第8話 アトラクション内に現れた白杖の老人
前回に続き、幼少期の体験です。
ある日、両親は私たちを遊園地に連れて行ってくれました。現在は閉園してしまった某遊園地です。
その遊園地にはロケットの形をした、映像を楽しむタイプのアトラクションがありました。私たち兄弟が乗り込むと、すぐにアトラクションが開始しました。後にも先にも客はなく、貸し切り状態でした。
映像の内容はほとんど覚えていません。映像を見ることよりも、他に誰もいない空間で騒ぐことが目的だったからです。
数分の後、映像が終わりました。案内に従って、順番に席を立ちます。その時です。
ガサ。
何か物音がして振り返ると、そこには白杖を持ったおじいさんが立っていました。おじいさんは微動だにせず、ただ立って、こちらを見ています。
「誰かいる!」
私は叫んで、兄弟とともに走って外へ出ました。外へ出てすぐに振り返り、しばらく歩きながら入口の方を見ていましたが、そのおじいさんが出てくることはありませんでした。
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