第15話 彼女に伝えたいこと
――ねえ、◯ちゃん。
俺は多分、この先もずっと君のことが大好きだよ。
君がどんな人間なのか、結局何一つとしてわからなかったけれど。
どんな人だったとしても、俺が君のことを大好きな気持ちは変わらないと思う。
それだけは間違いなく真実だと思うから。
俺はその光をいつまでもずっと見続けて生きていきたいと思う。
でもそれは、俺の勝手な期待で、盲信で、願いで、祈りみたいなものなんだと思う。
そうしていないと一瞬で灰となって消えてしまうから。
騙されていたのかもとか、嘘つかれていたのかもとか、そういう考えが止まらなくなってなんにもわからなくなって――そうやって疑ってしまう弱い心が顔を出してしまうから。
それも全部ひっくるめて、俺は君のことが大好きなんだって。
そう、強く思っていたいんだ。
そして、これは同時に別れの言葉なんだって――
"君から少しずつ離れていきます"って意味で。
"君のこれからの人生がいいものになるように"という全身全霊の祈りなんだって。
その言葉は、お互いのこれからの人生を間違いなく幸福にさせて、いいものにさせるんだと――だから俺はそうしようと――そうしたいと、強く信じたい。
だから、◯ちゃん――
どうか、君じゃなくならないでね。
――と、"好きだよ"の4文字に、俺は願うのだった。
見えない恋 こばおじ @k0ba0jisan
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