第2話 【ここはどこですか】


 俺こと杉本雅史は、寝て起きたらニュージーランドのとある一家にいた。

 そして、隣で添い寝していた謎の金髪少女に気付いた。

 そりゃ、健全な男子高校生(彼女0)がとる行動なんて決まってるだろ。


『ぎゃあああああああああっっっ!!!!』


 思いっきり叫ぶ!

 怖いよ!

 だって日本で自分のベッドで寝てたらいきなり外人の女の子に抱きつかれてたんだぞ!?

 

 あ、起きた。


【ウーン……おはよぉ、雅史ぃ♡】


 はあ!? 

 何でこのコ俺ん名前知ってんの!?

 俺君知らないんだけど!?

 あ、あれか? 

 昔幼なじみとかなんとかで仲が良くて、数年後再会したら全くの別人に変わっていて、主人公は気づかなかった、……みたいな?

(ラブコメキターーーーー!!!!!)


【もぉ、返事してよぉ】


 そ、袖つままれた♡ 袖つままれた♡ あもうこれラブコメ主人公だわ。

 ありがとう神様♡

 …………って、何考えてんだ俺は!?

 ここ俺んちじゃねえぞ!

 ぜってぇやべえ。

 早く帰んねえと……でもここどこだよ?

 うもおおおおっ、どうする!? まずここどこか聞くか!


『なぁ。ここどこだ? 教えてくれ」

【……?】


 あ、そうだこのコ日本語ダメなんだった。

 英語使わねえと。

 んーでも俺の英語って伝わるかな? 

 まず試してみよう!


【ここはどこですか? おしえてくれませんか?】

【えっ? ここ? そりゃ私たちのおうちでしょぉ?】

【ここはどこの国に所属しているのですか?】

【どぉしたの雅史ぃ~、ニュージーランドに決まってるでしょぉ?】


 マジか……。

 終わった……。


【それに何なのぉ? その口調ぉ。普通に話してよぉ~】

【ごめんなさい。その前に、あなたの名前を教えてください】

【えっ? やだっ! 私のことも忘れたの!? ひどいよぉ……】


 泣き出しちまった。

 仕方ないので泣いているこのコの背中をさすることにした。

 しばらくたった後、そのコは落ち着きを取り戻した。


【ル、ルーシーだよぉ。思い出して、雅史……】

【ごめんなさい。覚えていないです】


 それから俺は事の成り行きをきちんと説明した。

 俺は日本に住んでて、夕食を食べた後、自分の部屋に行ってそのまま寝た。

 起きたらここはどこか、君は誰かもわからない状態だったんだ、ということをわかりやすく。

 ただ、ルーシーは俺のことを彼氏と認識していて、今日エッチする予定だったらしい。だからこんな勝負下着を着用しているのか、と思った。

 

 結局話を進めると、俺はどうやらルーシーと幼なじみだったらしい。

 そういえば昔こんなような子と遊んでいたような気もしなくはない。

 でも、俺には可愛い女の子といちゃつくよりも大事なことがある。

 そう。


 新年を家族、そして親戚と楽しく過ごすことだ!


 今日は、12月28日

 まだ間に合う。

 日本に帰るんだっ!


【ルーシー、頼みがあるのですが……】

【なぁに?】

【日本に帰してほしいです】

【絶対にヤダっ!】

 

 いきなりぎゅっと抱きしめてきた。


【雅史は私のモノなの。逃げちゃダメなんだよぉ♡】


 いや、大体こういうやつってさ、主人公がヒロインに拘束または監禁されてマジの意味で逃げられなくなるパターン展開なると思うんだけど、なるわけないよね。

 だってルーシー弱そうだもん。

 それに寝付いた後にでもいつでもいいから、ルーシーが隙を見せた瞬間に国に話しとおせばいいだけだもんね。

 あーあ楽勝。

 さっさと寝ないかなぁ。


 ……と思ってるうちに俺は眠りに落ちた。

 

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