かごの中の引越荷物

Whitestar

第1話 - かごの中の引越荷物

三日おきに引っ越す引越し村の人たちがいました。

人々は引っ越しをするのがとても楽しかったが, 家具を一つ一つ運んで荷物をまとめた 解いたりするのがとても大変でした。

それでも引越し村の人たちは相変わらず引越しをずっとしていました。

引越し村の人たちだからです。


そんなある日。

ユニークな引越しセンターがこの村にオープンしました。

看板も本当にユニークでした。


「幸せを運ぶ引越荷物センター」


その引越荷物センターの人たちは一気に引越し村の人たちにすごい人気を得るようになりました。なぜかって?

その引越荷物センターの人たちは、家事をすべてナツメの種ほど小さくして他の家に移した後、以前の大きさにしておく不思議な魔法を使ったんですよ。

引越し村の人たちは「幸せを運ぶ引越荷物センター」のおかげで気楽に引越しできてとても幸せでした。


ある日。

今まで一度もなかったすごいことが起こりました。

テーブルの上にナツメの種ほどの家具を並べ、しばらく席を外した間に開いた窓から色とりどりの鳥が入ってきたのです。

色とりどりの鳥は大きなくちばしで引越しの荷物をちくちく締め始めました。

部屋に入ってきた人たちはその光景を見てびっくりして手を振って鳥を追いかけました。

色とりどりの鳥は餌だと勘違いしたのか家具3つをくわえて部屋の中をぐるぐる飛び回って窓の外に飛んでしまいました。


「あっ!大変だ。」


人々は素早く家具を調べ、ピアノ、タンス、ベッドがなくなったことに気づきました。

引越荷物センターの人たちは急いで色とりどりの鳥を追いかけました。

しかし、ひらひらと飛んでいく鳥についていくのは本当に大変でした。

どこかに遠く飛んでしまった鳥を探してきょろきょろしている時、一人が叫びました。


「あそこに赤い羽毛が落ちている。」


色とりどりの羽が落ちているところは赤い花々が咲き乱れる花畑でした。

ミツバチと蝶々が蜜を求めてぶんぶん飛び回っていました。

一人がミツバチに尋ねました。



「もしかしてナツメの種ほどの家具を3つくわえて飛んでいく色とりどりの鳥を見た?」


「色とりどりの鳥が何かを落として行ったんですけど、そこからずっと音楽の音が聞こえてくるんですよ。」


なるほど、美しい音楽がどこかから聞こえてきましたか。

その音を追ってみると、花びらの上にナツメの種ほどのピアノが落ちていましたが、テントウムシが座ってピアノを弾いていました。

人々が近づくと、びっくりしたテントウムシは羽を大きく広げて飛んでしまいました。

一人が慎重にピアノをポケットの中にすっぽり入れました。


「その色とりどりの鳥はどこへ行ったの?」


一生懸命蜂蜜を集めていた別のミツバチが答えました。


「東の空に飛んでいきました。」



人々は再び色とりどりの鳥を探しに出かけました。

一人が叫びました。


「あそこに青い羽毛が空から落ちています。」


空を見上げると、わた雲が歌を歌いながらふわふわ浮かんでいました。


「ララララララ~」


わた雲の声は本当に雄たけびました。

わた雲は周りに浮かぶ小さな黒雲を左手でポンと打ち、白い雲で作っていました。

さて、わた雲の右手の上に何かナツメの種ほどのものが置かれていました。

人々はそれが何か望遠鏡で調べました。

まさに、色とりどりの鳥がくわえていったタンスでした。


「わた雲よ!なんで暗雲を白い雲に変えてるの?」


わた雲はそっと微笑みました。


「歌を歌いたい時に暗雲がどんどん集まると心が暗くなるんですよ。 それで、白い雲に変えるんです。」


「そうだね。私たちも暗雲が立ち込めると心が暗くなる。 ところで、わた雲よ! 君の右手にあるものはどこで手に入れたの?」


「ラララ~。色とりどりの通り道を暗雲がしきりに邪魔するじゃないですか。 それで、手伝ったらありがとうと何かを落としてくれて、遠くの森の中に飛んでしまいました。 私にはいらないものなのに……」


「それを私たちに返してくれる? 色とりどりの鳥がよく知らずにくちばしでくわえて行ったんだって。」


「いいですよ。ところで、私の歌が終わるまで待っていてください。」


「そうしなさい。」


わた雲はその雄たけびで楽しく歌いました。

どんなに長く歌を歌っても人々は退屈であくびが出るほどでした。

でもじっと我慢して待っていました。

びくともしなかった風がそよそよ吹き始め、わた雲の姿が西の空にだんだん消え始めました。

わた雲は徐々に流れながら、伸びて差し出した一人の手にナツメの種ほどのタンスをそっと落としていきました。

一人が慎重にタンスをポケットの中にすっぽり入れました。

わた雲の姿はもう完全に消えたそうです。

タンスをもらった人が手をポンと叩きながらつぶやきました。


「しまった!ありがとうという挨拶をできなかった。」


「おや、どうしよう。」


みんな相槌を打ちながら空を眺めている時。


「ララララララ。」


わた雲の雄たけびの歌声がかすかに聞こえてきました。

心優しいわた雲が西の空で他の雲に出会って一緒に歌を歌うのでした。


「ありがとう。わた雲よ!」




鬱蒼とした森の間にできた小道に入った時、一人が叫びました。


「あそこに緑の羽毛が落ちている。」


人々がどっと駆けつけてみると、大きな緑色の葉が茂った木の枝に色とりどりの鳥が座っていました。


「色とりどりの鳥、君がくわえているベッドを返してくれ。」


色とりどりの鳥は首を横に振りながら聞いたふりもしませんでした。

一人が色とりどりの鳥を捕まえるためにそっと木の上に登り始めました。

色とりどりの鳥は飛び跳ねて、より高い木の枝に登り、さらに激しく首を横に振りました。

絶対に返してくれないと思って、人々は心配で仕方がありませんでした。


「幸せを運ぶ引越荷物センター」で最年長のカイルさんが前に出ました。


「私が色とりどりの鳥に頼んでみるよ。」


カイルさんは仕事の腕もいいし、賢くてみんな好きな人でした。


「色とりどりの鳥、私の言うことを聞きなさい。 君がくわえているのは餌ではなく、人々が寝る時に使うベッドなんだって。 ベッドで安らかに寝なければならない。 しかも、そのベッドはホーヨーさんの6歳の娘ジュリのものだそうだ。

色とりどりだよ、君に巣を奪われたことをジュリが知ったらとても悲しくて泣くよ。君の巣を奪われたら君の心はどうだろうか。」



静かにカイルさんの話を聞いていた色とりどりの鳥の目がますます丸くなりました。

すると涙ぐみました。

そしてカイルさんの麦わら帽子にナツメの種ほどのベッドをそっと乗せました。


「ジュリのベッドを返してあげる。」


心優しい色とりどりの鳥のおかげで人々の心も暖かくなりました。



翌日。


「幸せを運ぶ引越荷物センター」の人たちは、ホ-ヨ-さんの引越し荷物を無事に新しい家に運んでくれました。

このようなことがあった後、引越荷物センターの人たちは引越しの荷物をナツメの種ほどの大きさからクルミの粒ほどの大きさに変えることに決めたそうです。

そして、引越しの荷物をかごにきちんと入れて左腕にはめて通いました。

右手には新居の住所が書かれた紙切れを持って。

クルミほどの大きさなら、これから鳥がくわえて行くことは絶対にないでしょう。

今日も「幸せを運ぶ引越荷物センタ-」の人たちは引越し村で勤勉に働いているでしょう。


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