尻を拭く

コレで終わりかな。

よろしくお願いします。


=============


「………」

「………」


酒臭い部屋で二人、ローテーブルを挟んで、見合っていた。

正確には、互いに頭を抱えて座っていた。


酒の強さが記憶を消さずにいた。


「覚えてるか?」

友人に問われて、素直に「覚えてる」と返した。


昨夜はしっかり二人とも酔っていた。悪ノリするぐらいに自覚なく酔っていた。


確認後は無言でいた。


ーーーやっちまった。。。

共通の言葉だった。


テーブルの缶を片付け出した友人に倣って、私も片付けを始めた。

空気を変えよう。

窓を開けて、黙々と片付ける。


片付いて、コーヒーを淹れる。

漸く友人が口を開いた。


「アレは事故だ」


事故?

ナニ事故?

なんの事故?


湯を落とす横でカップを並べて、彼を見れば、顔を真っ赤にしてる。


「事故って事で、ナシにしよう」

絞り出す声。


「事故なら加害者と被害「こまけー事はどーでもいいんだよ。御門みかどさんよぉー」

胸ぐら掴まれ、啖呵を切られた。


真っ赤な顔で吠えている。

尾方おがた氏は怒り心頭の様だ。受け入れるのがベストであろう。


と、高速で判断。速攻の頷きで肯定。


「そうだ。何もなかった。俺たちは宅飲みでAV鑑賞会して、しこたま飲んだだけだからなッ。俺はドアはキチンと閉めるんだよ。自分のケツは拭けるんだよ」


あー、ドアをキチンと閉めない奴に『お尻拭かないの?』とかいうヤツか?

親に言われてたなぁと呑気に思い出して、気持ちが落ち着いた。


「お前はキチンとしてるからな」


「そうだよ」

再び、コーヒーを淹れ始めた。


尻を盗み見る。

理想的な美尻。

見飽きる事はない。


そっと手を出した。


パシッと弾かれる。


早い。否、速い。


目も止まらぬ速さ。


角度を変えて。

パシッ。

もう一回。

パシッ。

んー〜。


「お前なぁ〜。百歩譲って見るだけ。お触りナシ」


おぉ〜、さすが我友。

ガッチリ握手した。


そして、私は動体視力を鍛える事を心に誓った。

彼の動きの隙をつけば良いだけさッ。


しかし、鍛える必要はなかった。


今日も講義の合間に彼の尻をさりげなく触る。周りには気づかれない仕草。

私は紳士だからな!


派手に動けない彼が、顔を赤くして耐えている。

怒らないのをいい事に、ひと揉みしたら、ツネられた。


私はこの尻に恋してしまった。

恋しくて、見るだけなど我慢ならない。

触らずになんていられないッ。


「お前、お触りはダメって言ってるだろッ」

小さな声で抗議をしてくる。


「この尻に恋した」

囁き返す。


「真顔で言うか……ッ」

尾方氏が真っ赤になって小さく叫んだ。



(終わり?)



=========


あと少し続くよ( ̄▽ ̄;)

後日談書いた!

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