第4話

その日の夜、村の中心部の広場に用意された、歓迎会の会場に勇者一行は顔を出していた。

各メンバーがバラバラになってバイキング形式で食事を皿によそって食べたり、村の人と仲良く会話したりして、少し時間を潰した。


すると、朝から置いてあった台に、村長が登壇し、話し始める準備をした。

それを見たその場に居た人が、壇上の村長を見た。そして、それを確認した村長が、話し始めた。


「あー、オホン、今日は皆、勇者様一行の歓迎会に参加してくれて、感謝する。それでは、これより、勇者様御一行のご紹介を行う。それでは、御一行様、どうぞこちらに」


すると、ハルジークとカナリア以外の4人は壇上に上がった。

そして、勇者であるリュートが代表として、挨拶した。

「皆さん、初めまして。私が勇者のリュートです。そして、私の横に立っている者たちは、私の仲間です。」

そして、壇上の勇者一行はそれぞれ軽く挨拶した。

そして、次の仲間に挨拶するように話を振ろうとした時、

最後に挨拶したリディアが、

「あれ、あの2人は?」

と言い出した。そこから、会場は少しずつざわざわし始めた。

そして、ソフィアがハルジークとカナリアの居る位置に指差しして、大声で、

「あ、いた!何やってんの!早く来なさい!!」

と言い、重力魔法の応用で2人を壇上に呼び寄せようとした。しかし、壇上に来たのは、カナリアだけだった。ハルジークはびくともしなかった。

それにリディアは、

「ど、ど、どういうこと!?な、何でこっちに来ないの!?」

と狼狽した様子を見せていた。その様子を見たハルジークは、

「あー、言ってなかったっけ?俺、魔法が使えない代わりに、魔法が一切効かないみたいなんだよ。」

と言った。しかし、これは誰もが初耳だったようで、会場のざわめきが大きくなった。

「魔法が使えない!?」や、「一体何者なんだ!?」など、様々な言葉が飛び交う中、村長が、「静粛に!!」と一言言い放ち、それに皆は従うようにして静かになった。そして村長は、

「きょ、今日はこれで自由解散とする。勇者様御一行はこの後、私の家までお越しください」

と言い、台を降りた。それに続いて、勇者一行も台を降りた。



しばらく後、6人は村長の家に来ていた。

そこで、村長が話を切り出す。

「えーっと...ハルジーク、だったかな?あれは一体どういう...」

「どういう、と申しますと?」

「えっと、魔法が使えないという話の事なんじゃが...」

「ああ、それですか。ただそれだけですよ。魔法攻撃も効かないというオマケ付きで」

「...さぞ辛い人生を歩まれたのだろうな。分かった。儂等は援助を惜しまない。だから、魔王討伐の悲願、達成しておくれ」

その話にハルジークは内心、(いや、そんな壮絶な人生は送ってきてないんだが...)と思った。


ここでこの世界の事を少し話すと、魔法が絶対の世界で魔力が多ければ多いほど、使える魔法が多ければ多いほど、強い者と判断されるのだ。

つまり、魔法が使えない人など、この世界では奴隷同然なので、上記で村長は、ハルジークを憐れむ言葉をかけたのである。


もっとも、彼の人生は本人しか知らないのだが。




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あとがき

どうも天宮です。2か月以上サボってすんません。

他の事ばっかりやってました(´・ω・`)

ブルアカとか艦これとかRTMとかHoi4とか色々やってました()

次回はいつになるか分かりません。ここから色々忙しくなりそうなので。

なので、次回はどうか気長にお待ちくださいな_(:з)∠)_

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何でも屋ハルジークの奇妙な出来事 天宮 @Amamiya1131

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