第3話
頭の中でこだまするアイの詠唱。
必死の形相で見つめる僕は、見知らぬ暴漢とかした幼女を頭の中では俯瞰で眺める冷静な僕がそこにはいた。
いつ襲って来てもいいのに、数秒たっても幼女は握ったガラスの破片から血を垂れ流すだけでそれ以上襲ってこない?
というよりも、何かの力でその状態のまま拘束されているようだった。
僕は思わず、今にも襲いかかってこようとして、固まって拘束された状態の幼女に呟いていた。
「パンツ見えてるから隠したほうがいいですよ。」
「違う違う。今のなしなしなし、僕はそんなこと思ってないから。僕の中に変な奴が勝手に僕の口から言わせたんだ!」
焦って僕と同じような培養液漕から出たばかりで髪も乾いておらず、ましてやパンツさえも履いていないネイキッド状態の幼女を下から仰いだまま言い訳している。
とりあえず、僕は変態じゃないと言いたかったが他人から見たら、幼女相手にやるプレイとしては上級かもしれないなどと反省しつつ、幼女をよく観察した。
すると、アイちゃんが僕に状況をテレパシーで教えてくれてるようだ。
・・・・まだ、ホムンクルスとしての成長しきってない状態で幼女にダブルインストールしてしまって暴走してしまったようだね。これ以上、負荷のかかるようなオーバーインテリジェンスがデバイスにライドすればバーサーカー状態に移行するかも・・・ブツ・ブツ・ブツ・・・なるほど・・。ブツ・ブツ・ブツ・・・
AIでも独り言をするのか。それより独り言はあえて聞こえないようにしてもらいたいものだ。
僕も頭の中でアイちゃんに語り掛けるように幼女を助ける為にはどうしたらいいのかを聞いた。
その問いをしたら、アイちゃんの独り言が聞こえなくなった。しかも、体が勝手に無意識のまま瞬間的に飛び起き固まったままの幼女の背後に立ち、優しく幼女が両手で振り上げた血だらけのガラスの破片を強く握られた手をほどきはじめていた。
アイちゃんは体を乗っ取られるのは嫌だよねと謝りながらも、目の保養のしすぎると嫌われる可能せいを説明した。
そんなことを聞いても慌てふためかない僕は大人である。
僕はガラスの破片を幼女から届かないように投げ捨てた。そして振り上げた状態の幼女が血が流れないように背後から拳を作るように両手でそれぞれ包むよう僕の手で無理やり握らせ心臓より低い位置に腕を下げ血が止まるように願った。
それをサポートするようにアイちゃんが体の中で何か流れるような感覚とともに僕の手に何かが集まった感覚がした。
次の瞬間、風が吹いた感覚が僕の中を通りぬけた。思わず目を見開いたが、いきなりもたれかかってきた裸の幼女が意識をなくしたことにきずいた。
僕は優しく両手で幼女を受け止めて床に優しく寝かした。
そしてヤバいと感じつつも、なぜか次の瞬間には裸の幼女の胸を揉んでいた。
「アイちゃん!何やっとんねん!僕を犯罪者に仕立ててレクイエムを送りたいのかよーーー」
大声で目を血ばらせながら僕はシャウトしたが、頭の中でアイちゃんが怖ろしくもあり冷たくドス聞いた声で頭の中で語り始めた。
「初めての同族殺しだから黙れ!」
またも僕は体を乗っ取られたかのような感覚になってしまった。
僕自身が胸を揉んでいればさぞかしいろいろな感情が生れるのだろうが、ただただ俯瞰で幼女の体をまさぐっているのを見ているだけだ。別にうらやましいなんて思わないよとつまらないななんてことも思わなかった。
なぜなら、まさぐってる手は光り、血が止まりみるみるうちに傷口がふさがり、血の気の引いた幼女の体は血の気が巡り、汗ばむような熱気と売るようような湿気さえも感じてきたからだ。
アイちゃんはもうチョイだからねとこだまするテレパシーが、先ほどの殺気じみた感覚を伴う声色とは正反対に、登山を登り切ったような清々しくもあり達成感に満ちた、完全試合を勝ちとったような艶やかな大人の余裕とばかりの大人の女性の声で語り掛けてきた。
「・・・ウフふふ。あ~ぁ快感・・・」
アイちゃん僕の口から言わせないで・・・・
でも僕にはわかってしまった。アイちゃんの施術により幼女の中のAIを吸収して情報を得たことを。そして、アイちゃん自身のオリジナルプログラムをインストールしてこの幼女を使役してしまったのだ。それがこの幼女をこの状況から助けるもっとも有効な手段であることだからだ。
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