第11話 どこ行く?

昨日あの後智紀達と別れた後メッセージを送った立花さんから返信が来た

どうやら夢美さん側も智紀が来る事にOKしたらしい


「水族館とかどうだ?確かお前ペンギン好きだったろ?」


「ペンペンは可愛いから好きだけども..男女で行くのに水族館ってのは

 重くないか?」


「うーん..そうなのか?」


俺と智紀は週末に立花さんと夢美さんと遊びに行く場所をどうしようかと

相談しているのだ


「立花さんに聞いたら登山とかは?って言われたけど...」


「流石の大地でも擁護できないと?」


「う、うん 流石に登山は..」


「まぁとりあえず水族館で聞いてみたら?それよりお前..」


「あーはいはい コーラ奢りだろ?分かってるよ」


まぁ智紀には随分無理をして来てもらう訳だからコーラの1本や2本くらい

なら安いもんだと思いたい..


それで今俺たちは何しているかと言うと移動教室なので次の教室に

向かって歩いているのだ

ちなみに文系選択なのは男子チームで俺と智紀だけなので2人きりである

と言うかあの夏生が理系は少し意外である


ちなみに..立花さんも文系だが流石に一緒に行くわけにはいかないので

こうして智紀と2人な訳だ


学校は退屈だ..授業も面白くないし本当に男子達と喋りに来ているくらいだ

だがしかし週末の事を考えると心も踊る...!

それに金曜日には立花さんとの料理教室もある!

そう考えて自分を鼓舞していく


「大地お前..さっきからニヤニヤしすぎだろ...」


「ま、まじ?そんなに顔に出てた?」


「顔にそのまんま『週末が楽しみです』って書いてあったぞ..」


「ま、まじかよ...」


急いで顔を直そうとする

どうやら俺は人よりも顔に出やすいようなので注意しなきゃ..


そんな事を思っているとまさかの背後から女子の声がした


「鷹藤くん?だっけ」


「ゆ、夢美さん?どうして?」


「おっす それに智紀も!」


「う、うす」


なんと後ろにいたのは他の誰でも無い夢美さんだった

ショートで綺麗な髪 明るく活発な笑顔

どこをとっても爽やかと言った感じの美少女だ

そんな彼女がなんでこんな所に?


「いや別にそんな大した事じゃ無いんだけどさ

 今週遊び誘ってくれたんでしょ?私もちょっと

 話してみたくてさ!」


「そ、そうなんだ」


「そ だって鷹藤君がいつも作ってる料理すっごく美味しそうじゃん! 

 実は鷹藤君ってクラスの女子から結構人気あるんだよ?」


「え!? まじ?」


夢美さんの言葉を聞いてそれこそ喜びが顔に出てしまう


「はは!鷹藤君喜びすぎだってー!」


「べ、別にそんな喜んでないし..」


「それはあまりにも嘘すぎだろ..」


横の智紀もそれは違うと言う目でこっちを見てくる


「てか智紀も来るんでしょー?良いの?彼女いるのに?」


「大地に無理やり頼まれただけだよ そうでもなきゃ行かねぇし」


「ま、そうだよねー! それでどこ行くの?」


「さっき智紀と話してた感じだと水族館とかどう?」


夢美さんは水族館という言葉を聞いた途端満面の笑顔になる


「へー!良いじゃん!かすみんもお魚好きだし!」


「え?そうなの?」


彼女の言うかすみんとは立花さんの事だ

立花さんの話になった途端グイグイと顔を近づける


「そうそう!前にかすみんとゆっきーと3人で行った時なんか

 水槽の魚見て『美味しそう..』って言ってたのー!

 流石に天然がすぎるって!ははは!」


「た、確かに..」


この前にんじんを石鹸で洗おうとしてた立花さんだ想像に固くない..

でも立花さんが言っている頃を想像するとおかしくて笑ってしまう


「ってかその立花さんは?」


「ん?かすみんなら遅れて来るって言ってたけど..

 それにしても智紀とな久しぶりに喋ったよね!クラス一緒なのに!」


「別に一年の頃もそんなに喋ってなかっただろ...」


「えーひどーい!」


そういえば前に智紀は夢美さんとはクラスが一緒だっただけって

言っていたような気がする..

それにしては夢美さんは智紀のことを木下じゃなく智紀と呼んでいる..

2人はどう言う関係なんだ?


少し気になるがそんな事を考えていると廊下から立花さんが小走りで走って来ているのが見えた


「はぁはぁ..まことちゃーん!」


「お、かすみーん!走らないでも良いのに!」


「じゃあかすみん来たしそろそろ..じゃあ2人とも!また今度ね!」


「うん!じゃあ夢美さん!」


「じゃあって言っても同じ移動教室だけどな..」


「た、確かに」


智紀の言葉で俺も夢美さん気がつく


「ど、どうする?このまま4人で行く?」


「うーん でも一緒に入ったら変な反応を受けるかも...」


「別に良いいじゃん...じゃあもう行くぞ」


「あ!ちょっと待てよ 智紀!」


心配そうに相談していた俺と夢美さんを置いていく感じでスタスタと歩いて行った智紀だった







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