第6話

 ●月□日


 危なかった。彼がいなければ私はどうなっていたことだろう。きっと酷く恐ろしい目にあっていたに違いない。


 私はその日無性に腹が減っていて、少しでもいっぱい食べようと思っていた。そんな折、目の前に大きなエビが現れたので、私はそれを夢中で追いかけた。しかし私はそれが死神の使いだということに気付かなかった。


 いきなり彼は私に体当たりして怒鳴りながら「逃げろ」と訴えた。私はどういうことかまるでよく分からなかったけれど、彼の説明を聞いて私がアライグマに喰われそうだったのを理解した。


 不思議なことに、私は彼の安心した表情を見て胸がとくんとした。

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