第24話 謎の少女に脅されて②
「っていうか関口さ」
「もぅ..昨日の最後はドクちゃんって呼んでくれたのに..」
俺は今関口に呼び出されて昨日と同じように保健室にいる
「すまんその呼び方恥ずかしいんだよ..」
「はいはいまぁ別に良いっす」
「それでお前何で立花さんたちと一緒に居たんだ?
それも結構仲良さそうだったけど」
俺は関口に質問してみるとりあえず本題に入る前に気になったからだ
「ああそれはですね私、小中の時もかすみん先輩..いや立花先輩たちと同じだったんです」
「ちなみに他の2人もおんなじです」
「そ、そうだったんだな..」
「はい まぁまさかダイさん先輩と同じクラスとは知らなかったですけど..」
「そういえば何で俺のクラスが分かったんだ?」
「そんなの学校の先生に聞いて回ったんすよ!
先輩、昨日名前教えてくれたじゃないすか!」
「た、確かにな..」
「まぁまさか中学校の時仲の良かったかすみん先輩たちと同じクラスとは思って
なかったすけどね..」
「そんな事より早速本題に入るっす」
そういうと彼女はスマホを取り出して昨日俺が投稿した動画を開いた
「今朝私いつも通りに『たかたかちゃんねる』を見てたんすよね」
「まぁぶっちゃけぼーっと流し見してたんすけど..
途中で一個気になる所があったんすよね..」
「ここの腕につけてる絆創膏って私が昨日先輩に貼ったやつっすよね?」
「...はい」
目の前にいる関口は不気味にニヤけながらこっちを見てくる
「単刀直入に聞くっす」
「先輩は『たかたかちゃんねる』の中の人って事で間違いないっすか?」
(やっぱりか..)
正直ここに呼ばれた時点で聞かれることは分かっていた
だからこそ覚悟はしていたのだがやっぱり言うのを躊躇う
(関口..やっぱり何を考えているか分からないからな..
『たかたかちゃんねる』のことライバルって言ってたし..
めんどくさい事になりそうだな..)
だからと言ってもう正体はバレている
今更嘘をついても意味ないだろう
「はぁ..」
「そうだよ俺が『たかたかちゃんねる』の中の人だその色々と悪かったな..」
俺は関口に本当の事を伝えた そして謝った
仕方ないとは言え正体を隠していたのだから
「..むむ まさかこんな近くにライバルがいたなんて..」
「あの..その..都合がいいとは思うんだけどさ」
「俺が『たかたかちゃんねる』をやっている事を
内緒にしてもらう事ってできるか?」
俺は関口に頼んでみる
「ん?どうしてです?先輩レベルだったら学校の人気者間違いないですよ!」
「いやそのさ..俺あんまり正体とかバレたくないんだよ..
まぁ今回は自分からバラしたようなもんだから何も言えないけど..」
「だから頼むよ!俺にできる事なら何でもするから!」
「ん?今先輩何でもするって言ったすよね!?」
「え?」
そうすると関口はポケットからスマホを取り出しさっきの俺の発言を再生する
「良かったっす..何かあった時用に音質取っておいて..」
「そ、そんな..」
まさかさっきの発言を録音されてたなんて..
軽率にあんな発言をしてしまった事を後悔する..だがもう取り消せない
(今のこいつ..どんな事頼んでくるか分からないからな..)
こいつの事だ もしかしたらかなり高いものを買わされたり
変な所に連れ回される可能性がある
まぁどんなお願いにせよ聞かない分には始まらない
「じゃあ..どうすれば良いんだ?俺そんな高すぎるものとか買えないぞ..」
「ん?何言ってるんすか先輩!そんなもの頼まないっすよ!」
「え?じゃあ何なんだよ」
どうやら何か買うっていうわけでもないみたいだ
全く何を考えているか分からないがその時彼女が信じられない発言をしたのだ..!
「そうっすね..」
「じゃあ先輩!私と付き合って下さいっす!」
「は!?」
「先輩何でもって言ったっすよ..ね? ね!?」
「HA!?!?何で何だよ!」
いきなりの事に当然困惑する こいつは何を言ってるんだ!?
「俺たち昨日あったばかりだろ?何でそうなるんだよ!」
「えー?別にいつ会ったとか良いじゃないっすか!」
「あのな..」
いくら何でもそのお願いを受けるわけにはいかない..
その..俺にだって好きな人が居るんだ しかも告白という大切な行事を
こんなに簡単に受ける訳にはいかないだろ..
「すまないが俺..好きな人がいるんだ だからその告白を受ける訳には..」
「ん?好きな人..?それって誰っすか?」
「...名前はまだ言えないけど 一目惚れだったんだ
それこそ『たかたかちゃんねる』きっかけで仲良くなってさ..」
「...」
「まだ彼女に何もしてあげれてないし..きちんと気持ちも伝えていないんだ!
だからその...」
俺は頭を下げて事情を説明する..流石に今回ばかりはきちんと断らなきゃ..
しばらく無言が続いた後俺は確認のため頭を上げる..そしてそこには
「...ぷぷ..」
「ハハハ!冗談すよ!ごめんなさいす からかうような事しちゃって」
「は!?お前..騙したなー!?」
「いやいやごめんなさいっす!ちょっとどんな反応するか気になっちゃって..」
「いや..お前な..」
流石にやって良いことと悪いことがあるだろ..
絶対にないがもし仮に俺が告白を受けてたらどうする気だったんだ..?
「ふぅ..流石に私なんかじゃダメっすね..
まぁ先輩はかすみん先輩を大切にしてあげてくださいっす」
「はぁ!?」
(こいつ..!い、今かすみん先輩って..!)
確かに今関口は立花さんの名前を出したのだ
だが俺はまだ関口に立花さんの話どころか関係だって話していないのだ
「何でお前..」
「はぁ..先輩は本当にぶにぶっすね!さっき教室で先輩がかすみん先輩を見る目..
他の人から見ても好きな人のことを見る時の目だって分かりますよ..」
「な、何ぃ!俺はそんなに顔に出るのか!?」
前々から俺は顔に出やすいとは言われていたが..
やっぱり顔に出ないようにするトレーニングでも受けた方が良いのか?
「お、お前!まさか立花さんに話したりとか..」
「しないっすよ!!っていうかかすみん先輩たちに
チャンネルの事言ってないんすか?」
「ああ..ま、まだ言ってない..」
「はぁ..まぁそのうち言ったほうが良いっすよ」
「そ、そうだよな..」
「じゃあかすみん先輩の話は一旦おいておいて..」
「私の本当のお願い聞いてもらえますか?」
少し話が脱線していたが関口が話を元に戻す
そういえば俺たちは『何でも』のお願いの話をしていたんだった
「私のお願い..それは..」
「私とコラボ動画を撮って欲しいっす!」
「え?お前..良いのか!?」
「?何の話ですか?」
「いやさ..昨日お前『たかたかちゃんねる』は倒すべきライバルとか..
色々言ってたからさ..コラボとかして良いのか?」
確かに昨日関口はたかたかちゃんねるをライバルと言っていた
なのにたった1日でコラボを持ちかけてくるとは..何か怪しい..
「ふっふっふ..先輩は何も分かってないっすね!」
「は?」
「良いですか?たかだかチャンネルといえば今の料理系界隈で知らない人はいない超有名人なのです!!」
「そんな人とコラボできたら私のチャンネルの知名度上がるに決まってます!」
「これはチャンスなのです!!私が世界に羽ばたくチャンス!」
「だ、か、ら.. 先輩にはきちんと協力してもらいますからね?」
(こいつ..売名目的だったのか..)
「まぁ何でも良いよ..で?とりあえず日にちはどうするんだ?
今はテスト期間だから来週以降で..」
「はい?」
「ん?」
(え?俺何かおかしいこと言った?)
今うちの学校は中間テスト2週間前のテスト期間である
まぁ俺はそんなのに関わらず毎日動画を撮っているのだが..
普通なら遠慮してテスト後とかにするよな?普通ならだが..
「はは!何言ってるんすか先輩!!」
「今日ですよ!今日!明日やろうはバカヤロウです!!」
「は、はぁ..」
(こいつに普通を求めた俺がバカだった..)
そう彼女は自由気ままな謎の少女__常識なんかでは彼女を縛れないことを
痛感する俺だった..
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