スケルトン

【スケルトンジック】


 骨なのに動くし武器持つし魔法唱える奴。どうやって喋っているのか不明だそう。骨を折る砕くなりすれば動けなくなる。頭蓋骨を砕けば完全に倒せる。魔法を使う分スケルトンよりも知能がある為に彼らを従い群れをなす。


「墓場とかにいると良く言われるが、この広さじゃあな……スナイパー狙撃手がいればなぁ」


 依頼書に記載されていた場所は王都エクスバータから遠く離れた【メイダ】と言う街の外れにある大きな墓地。何千世帯分あるのだろうか。


「墓地の広さと魔物図鑑の記述を元に演算した結果約50体と推測できます」


「やっぱりか」


「みたいだね。メイダにも冒険者ギルドがあるのに納得」


「漏れとは?」


「簡単に言えば故意な依頼書の記載不足。スケルトンジックの料金で面倒な大量のスケルトンも処理してもらおうと変なことを考えるやつがいるんだ。だからバレても大丈夫なように遠い場所に依頼を出してワケ。これ指摘すると依頼主あーだこーだいって誤魔化したりするから嫌なんだよな」


「すまない。まさか漏れだったなんて思わなかった」


「いや、ちょっと考えれば受ける前に気づけたのにそれを怠った俺が悪い」


 やめると言う選択肢もあるが面倒なことにクエスト達成しないと交通費を負担することになる。だけど今回はiがいる。下手に続けるのも良くない。


「やめたいが実力不足の奴が受けて死にでもしたらそれはそれで後味が悪い」


「i。どうする?」  


「魔物図鑑の記載通りでしたら大丈夫です」


「よし、幸い墓地から出ればすぐ街だ。最悪逃げる。スケルトンジックが確認できるまで倒しまくるか」


 スケルトンはなんてことない。カタネもB級だ。よし。


「いくか」


 墓地に入る。自身の縄張りに入られたのでスケルトンは襲ってきた。だがスケルトンは知能が低い。単純な接近攻撃しかしてこない。それどころか避けることすらしない。


「《ファイアボール》」


 火球を頭蓋骨にむけて発射する。スケルトンは頭蓋骨を破壊され動かなくなる。


 流石は初心者向けの魔物。弱い。だけど問題はスケルトンジックの視界にいる奴らは陣形を組み始める事だ。まだ見えないから奥にいるのだろう。


 スケルトンの武器は木の棒に石をくくり付けた物ばかりだ。カタネはその武器ごと刀で斬っていた。刀には詳しくないがカタネは一振り一振りが大きく速さよりも威力を優先していて一回で倒している。


 鎬で受け流し、がら空きになった首を落とす。数が多いために「ごめんなさい」と言いながら墓石の上に飛び乗る。

 スケルトンは集まって武器を振り降ろすも跳んでかわし別の墓石に跳ぶ。そして懐から液体の入った瓶を取り出すと真下墓石に投げつける。


 瓶の中身はポーションで液体が飛び散り墓石を囲んでいた複数のスケルトンにかかると動きが鈍くなる。スケルトンはアンデット系の魔物であり一部の回復系に対して逆効果となる。


「後で地主に謝らないと」


 墓石を傷つけて申し訳無さそうにしながら一気にスケルトンを切り倒す。



 iは武器を振り降ろされる前にを右手で掴み握力任せに砕きその手で頭蓋骨を殴って砕く。殴った勢いそのまま少し体を捻って左手で地面に落ちる途中の武器を手に取り回転をつけて投げる。

 投げられた武器によって腕を砕かれたスケルトンの肋骨を両手で掴んで密集しているところに投げる。同じ硬さ同士砕け散った。


 二人共接近戦がメインだから数で囲まれたら不利だ。幸い俺は魔法で囲まれる前に対処できてる。


「二人共! 罰当たりだけど墓足の上に乗るんだ!! 《ウォーター》」


「わかった!」


「わかりました」


 水を土にばら撒く。この方法は一度iに見せている。そのまま《フリーズ》で地面を凍らすと沢山のスケルトンの足が凍り足が止まる。知能の無い奴らには氷を割る事をしない為その場で止まる。近づけば武器を振るが。


「これで安全だな。カタネは投擲とか得意か?」


「あまり得意じゃないな。投げるのだったらさっきから全弾命中させているiさんが一番じゃないか?」


 確かに。戦い方が異質にも見えるが慣れているのは確かだ。


「それにしてもこの数。骨が折れるな」


「折っている側だけど。結構広い範囲で魔法を使ったから結構凍ってるな」


「魔力は大丈夫なのか?」


 カタネがスケルトンジックとの戦闘分を気にしているのか心配そうに聞いてくるも幸い初期魔法。魔力消費は少ない。大丈夫と伝える。流石に同じのを連発するのはきついが。


「レクさん、スケルトンジックが前方右側にいます」


 iの言葉に全員で反応する。するとその姿は見えないもののその方向にいる一部のスケルトンが氷を砕いていた。


「確かにいるな。スケルトンに支持ができるやつは同じくスケルトン。それも知能のあるやつだ」


「互いに方向はバレても見えてはいない筈だ。どうする」


「作戦か、見えてないってことは数はわれてない。全方向に敵がいると思わせる方法があれば良いんだが、依頼主のせいで準備不足だ。せめて離れた場所で爆発させられれば数を誤魔化せると思う」


 俺の爆破属性魔法はまじで役立たずに等しい。全属性使えるからと言ってもどれも中途半端。組み合わせれば強いが爆破なんてどう組み合わせれば良い


「それでしたら方法があります」


「あるのか?」


「はい。氷と水と雷と炎属性の魔法が必要なのでその分魔力が必要ですが」


「随分と大掛かりに思えるが」


「何をするんだ?」


 4つの属性を組み合わせた魔法? 何をする気なんだ。想像がつかない。


「爆弾を作ります」


「「は?」」


 マジで何する気だ?



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