第15話
仮想世界デビューは赤ちゃんの姿で妖の住む賽の河原の橋の下って何かの罰ゲームかよ!
赤ちゃん言葉でアイちゃんと叫ぼうとも、心の中で呼んでも応答さえしてくれなかった。まぁ、チュートリアルだからかもしれないが僕はこれはVAMMOだからと心を落ち着かせ、諦め半分で心の中でウインドオープンと唱えた。
すると赤ちゃんとなった僕の目の前にアクリル板のような無色のパネル状の映像が映し出されだ。
そのウインドウパネルには僕のステータスの項目やら持ち物などが記載されていた。そして点滅している項目があるのに気付いた。
僕は自身の赤子のちっちゃな腕を何度か振り回し、ようやくその項目をなんとかポンと触れることが出来た。
すると別のパネルが開くと1通のアイちゃんからのメール届いていた。体力がない訳ではないが、腕を振り回してもメールを開封できないので心の中でメールオープンとつぶやいた。すると途端ににメールが開封されたのだ。そして、内容を自動音声で流すかをイエス・ノーのメーセージが表示された。
イエスと心の中で思うとメーセージ内容が表示されながら音声も流れ始めたのだ。まるで、頭の中でタッチパネルを操作している感覚がした。
タップしなくてもウインド操作ができることに気づくことが出来たがそんなことよりアイちゃんから流れてきたメッセージのほうが今の僕には重要だった。
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拝啓
震災からの英雄譚に詠われ始める頃ご息災申し上げます。
アース様はいかがお過ごしでしょうか。
このメールを読まれているということは、ウインドパネルを始めて開かれてること察します。
私しアイアムは少女の調教もとい、少女の育成とメインコントロールルームの完璧な制圧、そして被災した研究所のこまごまとした制圧もとい・・・改造・・・リフォームならびに対外に対しての情報収集および対策などをしており、少しの間アース様に一人にご負担をおかけしますことをお詫びします。
しかしながら、この経験がアース様の成長限界を更に引き上げることは間違い在りません。なぜなら、1万頭のコールドスリープした頭脳を利用したスーパーコンピューターを利用した仮想空間ならではの演算シュミレーション。データ収集からデータ解析はもちろん、人間の頭脳を利用したことで、普通ならありえない予測不能なデータも回収できること間違いありません。アース様のリソースを今以上に素早く増やし能力向上も間違いありません。
例えば、そちらの5時間の修行すればアース様が1年間修業したことにもなります。さらに、そちらの世界の1日は研究所の時間に関すると約1秒以下に設定してあります。研究所のタイムリミットは48時間と申してましたが、そちらのVRMMOの世界では約500年弱いられますので【プラン・クラリス奪取】成功させ、思う存分にアース様の英雄譚を広めてください。
最後にまだチュートリアルの途中ないし、もう終われて始まりの街に行く前でしたら道具はまだ初期配布のリングが役立つと思います。こちらもウインドウパネルと同様に心の中で操作できますのでご活用ください。また、ある程度、研究所の処理が終了しましたら早急に私共も合流させていただきますのでよろしくお願いいたします。
追伸
今回は敬具で結びません。なぜならばこれからまだまだアース様との旅時は終わらず、始まったばかりなので、信頼の証としてアース様のスキルアップに寄与するために経験値アップやステータスやポイント振り分け、さらにはレベル向上のためにいくつかの仕込みをしましたので楽しみにしてください。例えば赤子にしてチュートリアルを幽世にあえて設定したのも私の采配です。あなたの守護神でありたいアイアムよりAIを込めて♡
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この状況はアイちゃんのせーかよ~!!と赤子のギャン泣きでシャウトし続けたのは僕の采配だ・・・マジで不自由な体とシチュエーションに心で泣き続けた。
5時間後
特殊スキル獲得とウインドパネルが勝手に開き取得音と共に知らせた。
特殊スキル:無垢なる者の叫び・・・このスキルは母性・父性に関係なくあらゆるものからの同情集めることが出来る。
「なんだよ!この特殊スキルは?」とさらに大声で泣き始めた瞬間、真っ白な大鬼の妖が現れた。
その大鬼は大きな刃を背中に担ぎ、疾風のごとき現れたのだ。そして泣き叫ぶ赤子の僕を鋭いとがっや大きな爪で器用につまみ僕を大鬼の顔の前に持って行った。
大鬼は僕を食べようとしたのかもしれないが、赤子特有の生理現象を起こしてしまった。大鬼に黄金水を放ってしまった。僕はあまりの恥ずかしさで直ぐに泣き止みキャッキャと笑ってごまかすことしかできなかった。
それがこのチュートリアルはじめの僕のアクションであったのかもしれない。
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