いましたけど。あなたが可愛いから、抱っこしたいんです!いいですか?」
「キュゥ」
小さく鳴いた龍は、噛みついた指からそうっと歯を抜いて頬をすり寄せる。清音さんは新しいハンカチを取り出してそれを抱き上げ、笑顔のままでこちらに歩いて来た。
「芦屋さん、見てください!とっても可愛いです……お返ししたくなくなっちゃいますね」
「うん……ふふ、そうだな。さぁ、清音さんの指も一緒に治そう。颯人」
「応」
みんなの笑顔に取り囲まれて、青い龍は目を閉じる。ちいちゃいけど角が生えて、長い髭があって……立派な龍神だな。
颯人が神力のふりかけをトッピングして、俺が息を吹きかける。
傷がじわじわ治っていくうちに痛みを感じたようで、小さな龍は清音さんの指に抱きついた。
「キュゥ……キュッ」
「私、鳴き声で悶絶しそうです」
「ほんとだなぁ、可愛いなぁ……」
「其方達の審美眼はよく分からぬ。小さくとも龍なのだぞ?鋭い牙で痛い目を見ただろうに」
「この子に穢れを背負わせたのは人間でしょう?それなのに、ちゃんと大怪我しないように加減してくださったんです。とっても優しい、可愛い龍さんですよ」
「ううむ……」
怪我がすっかり治った龍はニニギノミコトをチラッと見て、手のひらから腕をつたい清音さんの肩に乗る。首元に体をくっつけて、またもやスリスリしてる。
「かーわいいなぁ」
「はわわ。たまりませんね!!とってもあったかいです。
龍さん、お名前をお聞きしてもいいですか?私は里見清音です」
「……ワタシ、
――真名を里見清音、アナタをワタシの主とし、神力を与える」
「えっ?」
「あっ!?しまった!!あぁーー……」
『アチャ』と名乗った
……完全にしくじった。真名を告げて、アチャが依代契約をしてしまったんだ。
「は、颯人……どうしよう」
「其方と同じ道を辿るのだろう。
二柱目は問題ない。後に勾玉を――いや、待て。……宝玉で良いのではないか?」
「……ナルホド??」
うーん、俺が魚彦を迎えた時みたいに倒れちゃったんだな。これは。
俺と同じ道を辿るのか?でも、八房だと颯人みたいに色々教えてあげられないと思うんだが……これはちょっと問題かもしれんぞ。
「勾玉の代わりに八徳の玉を手に入れると言うシナリオだとして、この先であと七柱の龍王を抱えなきゃならんのか。清音さんは」
「そうなるだろう。しかし、八房では心許ない。あれは霊力の操作すらも指南できぬ。神力を分けることはできようが」
「うーん。うーん……指導してあげられる神様先生が必要だね」
「そうさな。白石の結界をもろともせず、共にいられる神が必要となる」
「…………」
「白石本神にさせればよろしいのでは?」
「そ、そう出来たらいいんだけどさぁ、簡単に言うなよニニギぃ……」
「記憶が戻って仕舞えば、清音が困るのだぞ」
「記憶が戻らぬよう、特定の縛りを与えてやれば良いのではありませんか?記憶の蓋に鍵をつけるのです」
「鍵を?キーワードって事?
あっ!約束事を決めるってのはどうだろう?俺と颯人みたいに」
「あぁ、それは良い。運命を作れば、本当に其方の全てを辿ることになるやもしれぬが」
「うーーーーん……」
ニニギノミコトがアチャの血溜まりから犬士の宝玉の欠片を持ってくる。清音さんが抱えた玉にそれをかざすと、勝手にくっついてまんまるの球になった。
宝玉に何かがじわじわと浮かび上がる。深い青、藍色かな?に染まって出てきたのは『仁』の文字だ。
これは……色々な設定がありそうだな。あとで整理整頓しないと訳がわからなくなりそう。
でも、このルールを理解できれば次の事件の対策ができて道標になる。そういうことだろう。
とりあえず今は八房に事情が聞けないからその辺は後ほどまとめてだな。
清音さんのジャケットのポッケに玉を入れて、ニニギノミコトに抱えてもらい、洞窟から外へ出た。
外の光に目を細めていると、念通話が回復、混線してピーピーガーガー音が聞こえる。
『ザザッ――芦屋!清音に何かあったか!?結界に反応があったぞ!!』
「白石……いや、とりあえず無事だし大丈夫だよ。各自報告を頼む」
どんどこ増えていく条件やら設定に……俺は眉間を揉みつつため息を落とした。
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