第3話

翌朝

広場には村中の人が集まっていた。朝市もやっており、かなり賑わっている。

そんな中、勇者一行(ハルジークとカナリアを除く)は朝市で奇妙な出来事に遭遇していた。

「...なに、これ」

そう言い、不快感を露にしているのはソフィア。

赤いコアのようなものがある、ぬめぬめしている何かがソフィアの体に纏わり付いていた。

「自分で動いて全身に纏わり付こうしてるんだけど」

「スライム...にしてはぬめりが凄いねこれ...」

「動きも遅いしな」

「い、一体何なんでしょう...」


回りにも少しずつ人だかりができ始めていた。

そこに、ハルジークとカナリアがやってきた。

「お待たせ。待っ...なにそ」

カナリアが全てを言い終える前に、ハルジークは黄色の半透明な液体が入った瓶をソフィアの足元に投げつけていた。

「ちょっと!何するの!」

とソフィアは言うが、もう遅い。

瓶が割れ、ぬめぬめしている何かに掛かる。

すると、悍ましい悲鳴のようなものを上げながら、ぬめぬめしている何かは消えていった。

後にはぬめぬめなど、残っていなかった。


「これで、残りは13体、と...」

ハルジークは小声で言った。それはカナリアしか聞き取れていなかった。

「今のは...一体...?」

とリュートが尋ねると、ハルジークは答える。

「今のはまあ、何だ...結構マイナーな魔物だと思ってくれれば。ただし、普通じゃ倒せない。それでさっき投げた瓶の出番ってわけだ」

「その瓶の中身は魔力瓶?にしては見ない色だけど...」

「まあ御察しの通り魔力瓶じゃない。だけど、こいつには絶対に触るな。溶けるぞ」

「溶けるって?」

「体が。雪とか氷とかとは違った溶け方だけどね」

「ハルジークさん、もしかしてそれって...」

カナリアが言いかけると、ハルジークは言う。

「おん。多分考えてるので合ってる」

「危険すぎませんか!?」

「まあこれぐらいしか対処法が無いから仕方ない。じゃ、さっさと広場に行くぞ」

少し急いでいるように見えるハルジークを、5人は追いかけるようにして後を追った。




広場にて

広場では村人たちが集まって何かを話していた。聞き耳を立てると、

「何か集会があるって聞いたけど何かしら?」

だとか、

「まさか、王都から無茶ぶりされたんじゃないでしょうね?」

だとか聞こえてくる。


そして、村長が広場にある台に立ち、こう話し始めた。

「今日はだな、昨日この村においでなさった勇者様御一行の歓迎会をやろうと思う。準備はしてある。今日の夜に開催予定だから、暇があるなら参加してくれぃ。豪勢な食事も用意しておる。そして勇者様御一行は、えーっと、ああ居た、あそこじゃ」

そして、リュートたちの居る方に杖を指した。


ハルジークは内心、(せめて壇上に呼べよ)と思いつつも、歓迎会には少しばかり期待していた。




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あとがき

すみません。めっちゃサボってました。Hoi4とブルアカばっかりやってました。

まあ動画編集とかもあるからしょうがなi(((((((((((

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