6-1.お茶会 in 生徒会室
一日の終わりを告げる鐘の音と共に
(はあ、ロクな一日じゃなかった)
今朝の騒動により、全ての休憩時間をクラスの男子達による裁判に当てられてしまったため、まともな休憩を取れていない。
だかそのおかげもあってか、その後凛子と話す事もなかったのだが。
「お疲れのようですね」
「あれで疲れないはずないだろ」
突っ伏していた顔を声の方に向けてそっけなく答える。
美姫の事だ。きっとこうなる事を予測して腕に抱きついたに違いない。
というかそうでなきゃ、抱きつかれた理由がわからなくて悶々としてしまう。
「どうかしましたか?」
「いや、別に」
無言で美姫を見つめていた事に気づいて逃げるように再び腕に顔を
「......その、今日はありがとな?」
腕に顔を埋めたまま、美姫に聞こえるか聞こえないかの声でぽそりと呟く。
結果的に美姫に助けられた。
そうなればやはりお礼を言うのが筋だろう。女性恐怖症ではあるが、お礼をかくような無礼は持ち合わせていない。
だが面と向かってはやっぱりというか照れくさくて無理なので、顔を埋めたままになってしまったが。
「ふふっ。なんで疑問系なんですか?」
どうやら正臣の声は届いたようで、楽しそうな声と一緒に肩をぽんぽんっと叩かれるが、恥ずかしすぎて顔を上げられない。
「ねぇ。顔、上げてくださいよ」
「やだ」
思った以上に顔が熱い。上げたら絶対にからかわれる。
黙って顔を伏せたままでいると、むぅっと少し機嫌の悪そうな
「......顔上げてくれないなら、今度は背中から抱きつきますよ?」
正臣にとっては脅迫とも取れる言葉に慌てて顔を上げる。
「ふふっ。やっぱり顔、真っ赤ですね」
「うっせぇ。......知ってるよ」
改めて肯定されると更に顔の表面温度が上昇してしまう。
「これぐらい朝飯前です。いつでも頼って下さいね」
「......ふん」
ほんのり頬を朱色に染めて微笑む美姫から再び視線を逸らすと、何か思い出したように美姫が「そう言えば」と口にする。
「ねぇ正臣くん、私に恩感じてくれてますよね?」
不穏な言葉を放った美姫に、思わず正臣のこめかみがヒクリと動く。
視線を戻すと女神みたいに微笑んでいた美姫が、打って変わって小悪魔じみた意地の悪そうな笑みを浮かべている。
「正臣くん、この
勝手に暇だと決めつけられるのは
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