第14話
「カリオストロフォートレスの攻略を行いま~す。」
「アイちゃんってその姿は剣なの?AIって仮想空間ではアイテムになるの。」
培養液漕に飛びこんだ僕は一瞬で意識を飛ばした。もとい、正しい表現でいうならば飛びこんで培養液が肺に満たされるようにおぼれかけた瞬間、現実の意識が瞬きをした瞬間に異世界転移したかのように仮想空間に立っていたのだ。
仮想空間とはいえここは現実世界と変わらないらしい。アイちゃんが言うには、この研究所でコールドスリープしているクローンや本物の人間たち併せて1万人・・・1万頭の頭脳を利用したスーパーバイオコンピューターサーバーにしているらしく、もし、このまま研究所ごと宇宙に新しい居住できる惑星を探し回って移り住むまで稼働可能とのこと。まー・・・最低限の新陳代謝とクローン技術の応用で人間の創造性を退化させずにより良い才能を身に着ける睡眠学習に似た知識のアップグレードにも役に立つそうだ。でも、本音を聞いたところリアルな人間の本質や感情をAIにまなばせることも、AIでもみえないカオス的な不確定の未来予測にも役に立つ装置になっているそうだ。
今回は急造装置とはいえ、幼女が入っている医療カプセルと培養液漕やらスーパーバイオコンピューターサーバーにつないだ制御装置を利用して、仮想空間の世界に幼女を救うために僕が舞い降りたという物語が始まるのだ。
どう救うかというと、防衛本能が暴走して発作を起こしてしまった結果、意識が混濁して消失しかけたところ取り除いた疑似人格AIの副作用というべき大量破壊生体兵器になるゾンビ進化させないように意識を取り戻すことが優先である。
もしゾンビ化した場合、その感染の影響は甚大である。
感染力が強く周囲の生物をゾンビ化させ新たな細菌に株を進化させて新たな毒素などを作り出し続ける人類抹殺兵器。鼬の最後っ屁にしての仕様というより、こうなるのを目的に作られたように悪意を感じる。
アイちゃんはこの幼女を救うメリットかなり大きいらしい。ゾンビ化を別の視点から見れば、クローンや人間を別の種族という存在進化させることの可能にした裏仕様のAIの解析は特効薬を開発だけではなく新人類への進化の飛躍にも応用できる可能性があるらしい。まさにこの研究所で開発された最新鋭のアイちゃんである。
だからこそ、現在のゾンビ化阻止する確率が低いが何とかする方法と計画を見出したのだ。
それが、VRMMO張りのレベル成長とスキル取得による攻略である。
仮想現実大規模多人数同時参加型オンラインゲームのように、仮想空間内の世界に実際に五感を使っての攻略は最新鋭の僕のホムンクルスの能力はまさに勇者や英雄ばりにその仮想世界に主人公を名乗れる存在なれるらしい。
そして、防衛本能の暴走による意識や人格消失している幼女の状態は要塞に住むドラゴンに捕らわれたいばら姫のような存在。
だからこそ、竜が住みかを探して姫を救出計画を立てたのである。
その名もカリオストロフォートレス攻略するための【プラン・クラリス奪取】が始まったのだ。
とりあえず始まりの町という仮想世界は最初の町に降り立つ前にジョブはもちろん武器と装備や姿の調整やら能力値の振り分けと初期スキル取得など細々やらなければいけないらしいがアイちゃんはあえて振り分けポイントを振り分けないですすめる事を進めた。
それだけではない、ジョブも装備品や武器を持たないようにしてスキルさえない状態で始めるように勧めた。設定初期に配布される道具として指輪を持つように指示された。
理解できない僕は納得できないまま、勝手に調整し始めたアイちゃんの着せ替え人形のようにして仮想世界に旅立つのであった。
だが、その旅立ちの一歩は始まりの町ではなく仮想世界の幽世と呼ばれる妖の住まう場所。その怪しげな賽の河原のような河川敷にある橋の下に捨てられた赤子の姿で僕は泣き叫んでいたのである。
赤子姿の僕の手の中にはインテリジェンスアイテムの指輪が握られていた。
その赤子には腕にはめるリングにも見える指輪は手の中から子守歌を唄う声が流れているように周りの妖たちは感じているように、なぜか幽世は優しく感じるように赤子の僕を泣き止むようにあやしてくれた。
さぁ、チュートリアルをクリアしましょうね。と言われたのは気のせいかもしれない。
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