46 ⭐︎追加新話 【閑話】伏見と鬼一の千本ノック

伏見side


「さ、やりますよ。鬼一」

「……ハイ」

「芦屋さんにいつまでも遅れをとっている場合じゃないんです。全てを伝えたのは彼と、あなただけなんですから。真っ先に成長しなければなりません」

「はい」


 早朝の冷たい気配が漂う大社の下拝殿前、鬼一と二人でこれから鳥居の耐震補強千本ノック修行を始めるところです。

 

 背中に哀愁を漂わせて居る鬼一は昨日新たに二柱の神の依代となった。勾玉を飲んで回復したとはいえ、体調が万全でないのはわかる。……だが、もう動き始めてしまったものは止められはしない。

新しいチームの人員は成長が急務だ。




「霊力が尽きたほうが勾玉からの神力補充をスムーズに行える様になるとの事です。エンプティーになる寸前で補充すると自身の霊力が爆発的に上がる、ともね。

 僕はその経験がないので指南はできませんが、やってみればわかるでしょう」

 

「そうは言っても、修練でくたばっちゃ意味がねぇ……ないですよ」


 

 太い眉を動かしながら、鬼一が目線を漂わせる。僕との出会い端から言葉を選ばなかった鬼一は、芦屋さんに出会ってからは丁寧な言葉遣いを心がけている。

 

 おかしなものですね。営業の中では遠巻きにされていた彼に、ついて回る人が出てきたんですから。

 もともと人好きのする性格なのだろうとわかる。鬼一は一匹狼のはずか、蓋を開けたら無垢な仔犬のようだった。


 


「無理に言葉遣いを変えずともいいでしょうに、どうしたんです?」

 

「真幸が言ってただろ、人の中身は行動に出るって。無意識が人となりを表すってんなら、普段の言葉遣いも変えなきゃならんと思っただけだ。俺ぁ乱暴だからな」

 

「ふ……確かにそうですが、キャラが被りますから程々にしてください」

「何なんだそりゃ。気楽にしていいって言やいいのに、わかり辛ぇ」


「ふ、本日の目的は霊力アップ、勾玉の使い方をマスターすること。これは急務です。

 あなたは二柱分の依代ですから、2:1の割合でいきましょう。右、左回りどちらがお好みですか」

 

「…………」


 


 思い悩む鬼一を横目に、腰の帯をキツめに結び直す。二人とも今日はスーツではなく、最初から神職が着る袴姿。これには一応訳がある。


 洋服は動きやすいが、支えがない。着物は腰の帯によって体の軸を支える効果がある。

 今日は耐久レースに挑むようなもので、山登りが主ではないから着物がベストだろうと判断した。

 

 最後まで保つかどうかもわからないが、霊力の限界を知らない僕たちにはやるべき修練だ。


 

 三重の任務では鈴村が颯人様の転移術でピンピンして居ましたからね。彼女に負けるわけにはいかないんですよ。

 

 元々神職の家に生まれでも、陰陽師としては素人だった鈴村。彼女は裏公務員になる前に自ら組み立てた術式で魚彦殿を降ろしている。

 元の霊力は少ないが、その神降しの仕方は奇想天外で誰もが思い付かなかった。二度目に降りた神も芦屋さんの導きがあったとはいえ……神格の高い飛鳥大神だった。



 

 鈴村も間違いなく稀代の陰陽師である。新しい風を吹かせるニューエイジとでもいうのか、この世界の常識を覆す彼女の成長は凄まじい。鈴村が成長できなかった所以は常識の枠に当てはめていたからだった。

 

 芦屋さんは登場から常識なんぞ持ち得ていなかった。あの二人は歴代陰陽師の中でも異質だ。

 

 陰陽師の基本を知り、学んで育った僕たちは簡単にはそうなれない。


 芦屋さんと並び立ち、同じ仕事をしていくにはこの枠を壊さなければならない。常識に囚われていたのではいつか限界がくるだろう。それだけ彼らは普通ではない人達だし、現状を打破して行くにはそこが足りなかったのだと思う。


 


「普通なら右、というところだが、俺は左回り希望だ。よりキツい方に行きてぇ」

 

「はっは、いいですね。僕が欲しいのはその勢いですよ!では、行きましょう。エチケット袋と、タオルです。どうぞ」

「ありがたい。よし、気合い入れるぞ!」


 意気揚々と立ち上がり、二人で大社の左側から頂上を目指す。

鳥居の数は右側より左側の方が少ない。千本鳥居にたどり着くまでにはどれだけ悲惨な状態になっているのか……後半に地獄が待っている方を選ばれてしまった。


 でも、芦屋さんにはみっともないところを見せたくありませんから。今日1日で爆発的に成長してみせる。


 


 決意を新たに背筋を伸ばし、大量に奉納された狐の像と塚の群を横目に稲荷山へと登って行く。

 僕たちの異様な気合にのんびり寝ていた猫たちが飛び跳ね、逃げていってしまった。


 芦屋さんがいたら「あぁ、モフモフニャンコが……ごめんよ」って言っていただろう。彼の声が染み付いた耳から本人のお声が聞こえるような気がして、気力が満ちてくる。

 

 自分も大概あの人が好きですね。


 目の前に現れた一本目の鳥居に手をかざし、霊力を注ぎ込んだ。


 ━━━━━━


「しゃっきりせいっ!!」


 気合いの一声でウズメさんが僕たちに冷たい水を頭から浴びせてくれる。

完全に地面に突っ伏して、ただうめくしかない僕の頭にわずかながら理性が戻って来た。



「大丈夫?顔色が悪いな……とりあえずお母さんが持たせてくれたお弁当出して!しっかり食べないと、後半戦まともに動けないぞー」

「はい……」

「はぁ……」


 

 登山用のリュックに詰められたスポーツドリンク、竹の皮に包まれた稲荷寿司を取り出し、開く。

 喉の奥に込み上げてくるものを必死で抑えて、眉間を揉む。

 

 ……キツい。霊力枯渇ももちろんだが、神力を注がれる事がここまで辛いとは思っていなかった。


 疲弊した体を無理やり動かし、どうにか稲荷寿司を掴んで口の中に放り込む。僕も、鬼一も無言のままで流し込むようにして……たった三つのお稲荷さんを食べきれない。




「真幸はキツい顔してなかったのにな。ここまでとは思わなかったぜ」

 

 ポツリとつぶやいた鬼一の声に、無言で頷く。彼は、痛みにも悲しいことにも慣れていると言っていた通り……忍耐の化け物だ。

 僕たちが経験していない死線をすでに何度も乗り越え、経験している。


 

 ただ荒神に対して戦う、と言った一般的な戦闘ではなく自ら荒ぶる神の懐に飛び込み……『何でもない』という顔をして任務をこなしていた。


 自分の体内に流れる血の流れが早くなり、どくどくと脈打って血管がどこにあるのかわかるくらいだ。全力疾走した時と同じ、と例えていた二人の発言そのままの状態。

 神力との相性が悪いわけではなく、慣れていないからこうなるらしいが。一体どれほどこれを繰り返せば慣れるのか……気が遠くなる。


 


「お二人さん、真幸さんはこれをちゃーんと経験してますよ。あの人は人間が持ってる耐え忍ぶってラインを早々に破壊してますからね。そもそもこの状態を『苦しい』とも認識していない。いい方向の効果だけを自覚してるんですよ。

 人が神力を注ぎ込まれたら、そりゃ苦しいに決まってます。他人の霊力を流し込まれただけでも、体が破裂する人もいますから」

 

「そうでしたね……鈴村はそれを経験して力の流れを理解し切った。自分の実家の問題を解決して、たった1日で成長してくれました」

「そうか、報告書が上がってたな……鈴村の急成長はそれか」

 

「伏見ー?人ごとっぽく言ってるけど、ぜーんぶ計画してたって鬼一クンには言うべきじゃない?」

「は?そうなのか?」 



  

 ウズメさんに言われ、乾いた笑いがこぼれる。そう、鈴村を一人で実家に送ったのは、久しぶりにご両親に会って貰おうとかそんなお優しい理由じゃない。

 村の悪意の中に叩き込み、村人を導く。その過程で彼女が成長すると見越して……たった一人で実家に帰らせた。


 芦屋さんは僕の差配に関して「上手く使ってくれる」と評価していたが、倫理的な観点では相当薄情だろう。本人の苦悩を当然のものとして組み込んでいるのだから。




「伏見はどこまで計算してんだ?」

 

「芦屋さんの行く先々でとんでもない方向に物事が転がって行きますから、先々まで計画しても全部一からやり直しというパターンが常です。頭の中ではいろんなものを組み立てますが、彼だけは予定通りには行きません。

 補佐として選んだあなた達も相当苦労させるでしょう。結果として自身のためになっても、過程に向き合う本人は楽が出来ません」

「真幸の助けになるように、ってか?」


 鬼一の穏やかな声に首を振り、手の中の箸を握りしめる。




「芦屋さんさえ利用しているのかもしれませんね。僕はこの国を守る公僕で、初まりの裏公務員ですから」

 

「…………」


 胸の中にずっとあった苦しい気持ちを吐き出し、その途端に後悔の念が頭を擡げる。鬼一が『わかってくれるんじゃないだろうか』なんて希望的観測を持ってしまった。

 芦屋さんに心酔している彼に言うべきではなかっただろうか……。



「俺たちはみんな似たような奴らなのかもしれんな。いや、そもそも人間ってのがそうなのか?

 鈴村も、俺も、予防線を張っちまう。アンタも嫌われようとしなくたっていいだろ?

 伏見がやってる事は間違いなく国のためでもあり、ひいては真幸の為だ。真意がどうかなんてどうでもいい。

 俺は真幸が生き残る確率が上がるなら、血反吐を吐いたって構いやしねぇよ」

「……」

 

「お前さんにあいつの事を大切にしたい気持ちがあるのはわかってる。じゃなきゃ俺一人でやらせるだろ、こういうの」

「…………」

 

「あんたも熱い男だよな。そういうの、嫌いじゃねぇぜ。俺たちのボスは全部ちゃんとわかってくれる」


「……はい」




 思いがけず励まされてしまった。そうだ、芦屋さんはそういう人だ。悪意を悪意ととらえず、現実を受け止めて諦めずに何とかしようとする。

 心のうちに人を入れるなんて、常々して来た訳ではないだろうに……そのまっすぐな彼の中に入れた『仲間』に対しては信じて疑わず、疎んじる事は絶対にない。自分の意に反していれば『何かあるはずだ』と考えてくれる。


 掛け値なしの信用や優しさをぶつけられて、僕は当初戸惑っていた。害しようなどと思った事はないが、あんな風に言われたのは初めてだったから。



「さて、後半戦に行きましょう。明日には回復してもらいますからね。さっさと終わらせないといけません」

 

「あぁ。……いなり寿司、うまいな。伏見家はいい一族だ」

「ありがとう、ございます」



 

 リュックを背負い直し、一の峰からの景色を眺める。毎日のように見ていた情景が、まるで違うもののように思えた。

 それは、芦屋さんが愛おしそうに眺めていた街並みだからだ。


 大きく広がる晴天の空の向こう、彼はいま千葉にいる。おそらく、また厄介ごとに巻き込まれているだろう。



「行きましょう。芦屋さんからのヘルプコールが来たら出られるようにしておきたいですから」

「……チーム組むんだから、俺たちにもそのスタンスで居てくれよな」

「頭の端っこには一応入れておきますよ」

「ひでぇ奴だな」



 二人で笑って、一の峰を出発した。


 ━━━━━━


 千本鳥居に入ったあたりから、目眩との応酬で鳥居の張り替えスピードが格段に落ちた。一回のノルマをこなす度にへたり込み、頭を抱えて唸る。

 二人ともエチケット袋は使い果たし、腹の中は空になった。


 

「……はぁ。霊力が上がるってのはいつなんだ?明日の朝か?」

 

「おそらくは、ですが。霊力が増える仕組みは充電器みたいなものですから。使い切らないうちに充電して仕舞えばへたるのも早くなる。

 この様子だと、回復力を早める修行は手をつけられませんね」

 

「俺も颯人様みてぇに同衾してもらうかな……」

「それも試しましたが、そこまでは増えませんよ。颯人様はとんでもない御仁ですから。彼はおそらく、夢渡りでもして深層心理から芦屋さんを癒しているのでしょう」

 

「癒す、か。まぁ、なんだ、うん。そうかもしれねぇな」

「鬼一?何か見ましたね?何ですか?」



 お互い朱塗りの鳥居に縋って座り込み、顔を見ていないが……この反応は、顔が赤くなっているのではないだろうか。

 上がらない頭をそのままに目線だけでチラリと伺うと、予測通り鬼一は耳まで真っ赤になっていた。




「俺は何も見てない、聞いてない」

「……何ですかそれは」

 

「触らぬ神に祟りなし。俺は颯人様にいじられるのはごめんだぜ。

 とにかく、同衾ってのは……待て、お前ウカノミタマノオオカミと寝てんのか!?」

 

「いいえ、颯人様のように密着はしていません。仮にも女性なんですから。手を繋いで布団を横にしいて寝てます。

 何度かやって、物理的な接触は不必要と判断しましたが……あぁ、そういうことか。僕は芦屋さんにそれを伝える事は出来ませんね」

 

「……まぁ、そうだな」

 

「おそらくは人間のホルモン反応に似ています。神力のそばに霊力や呪力を持つ人間がいれば作用する。男性の横に女性が寝ていれば男性ホルモンが活性化するらしいですから、原理はそれと似たモノかと」

「そ、そうなのか。なるほどな……俺も布団並べて寝るか……」


「それがいいでしょうね。霊力の根源は命ですが……感情も霊力に作用すると推測しています。鈴村も芦屋さんも、感受性が豊かですから」

「なるほどな……それで言うと星野もそうか。どいつもこいつも根性があるやつばっかりだ」

 

「えぇ、恐らくは。古事記では葦の芽が人間の始まりと言われています。葦の草のように頑丈で強かで、あるがまま風に吹かれてタネを飛ばして増えていく。

 そんな風に、折れない強い葦にならなければなりません」

「……あぁ」


 


 鳥居の柱に手をついて、震える足を叱咤しつつ立ち上がる。

 残り、約半数。これを必ず終わらせなければならない。自分で考えたとはいえ、恐ろしい修練だ。



 手をついた鳥居に額を預け、目を瞑る。ウカノミタマノオオカミが身の内から神力を常に補充しているから吐き気がおさまらない。

 わずかながら戻った霊力と神力を混ぜて額から放出すると、酷い頭痛が訪れる。


 ズキズキと響く鈍痛は頭から全身に広がり、身体中を焼かれているかのように熱を発して行く。

 言葉を発する余裕もなく鬼一と二人、交代しながら鳥居の耐震補強を粛々と続けた。



 

『千本鳥居は残さないと。大切な文化だろ?すごく綺麗だし、江戸時代から続くものを無くしたらダメだよ』

 

 何気なく言われたあの一言が、今の自分を支えている。芦屋さんは僕に芽吹をくれた。頑張れる、なんて陳腐な言葉で表していいのかわからないモチベーションをくれたんだ。


 必死で大地に固定具を埋め込み、鳥居の継ぎ目部分を補強する。

 ガチン、と何度目かの金属音を響かせた後……突然立ち上がれなくなった。

鬼一も僕の横に腰を下ろし、深いため息を吐いている。


 口からはもう、何も出てこない。わずかな音さえ出せず、俯いてただ呼吸を繰り返す。


  

 あと少し……絶対に終わらせなければならないのに、冷や汗が止まらない。

 手先も足先も痺れて、視界が狭まっている。瀕死の状態だ。死の恐怖が足の裏から立ち上がり、全身を包み込む。


 

 死の恐怖は瘴気に似ている。穢れの塊、マイナス感情を煮詰めたような不快感に怖気が走る。




 ――芦屋さん……芦屋さんの顔が見たい。声が聞きたい。僕に立ち上がる力をください。……芦屋さん……。



 

「はっ!?」

「うぉっ!?な、なんだよ突然……」



 ポケットでスマートフォンが鳴動した瞬間、電流が走るような衝撃を感じた。無意識のうちに手が動いて、通話ボタンを押す。


 

『お、伏見さんお疲れ様ー。そっちの具合はどう?』

「……お疲れ様です、こちらは問題ありません。何か、お困りですか」

 

『そうなんだよ。ごめんな、千本ノック中だろ?ちゃんとご飯食べたか?』

「はい。お気遣い、痛み入ります……」



 スマートフォンの向こうの柔らかい声にホッとして、勝手に目から涙が溢れてくる。

 

 どうしてこう、いつもタイミングがいいんでしょうね。

僕がいくら気を配っても、こんな神がかったタイミングで欲しいものを差し上げられるのか、わからない。


 芦屋さんの声を耳に染み込ませながら、自分の気力と霊力が回復して行くのを感じた。


 ━━━━━━


「あらぁー、お疲れ様……二人とも、すごい顔色ねぇ」

「清元がここまでへこたれるとは。流石に驚いたな」


 父と母に抱えられ、自宅の玄関でがっくりと座り込む。目眩や頭痛はもうなくなったが、全てを放出し切って空っぽになったかのような心地だ。

 真子が持ってきてくれた水を飲み干し、ようやくひと心地ついた。



「すんません、俺みたいなおっさんが情けない……」

「ふふ、鬼一さんイケおじやん?儲けもんやで、気にしなや」 

「すんません……」 


「うちの鳥居を一つ残さず頑丈にしてくれたんやから、ありがたい事です。鬼一さん、清元もありがとう。お風呂沸かしてくるから、そこに横になっとき」

 

「安静の札を張ってやろう」



 父、母、真子が三人とも笑顔で僕たちを横たえて、パタパタと駆け回る足音を聞いていると何ともいえない気持ちになる。

 やり遂げたと言う達成感と、まだまだ完全な成長には先が長いだろうと言う失望、そして……。


 


「あいつの一声で回復するなんざ、伏見も大概だな」

「鬼一もでしょう。困ったものですよ、芦屋さんに依存して。」

 

「……そうだな。しかし、あいつは本気でやっかいを手繰り寄せる天才だな。妖怪にまで勾玉もらってくるんじゃねぇだろうな……」

「やめて下さい。フラグって言うんですよ、それ」

「くっ。それは良くねぇ」



 力無く笑って、目を閉じる。さて、これから先をどうするか……また、予定を立て直さなければならない。

芦屋さんからメッセージが来たら、諸所に手を回さなければ……。


 手の中のスマートフォンが鳴動し、送られてきた写真を見て口の端が勝手に上がってしまう。

 小さな少女を抱いて、幸せそうに微笑んだ芦屋さんはびしょ濡れだ。後ろに不機嫌そうな颯人様と、何故か満開の笑顔の暉人殿、鈴村と飛鳥殿も笑顔で映り込んでいる。

 



「厄介ですね……全く」


 心のうちに湧き上がるあたたかい気持ちを感じながら、もう一度目を閉じた。 

 

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