第10話 すれ違い(いろんな意味の)
放課後の件から一週間が過ぎた。
一色とカイナの二人の作戦は全く進行できていなかった。
「「どうしてこうなっている、、!?」」
どちらも同じことを心の中で叫んでいた。
なぜなら二人とも戸惑いながらも自分のすべきことを頑張ってしていた。しかし二人の作戦は全く真逆なものであり、正の数+負の数=0ただしこの時の正の数と負の数の絶対値が同じである。というようにお互い同じぐらい努力しているからプラマイゼロという状況であった。
“このままだと俺一生カイナのイベントを進行することができないかもしれないんだど!!”
“作戦通りに全くいかなくて大変です!!私、、どうしたらいいのでしょうか、、、”
二人ともなんとかして適切な距離を取るために新しい作戦を考えることにした。
その結果
“押してダメなら引いてみろ!この言葉あるぐらいだから今から俺がするべきことはカイナとあまり関わらないようにすればいい!”
“逆にムイさんに近づけば、いいのかもしれない、、、!”
「「今回は絶対に行けるはず!!」」
ここでも二人の意見はすれ違った。
今回の作戦なら絶対に自分の思惑通りにいけると思い明日からの学校が楽しみだと思っている二人であった。
そして二人が期待する次の日がきた。
「ムイさん、、おはようございます。」
「おはよう、カイナ」
カイナが俺よりも早く挨拶をしてきただと、、!?
一色は表ではカイナにいつも通りのように取り繕っていたが内心カイナからの挨拶に嬉しすぎて喜んでいた。
「ムイさん、、私ここの問題がわからないんですけど教えてくれますか、、?」
「あ、あー、ごめん俺そこの問題カイナに教えられる自信ないから他の人渡ってくれない?」
「分かりました。ありがとうございますムイさん」
明らかに落ち込んだカイナを見て「俺やっぱり教えられるから!」と言いたいのをグッと堪えて内心「カイナごめん!!これは作戦の一部だから許してくれ!」と自分を言い聞かすために叫んだのであった、内心で。
その後も
「ムイさんお昼どうですか、、?」
「悪い俺委員会の仕事あるから、、、」
放課後も
「ムイさん、私と、、、一緒に、、帰りますか?」
「今日はアリナと一緒に帰る予定だから、、、」
次の日も
「ムイさん私と一緒に移動教室行きませんか?」
「俺友達と行くからカイナは先行ってて」
カイナはどうして今俺と一緒に何かしたがるんだ!今までと違って今はすごく積極的で嬉しいけど!!でもこのままだと俺の作戦通りになって、、、いるくないか!!
ここでやっと一色は今のカイナは自分の思っているカイナではないかと気づいた。
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