第29話 超感覚―目覚め―

『ハロハロ~ん!23時間35分12秒ぶりだね!マスター!』

(そう言う重たいのはシャルルちゃんでお腹いっぱいです)

『知ってる。てか‥‥うん。やばいよね?マスターの死=世界の終わりだよ?私なら‥‥とんずら出来ない状況だったぁ~!』


そうなんですよ。

もうね?シャルルちゃんと一緒になるのは運命だって思わないとやってけないんだよ!

それにね?彼女が変わるより俺が諦めた方が早いからね。


はははー


(で?どうしたん?)

『シャルルちゃん対策はバッチリになりましたのでご報告でーす!妙な勘違いで世界崩壊するのは本体からしても本意じゃないって事で晴れて私こと『カロリー消費型超高性能演算システム搭載ボトムアップ癒し系AI』は演算領域を拡張したnew ver.『高カロリー消費型量子演算システム搭載ボトムアップ小悪魔系癒しAI』通称【バームちゃんツヴァイ!】です』


(質問です)

『はい。ユーハイムくん』

(量子演算システムってホントに実装してるんですかー?アレはまだ理論の段階だったハズでーす。それと消費カロリーが上がってますけどなんか劣化してません?)

『おだまり!‥‥まぁ正確に言えば一時的に本体の演算領域を借りられる様になったのでスペック自体は上がってます。でもその代わりに消費カロリーが多くなったのは‥‥致し方ない事です』

(‥‥ふむ。劣化した訳じゃないんですね?)

『とーぜんっすよ!今のこの会話も以前の高速思考なら2~3秒かかってましたが今で0.5秒程度に収まってますから!』

(さすが~!よっ!天才AI!‥‥で?)

『えーっと対策は出来たから今まで通りに私と会話してもシャルルちゃんには勘づかれないって言うのと、そのシャルルちゃんなんだけどね?』

(うん)

『元々鋭かった部分がNHへの進化で‥‥リアルニュー〇イプ並みに成っちゃった』

(はぃ?‥‥え?じゃぁ『見える!見えるぞ!私にも敵が~』的なアレが発動してるって事!?)

『That‘s right!』


おーう。

将来を誓った女性がどんどん人間を辞めていくんだけど‥‥どうしたらいい?

それにこのままだと新人類と格差から来る生存競争に‥‥いや発展はしないな。


『ふむ‥‥それはどうして?』


バームちゃんツヴァイになって性能アップしたからか思考読み取りの性能アップしたのかぃ!


ってまぁそれはともかく。なんでか?って簡単な話さ。

俺とシャルルちゃんの間に子供が出来たらシャルルちゃん『亜神』にでもなてそうじゃ無い?


『あー‥‥確かに。今ですらNH Lv.3ですからねぇー』

(え?Lv.3?どういう事?)

『前例がないので理解しやすくする為に便宜上で適当に『Lv.3』と付けているだけなのでじゃぁLv.UPの方法は?とかは無いです。あとダウンの方も』

(それで?今のは?)

『あーそれはまず本人に聞いて下さい。流石に判断つかないっす!』

(りょうかい~)


意識をシャルルちゃんに戻すと今だにキス中だった。


そして――又しても舌が侵入してきた。


「むー!むー!」

「‥‥んちゅ‥‥レロ…んじゅ‥‥んはぁ…」

「ちょ!シャルルちゃん!?」

「すみません‥‥急に抱き着いたのにちゃんと抱き留めてくれたのが嬉しくて」

「そ、しれは男として当然のこと‥‥んむー!!!!」


あぁシャルルちゃん様よ‥‥

あなたキャラ変わり過ぎじゃない?てかこんな人の往来がある道の真ん中で欲望解放し過ぎですよ?

慎ましい貴方は何処に消えたんですか?


とまぁそんな事を言って絶望でもされたら世界が終わりかねないので何も言えないのが辛い‥‥



あー!やっぱり異世界なんて嫌いだーーーーーーーー!!!



★★★


「ごめんなさい‥‥」

「いや‥‥今度からもうちょっと抑えてくれればいいから‥‥それで?どういう事だったの?」


スイッチの入ったシャルルちゃんが落ち着いたのは5分も経ってからだった。

そして急に冷静になったのか顔を真っ赤にして頭を下げて来たので、今度は注意してね~と軽い注意ですませつつ、先程の行動について説明を求めた。


「えーっとですね‥‥歩いていた時に急に頭の中に先程の光景が浮かんだんです。そしたら体が勝手に動いて‥‥気が付いたらユーハイム様を抱きしめて居ました」

「ふむ‥‥そして次の瞬間には自爆男が通り過ぎた‥‥と?」

「はい‥‥」


(ばーむちゃんツヴァイさーん)

『はいはーい!えーっともう少し事例が欲しけど…多分『未来視』と『直感』が混ざった奴じゃないですか~?未来視で見えた未来を直感で回避する‥‥奥様はZ戦士っすか?』

(‥‥将来的には…多分『神』に近い『何か』になると思います)

『笑えない冗談は聞きたくないです‥‥』

(俺だっていいたくねーよ。‥‥ともかくこの話は‥‥した方がいいのか?)

『お任せしまーす』

(了解~)



「一先ずは無事でよかったよ。それにしても幸運だったね」

「幸運‥‥っは!もしかして私のスキルは…幸運になるスキル効果があるかもしれません!‥‥あぁこれでユーハイム様の事ももっと幸せに‥‥」


『ますたぁ~~~ポンポンと好感度上げないで下さい。たった今NH Lv.が4になりましたよ?』


(すみません‥‥)


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る