第30話 超感覚―覚醒―
「い、いらっしゃいませ。ようこそ冒険者ギルドへ!本日はどの様なご用向きで?」
「あ~新規で冒険者になりたくてですね」
「新規登録ですね?‥‥少々お待ちください」
先程の衝突未遂事件で集まった衆人観衆の中で5分もディープなキスをかました俺とシャルルちゃん物凄い注目を浴びていた。
「にしてもすげー美人じゃねぇーか」
「良いよなぁ~それにあのデカい胸!」
「おいおい!そんなガキなんて相手してないで俺達とあそぼーぜ?」
と言うか視線の殆どがシャルルちゃんに向いていた。
「‥‥大丈夫?」
「はい。私にはユーハイム様さえいて下さればいいのですから」
「そ、それは…光栄です」
返事が重いよ‥‥
こっちはピンポン玉で緩いラリーしてるつもりなのになんで返球が野球ボールで200kmのどストレートなのよ?
そんなの受け止める準備なんてしてないし心構えなんぞ皆無だから!
「お、お待たせしましたぁ~ではこの用紙に必要事項を記入して下さい。それとスキルですが保有している場合は記載をお願いします、ちなみに登録内容に詐称があると認められた場合には厳罰が課される事もありますのでご注意下さい」
「うーっす」
「はい」
カウンターの端に移動して早速用紙に必要事項を記入してゆく。
(なになにぃ?名前は‥‥ユーハイムで年齢は15。職業‥‥無職‥‥っく!心に響くなコレ‥‥それで次がスキルか…えーっと【巨大化】っと!後は‥‥得意武器?)
『呼ばれなくともすかさず現れる!貴方の頼れる味方!高カロリー~以下略の【ばーむちゃんツヴァイ】見☆参!…で。得意武器とはどんな武器が得意ですか~って事でてきとーに剣って書いとけばOKです。因みにレモンちゃんが所属するパーティーリーダーのマーク君はココに槍って書いていたのに周囲の勘違いで剣士になりました!』
(マーク君不憫すぎる‥‥ってことで俺も剣でいいやー短剣もってるし)
一応シャルルちゃんの記載も確認して記載に問題なしだったので受付に提出すると‥‥
「あの‥‥これ本当です…よね?」
「ええ、そうですが?」
「スキルの所に【愛】とありますが‥‥どういう効果なんですか?」
「世界でただ一人私の愛する旦那様であるユーハイム様と愛を育む事で幸運が訪れるのです!」
「…な、なるほど‥‥それは‥‥スゴイですね‥‥あ、あは~」
まぁそう言う反応になるわな‥‥でも本当の効果を言うのは無しだな。
荒唐無稽すぎて逆に面倒な事になる。
「えーっと…はい。シャルル様は大丈夫です。次にユーハイム様ですが‥‥巨大化?」
「ええ」
「‥‥巨大化‥‥えーっと効果はその…巨大化する‥と?」
「ええ」
「見せていただく事は‥‥可能ですか?」
「え?…いいけど‥‥ここら辺一体にレータができますよ?俺、責任もちませんよ?」
「‥‥え?冗談ではなくて?」
「あの。私の旦那様が嘘を申しているとでも言うのですか?」
「ひぃぃぃ!!か、からだが‥‥おも…くて!うご‥‥」
「さぁご回答を」
「も、もうし‥‥わけ‥‥ございません‥‥でした!」
「全く‥‥職務に忠実なのは好ましいですが、度が過ぎると要らぬ争いをうみますよ?」
「は、はい…あ、うごける‥‥」
ここまで来たら俺でも判った。
多分シャルルちゃんのユニークスキルが発動したんだろう。ついさっきLv.4に上がったアレが‥‥
横眼でちらっとシャルルちゃんを確認すると目が合い‥‥にっこりとほほ笑えまれた。
っく!めっちゃ怖い事してるのにチョーかわいいじゃんか!
ちょっと気恥ずかしくなって顔を逸らすと『フフフ』と楽しそうな声を出してむぎゅっとEカップちゃんに腕が包まれた。
(おーい。うちのがさっきなにやったんだー?)
『笑顔で圧力をかけるって言葉があるじゃん?』
(あるね)
『それのリアル版』
(?)
『つまりね?笑顔で圧力をかけるってのは本来、精神的な威圧で相手にプレッシャーを与えるって意味だけど、シャルルちゃんの場合物理的にもプレッシャーが発生している訳さ‥‥やーい!お前の嫁さんZせんしぃ~~~』
‥‥この場合は超能力では?
あとZ戦士いうな。
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