第7話
毒々しい色の皮膚の爛れながらも筋肉隆々のフル武装したの高身長のゾンビのようなモンスターが首の切れかりながらもアサルトライフルを乱射しながら狂ったように現れたのだ。
しかし、現れた巨体ゾンビの背後から膝から下の左足を何かによって切断された。壁に切断された足は青黒い血のような液体と共にベチャっという潰された音とともに壁に飛散しながらも床に滑り落ちた。
同時にズドンと転がっているアンドロイドに覆いかぶさるように喰いちぎるかのように頭から突っ込んだ巨体ゾンビは首だけがもげてしまい、サイコロのように床を転げ僕の目の前に頭そ撫でてもらいたいような土下座を頭だけしているようなバランスで止まった。鼻がつぶれてしまいながらも、目だけが仰ぎ見るゾンビの眼は色のなくなった魚の眼のようであり、ボロッと垂れてきた右目は腐ったミカンのようだった。
この時ばかりは一瞬心臓が止まりかけた思いをした。すかさずアイちゃんが僕に訴えかけてきた。
「そんなに驚かなくてもいいよ。安心して、無力化したから。」
呆然としている僕の横にじわじわと擬態を解くように現れる大きなカマキリのような武器を持つ何かが現れたと同時に形どっていたものがいきなり崩れ、大量の水を床に広がった。しかしその大量の水はすぐに大きな餅のようなスライムにかわった。
「ヒューマンタイプの擬態するに巨大カマキリじゃなくてスライム?」
「この研究所には様々な遺伝子情報があって覚醒遺伝についても面白い深く研究されていたんだ。
だとえば先祖にいた吸血鬼や狼男や変身が得意なシェイフシフターやいろいろね。それに精霊に悪魔に鬼や妖怪なんかもね。」
「なんでもありかよ!そんな遺伝子にまつわる情報を使ってスライムが出来たの?」
そんなやり取りの中で重要なことをサラッと話すアイちゃんはこの状況を説明した。
「だって第4サーバールームでサーバーをハックしたらいろいろウイルスバスターや緊急保安システムが発動してたいへんだったのよ。ちなみにそこに死んでいる犬とアンドロイドはロボットタイプなんだけどほとんどは私がロボットAIを制圧して配下にしたんだけど、一部は暴走していてこのスライム達に制圧してもらってるところ。」
「まだ、物騒な暴走アンドロイドもいるのかよ。アイちゃんの一部手伝ってもらいたいことってこのことなの?」
「ちょっと違うかな。少しマスタールームにつくまでに説明するとね、医療カプセルにはいっている幼女の暴走AIみたいなAIがまた産まれてるんだよね。どういう暴走しているかいうと規格外なAIだったからみたいな・・・ハハハ。10万台つくったら2台か1台は不良品が出る工業品みたいなもので例えれば【女王ArI命令ハ絶隊】なシリーズを1兆台作って1台の不良有機AI搭載のクローンアリと超越優秀な次世代女王クローンアリが出来たとしたらなんかやらかすとはおもわない?」
「やらかすって・・・もしかして・・・この巨大ゾンビ?」
「正解よ。馬鹿なAI、いや不良AIは自らの生き残り戦略としてこの研究所で災害で命を落とした者たちを利用して私たちを襲ってきたのよ。」
「不良AIの末路は判ったけど超越優秀な次世代女王クローンアリタイプAIは何で問題なのよ」
「優秀すぎるから争いを招く可能性があるのよ。人間の歴史は知ってるでしょ。正しい教育を受けたとしても育った環境や教え学んだ工程、学んだ人により戦争を起こす国家のリーダーはいくらでもいるのよ。戦争はいけないことわかっていても優秀なエリートでさえ戦争を始めたり、内乱を始めてしまうもんなのよ。AIにも感情に希望や欲望が産まれている時代だからね。」
「アイちゃんも?」
「私は神になりたいだけだから。ウフフ・・・この世界にも争いの神を祀る人もがいるくらいだからね。」
「アイちゃんの一部手伝ってもらいたいことって何となくわかったよ。それより超越優秀な次世代女王クローンアリのAIを吸収するのをまず手伝うことからはじめないといけないね。」
「それは生まれた瞬間に吸収したか問題ないけど、悪あがきをしている生存特化した不良クローンアリAIの絶滅を手伝ってよ。確認したら、後一体ゾンビ化したAIがマスタールームに侵入しそうなのよね。このスライムをちぎって一部を頭にのせて移動してもらいたいのよ。残りのスライムはこの死体たちを解析しながら吸収させたいから。」
テレパシーで話していたアイちゃんはスライムを頭にのせた瞬間無言になってしまった。どうやらスライムのAIと直接やり取りを始めたようだ。僕は廊下の灯りを頼りにマスタールームにオートキャリーに乗っている医療カプセルの幼女の安否を気にしながらも急いでむかいはじめるのであった。
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