18-4.半分こ
そんな理由であーんされるのはなんというか困るのだが。
「食べてくれないんですか? ......やっといてこんなこと言うのなんですが、この格好結構恥ずかしいんですけど......」
だったらやるなよとツッコミたくなるのだが、頬を赤らめる美姫の表情が正臣の心音を加速させ、そんな余裕を軽々吹き飛ばしてしまう。
間接キス。
拒否は、出来そうにない。
こんな、耳まで真っ赤にする照れる姿を見てしまっては。
腹を
「どうですか?」
「......熱い」
買ってしばらく経ったたこ焼きは、本当は全然熱くない。
緊張のせいか味が分からなくなってしまい、
そう思うと無性に恥ずかしくなってくる。
「ふふっ。顔、真っ赤ですね」
「......うっせぇ」
いつも通りの正臣くんです、と意地悪そうに笑う美姫が悔しくて、つまらない嘘を
「熱いのにそんなペースで食べられるなんて不思議ですね」
「うぐっ!?」
「ほんと、わかりやすい人」
「......悪かったなぁ」
たこ焼きを飲み下した正臣は、微笑む美姫から目を逸らし、口直しに綿菓子を口に含んだ。
久しぶりに食べたそれは、甘ったるさを口の中に残して溶けて消えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます