イメージしていた恋
僕の話でこんなに笑顔になってくれる人は今までで初めてだった。何を話したって本気で爆笑してくれるし、何か相談しあう時は真剣に聞いてくれるし…
気付くと、僕はすっかり先輩が好きになっていた。先輩と居る時間がずっと続いて欲しいって本気で思ってた。
ちょうどそれぐらいだった。学校に居る時間が短く感じるようになったのは。
嫌だと思ってた学校がやけにきらめいて見えたし、貴重に思えた。
でもやっぱり考えた通りだった。恋なんてあっさり終わるもんだろうなってまさに思ってた通り。
先輩なんだから当然だけど、その当然があまりに辛かった…
3月、まだ桜も咲いていないのに先輩は卒業した。
「好き」と言えなかった。言えなかった理由なんて考えても意味なんてない、戻るわけなんてない。
全部自分のせいなのに、恋なんてあっさり終わるだの、考えた通りだの…誤魔化しちゃダメだよな。
こんなの自分のやりたかった、イメージしていた恋じゃない。
僕がイメージしていた恋は、もっと恋らしかったはず。
「好き」って伝えていたはず…
ストーリーはもう終わりなのかな。まだ続いていたりしないかな。
また会えないかな。
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