第8話 恋に目覚める

カイナがムイに対して壁ドンををした。


一色はそれに圧倒(いろんな意味で)され足や手など体が動かない状態だった。



これはカイナが、ムイに対して嫉妬して自分の感情に整理がつかなくなってどうしようもなく壁ドンをしているというとても僕やオタクにとってとても尊いシーンである。



この段階ではカイナはまだムイのことが好きという感情を認識していいないからこそ自分の感情に整理がつかなくなっている。しかし今回の件をきっかけにしてだんだんとムイに対する気持ちがわかる。


しかもこの後僕の言葉の選択肢でカイナは顔を赤面させることもできるという僕にとっては嬉しいことしかないイベントである。



一色はこの最高のイベントをどうやって自分のとって最高なものにできるのか慎重に考えていた。




何を言うか少し考えることにしようとしていたがカイナはそのような時間を与えてくれずに質問をムイに向けて言った。



「ムイさん、アリナさんともう一人の女子生徒と何かしていましたよね。」



「はい、、そうです。」



「私あれを見た時に、、、」



「俺のこと好きですか?」



カイナがムイの対して何かを言おうとした時、




一色はそれをさえぎるかのようにカイナにとって予想もしない質問が飛び出した。



「え、、、?」



一色からの言葉にカイナがさっきの様子から一変して顔を真っ赤にして視線を下に向けて慌てた。



カイナは壁ドンをやめて誤解を解くように「いや、、違うんです、、、、」と言って手を左右にものすごい速さで振った。



「じゃあどうしてカイナは大胆に俺を壁ドンしたの?」



一色はカイナの可愛い照れ顔を見て尊さを多量摂取した。多量摂取で自分の欲がさらに増したのか「もっとカイナをいじめたい」と言う思春期の男子のような思いが出てきた。


ニヤニヤした顔を必死に抑えていたがそれでも「もっとカイナの恥ずかしい顔を見たい」と言う想いによって全くニヤニヤが隠しきれていなかった。



「わ、私は、、、あ、、、すみません、、!!」



カイナは恥ずかしさのあまりどうしようもなくなったのかムイに謝って逃げてしまった。



逃げるは恥だが役に立つとはこのようなことを果たして言うのか今の一色には全くわからなかった。





カイナは真っ赤にして顔を腕で覆って走っていた。




(私はムイさんに何をしていたの?まさか私、、、いやいやそんなことは絶対にない。だってムイさんにはアリナさんがいるんだから、、、)



心の中で自分の気持ちを分かっていた。






しかしその思いは決して彼には見せてはいけない。

























  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る