第4話 - 大王様から授かった指輪、危機から救う
‘ 僕が一番速い ’ 洞窟の中は広くて明るかった。
正面にある木のドアに近づき、さっき見つけた小さな鍵を差し込んで回した。
ドアが開くと、狭くて長い断崖の道が出てきた。
「ここを通れというのか? 」
その時、洞窟が大きな声で話した。
「そう、この道は大王様のいらっしゃる城への近道だよ。 しかし、誰もこの道を通過した人はいない。 みんな諦めたり途中で落ちた。 落ちたら終わりだよ。
ハハハ。」
シャルはそのような話を平然と話す洞窟に呆れた。
シャルは慎重に指輪を触った。
「危ない時に守ってくれるだろうと大王様が言ったんだ。」
シャルは指輪を持ち上げて叫んだ。
「指輪よ!私を助けてくれ!」
冷たい風だけが吹いた。
「その指輪は何? もしかして大王様がくださったの? お前すごいな。 大王様は人間にそうしたことが一度もないのに。 大王様があなたを大事にしているようですね。」
シャルの顔は赤くなった。
「そんなはずがないの? 大王様と私は初対面だって。 私が可哀想に見えたのかもしれない。」
「とにかくその指輪を利用してこの難関を抜けてみろ。」
シャルは指輪をのぞき込んだ。
赤い宝石がなぜかルビーと似ていたが、よく見るとルビーではなかった。妖精の王国にだけ存在する不思議な鉱物のようだった。
シャルはその道を渡ることにした。
用心深く危険に歩いていくシャル。
たまに壊れるところもあった。
途中で突然指輪が光ってシャルが空中に浮かんだ。
その時、道が後方でがらがら崩れ始め、結局完全に壊れてしまった。
シャルはふわふわと浮かんで通りの向こう側まで無事に到着した。
「あ!本当に危なかった。 大王がくれた指輪でなかったら大変なことになるところ
だった。 危ないということを事前に知って指輪が手伝ってくれたんだ。
ありがとうございます。大王様。」
シャルは洞窟の外に出た。
小さな森の向こうに大王様のいらっしゃる美しい城が見えた。
シャルはにっこりと笑いながら元気そうに歩いた。
「大王様!ちょっと待ってください。 もうすぐ着くでしょう。」
まだ油断してはいけないことだったが、それを知らないシャルは歌いながら走っていった。
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