「待っててね、私の王子様♡」

一色の後ろをつけて目をハートにさせながら放った言葉。この言葉の意味を理解できるのは今この世界でアリナ一人だけだと思っていた。しかしこの言葉の意味を理解できる唯一の人がこの世界にはいた。

それが、一色であった。一色は、この世界のあらゆることを知っている。だからこそ一色はこの世界で一番警戒しないといけないのがアリナである。

アリナはヒロインでありながら重度のメンヘラ女である。

いつもの明るい性格に反して愛が重いというのがいいのか、それともヒロインであるからメンヘラでも許されるのかはわからないが、一番人気であった。

しかし、ゲームの中では主人公をつけ回していたが、そこまで重度なメンヘラではないと思っていた。しかし現実になってみたらこれは結構怖いということが分かった。

俺は、今までアリナは少しメンヘラであると思っていたが、いざ現実のことになってみたら相当怖い。

いつまでも俺の後ろにいると、敵に背後を取られた感じがする、、、。

少し背筋が凍ったのか、これからアリナ（メンヘラ）対策を考えないといないという危機感を覚えた。

アリナはゲームではムイのことが好きで他の女が近くにいるだけで嫉妬する。ここがゲームの時では可愛いと思っていたが、現実になってみるとこれって付き合ってもないのに嫉妬するのは愛が重いって感じがする、、、。でも俺的にはいいけどな！！！アリナは可愛いから！！

可愛いからなんでも許せるという、結構面食いな発言をした一色。

ゲームではアリナのメンヘラをなんとかさせるイベントなんてなかったし、ストーリーを進めていく上で段々とアリナもメンヘラじゃなくなる、、、つまり、、俺は、アリナを攻略しつつ、カイナとハッピーエンドを迎えるという結構、大変そうな感じになるということか、、、。これは骨が折れそうだ、、、、。

メンヘラを攻略中に自分の本命の女子も攻略するという結構高度な浮気（攻略法）を編み出した一色であったが、攻略対象はこの二人だけではないということをすっかり忘れていたのであった。

まぁ、明日から頑張ろう！！俺ならできる！！

意気揚々に明日を迎える一色であった。

しかし一色の迎える明日は今まで以上に大変な1日となるのである。

「ムイ、今日の放課後、私に付き合ってくれない？大事なことを伝えないといけないの。」

サファイアのよな長く綺麗な髪と目を持っており、男子の欲望が詰まったようなまさにエロゲにふさわしい豊満な胸とお尻、それに反して細い腰や腕、足。

俺はこの人にこの世界であったことはないが、知っている。この人が、

まだ登場していなかった最後の攻略対象のエリ先輩だ。

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