第12話

《麒麟視点》


 俺が犯罪者をシバいて1週間が経った。

 俺は今、晋也さんから貰った機材で初めての配信の準備をしている。本当なら初手からダンジョンに潜って配信したかったのだが今後の予定とか話したかったから雑談だ。

 ちなみにシェスカ姉さんはどうしてるのかと言うとダンジョンに潜るか家でゴロゴロしてるか…そのくらいしかしてない。

 今日はシェスカ姉さんも配信に映る予定だ。肝心の本人がいないんだけど。

 俺は少し息を整えて開始ボタンを押した。


「ど、どうも。今日から配信者として活動させていただきたく思います宇喜多麒麟と申す者です。え、えーととりあえず今日は今後の予定とかを交えながら雑談配信やっていきたく思いますゆえ視聴者の皆様方には楽しんでくださいと思います?」


・待ってました!!

・いやー最初の挨拶よ…

・日本語がおかしいぞーw

・なんか1週間前と違うぞ

・緊張しとるしとる


 あー、やってしまった。緊張しすぎて日本語がおかしくなってしまった。

 俺はそんな恥ずかしい気持ちを押さえながら頭を下げる。


「日本語がおかしいのは…すみません。幾分初めてなんで」


・許すぞ

・鈴ちゃんの配信がないんだけど何か聞いてない?

・かっこいいから許す

・初めてはしょうがない


「あー、ありがとうございます。下釜さんはそうですねあと1週間は配信ないと思います。理由は知ってますけど詳しくは話せません。それで今回の初配信なんですけどねゲストがなんかいまして」


 俺はそういいながら部屋の扉を横目で見る。シェスカ姉さんが部屋の外で待機してるのだが気配がなんか怖いのだ。


・ゲスト?

・誰だろう?

・麒麟君の顔が引きつってるんだけどそんなにやばい人?


「やばい人といえばやばい人ですね。配信するって話したら珍しく発情してましたし…まぁ出てきてもらいましょう」


「発情って動物じゃないんだから。どうも、宇喜多シェスカよ。麒麟とは従兄弟になるわね。ちなみに探索者ランクはSね。アメリカのダンジョンに飽きたから日本に来ちゃった」


・まじかよ…

・速報、宇喜多家、Sランク探索者が2人いる

・Sランク探索者って軽々と移住していいもんなの?

・問題ないぞ。ただ依頼を受けてくれればな。


 そうなのだ。Sランク探索者は依頼さえ受ければどこに住もうとも本人の勝手なのだ。緊急の依頼で海外に行くときも入国審査とか必要ないのだ。


「というわけでシェスカ姉さんです。ちなみにあと1人従兄弟いますけど彼女もSランク探索者なんです」


 俺の発言によってコメント欄が動かなくなった…

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