第6話:聖剣探索
〜城塞都市ラースを出立してから3日がたった。アーサー一行は西から出て山を迂回して東に向かった〜
「んでこっちに向かわないんダァ?森を突っ切った方が速くないカァ?」
「何言ってんのさー。こっちにはドラゴンの巣があるのさ。それともクレートスはドラゴンと戦いたいの?」
「あぁ…ドラゴンとはやりたくないナァ…」
現在、城塞都市ラースを出て3日目。どうやら追っ手は居ないようだった。
「次の街に行けばまともな食料が手に入るはずさ。どうする?行ってみる?アーサー様が決めていいさ」
「うーん。確かにまともな食事を取りたいのは山々なんだけど、僕たちには如何せん時間がないからなー。このまま街に行けば少し遠回りになってしまう。ここは断念しよう」
「あいあいさー」
今持っている食料は野菜や果物がほとんどだった。肉はその場で取れた物を、だが取れた試しがない。久しぶりに肉が食べたい…
「おぉ?ありゃ鹿じゃねーカァ?」
「「「「「え!!」」」」」
「お?なんダァ?」
「「「「「狩りだぁ!!!」」」」」
「うおぉぉい!」
肉に飢えた男5人衆は荷台を飛び出し鹿に一直線に向かった、がもちろん逃げられた。
「アホか、お前らはヨォ!あの鹿の方が早いに待ってんだロォ。ったくせっかくのチャンスだったのにヨォ…」
「「「「「すみません…」」」」」
「しゃーねー、過ぎたことダァ。そんなに肉類が食べたいなら明日は村に寄るか。ちょうどあそこなら聖剣探索にも支障出ないからヨォ。分かったらさっさとキャンプの準備しロォ」
僕たちはまだ日が昇っている間に薪やキノコを集め、持参した布でキャンプを設営した。夕飯を済ませてテントに入り寝ようとした時、外から声がした。声の主はプトレマイオスとクレートスだ。
「本当にあの村に行くの!?何考えてんのさー!」
「べぇつにあいつらも鬼じゃねぇヨォ、話は通じるはずダァ。」
「でも僕たちには…彼らに合わせる顔がない…」
「分かってラァ…」
「もし殺されそうになったら…」
「そん時は全力で土下座するサァ…」
そのまま寝てしまった。
「よぉし、起きロォ野郎どもォ!!」
「今日も元気が良いですね、クレートスさんは」
「おうよ、何だって今日は久しぶりに里帰りができるからナァ!」
「え、里帰り?」
「おうよ!んじゃ馬車走らせるゾォ!」
何だかラムセス王みたいになってる…。それから数時間ほど馬車を走らせた、途中休憩を幾度か挟んだが。無事到着したのは周辺からは絶対見つからないであろう森の奥だった。
「到着だぜ、この先が俺らの実家ー」
突如クレートスの足下が爆発した
「どわぁぁぁ!?おいおい俺ダァ、クレートスだ!」
「んなクソッタレな名前をしたクソガキなんぞ知らんわい!!出てけぇ、クレートス!」
「最後の一言で全部矛盾してますヨォだ、クソジジィ!」
「しとらんわぁ、クソガキィ!!」
男が1人村の門から飛び出してきた。と思ったらクレートスと白兵戦を繰り広げた。
「ストップ、ストぉぉぉプ!ラビ爺もヒートアップしない!何で出会い頭こうなるのさー!もー!『フリーズ』!!」
パァっとクレートスと謎のお爺さんの間に氷がどこからともなく現れた。お爺さんは難なく逃れたがクレートスはまんまと足下を凍らされた。
「バッ、俺を凍らせてどーするんだヨォ!」
「だったら喧嘩するなさー!」
「くっくっく…さすがワシの孫だわい。よく帰ってきてくれたわい、プトレマイオス」
「おーい!俺はどうなんだヨォ、クソジジィ!」
何なんだこの村は。
アーサー英雄譚 不細工マスク @Akai_Riko
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