第5話
●月□日
危機一髪とはこのことを言うのだろう。僕がエビを漁っていると、例の彼女も同じ場所でエビを食べていた。一際大きなエビがいた。僕はもう腹八分だったが、彼女はまだ腹が空いていたらしく、そのエビを追っかけて岸辺の方まで行こうとしていた。その時僕が水中から顔を出していなければ惨事となっていただろう。
岸には腹を空かしたアライグマが待ち構えていたのである。アライグマは赤線でさえ赤子の手をひねるように扱う。おまけに場合によっては
僕は水底を蹴って彼女に体当たりし、岸辺から強制離脱させた。彼女は訳が分からに様子だったが僕が懇切丁寧に状況を教えると自分の身の危険を理解してくれた。この時、僕はいつにもまして一生懸命だったと思う。
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