第2話 - 妖精の指輪
すべてが美しく華やかだった。
妖精たちが演奏する音楽の調子もうっとりしていた。
高い階段の上に大王が素敵な服を着て立ってシャルを見ていた。
隣には長い窓を持った若者が立っていた。
シャルはスカートを少し持ち上げて腰を少し曲げて
「大王様!こんな素敵なパーティーに招待してくださってありがとうございます。」
とあいさつした。
大王はシャルに近づき、片手は彼女の腰に乗せ、もう一方の手は彼女の手を握って妖精たちの間に入って踊った。
シャルの手を握っている大王の手からキラキラとした小さな光ができ、シャルの指に小さくてきれいな指輪ができた。
シャルは指輪を見て思わず微笑んだ。
「君を守ってあげる。 いつもはめていなさい。」
「ありがとうございます。ところで、守ってくれるなんて私が危ないですか?」
「ゲームがもうすぐ始まると危ないと言えるよ。」
「どういう意味ですか? 危ないんですって?」
シャルは大王の手を離し、彼から数歩後退した
「私を連れてきた理由は何ですか?」
と振り向いて踊る妖精たちの間をかき分けて走った。
シャルの後ろに立って見ている大王の姿が遠ざかり、シャルのドレスやイヤリングなどがキラキラと消え、招待状を受け取った時の服装に戻った。
大王がくれた指輪はそのままだった。
いつの間にか囲まれていて,さまざまな妖精たちがシャルを見ていた。
シャルは恐ろしく当惑した。
抜ける暇がなかった。
その時、大王の隣の男が槍で底を打った。
すると妖精たちはみなシャルから身を引いた。
高い階段の上には自分の背よりも長い槍を持った若者が立っており、隣の椅子には大王が指揮棒を持って座っていた。
大王は招待状を渡す時の格好をしていた。
シャルが後ろを見ると、ドレスを着ていた妖精たちはみんな普通の服に変わっていた。
「大王様!なぜ私を招待したのですか? 私をどうしようとしているんですか。」
長い槍を持った男が再び槍で底を打って
「静かにしろ!」
シャルはもっと言いたかったが、黙って黙って口をつぐんだ。
大王が言った。
「あなたがパーティーに招待した理由は、あなたが私たちに会ってほしいと頼んだからだ。」
「私がいつ頼んだんですか? 私はあなたたちを初めて見るのに。」
「君に願いを叶えてくれる妖精がいるなら会ってくれと言った。」
シャルがしばらく考えてたら
「寝る前に言った言葉ですね。 そう言っていました。」
「それで君の願いを叶えるために招待したのだ。 これは君のためのパーティーだ。
願いを言ってみろ。」
「具体的に考えたことはありません。 細々とした願いよりは、何か将来を考慮しながら決めなければなりませんね。 実際にこうなってみると、どんなことを話せばいいのかわかりません。 次に決めることはできませんか?」
槍を持った男が
「それはだめだ。 一度だけだ!」
「それじゃどうするんですか?」
大王が言った。
「願いを今この場で聞いてくれるわけではない。 様々な試験を決められた時間内に通過して無事にこの場にまた来れば聞いてくれるのだ。 ゲームを通過しながら願いをよく考えてみなさい。」
「試験ですか?」
「そう、危ないよ。 願いを叶えることができるのに、その程度の代価は払わなければならないのではないか。 もし試験に合格できなければ、君は木の精霊になるのだ。」
「 精霊? 」
「一言で死んで魂が木に封印されるのだ。 さあ、これからが始まりだ。 どうか無事に通過するように。」
槍を持った男が槍で底をバタンと打ち、シャルの足元に穴が開いて悲鳴を上げながら降りてきた。
シャルが下がると穴が消えた。
暗いトンネルを滑りながら下りていたシャルは、明るい外に出て草むらに倒れた。
シャルガの後ろを見ると、自分が出たトンネルの穴が消えていた。
シャルが立ち上がってあたりを見ると、空は青くてのどかな森だった。
突然時計が目の前に現れた。
楕円形に緑色でぐにゃぐにゃしていた。
時計は1時を指していた。
大王の声がどこからか聞こえてきた。
「今から6時までの5時間だ。 急がなければならない。」
時計が消えた。
「ああ!ここの法則は本当に勝手だと思う。」
シャルは歩いて行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます