第28話 超感覚


つん

つん…つん。


ほっぺたをつんつんされる刺激で目が覚めた。


「んぁ‥‥?」

「おはようございます…ユーハイム様」


目を空けるとこちらを覗き込むシャルルちゃんの顔が有った。


「おはようシャルルちゃん」

「むぅ…ちゃんはやめて下さいと言ったばかりではないですか!」


昨日…そうか俺はついに目の前に居る激重な超絶美少女のシャルルちゃんをパクっとしたんだった。


「ごめん、ごめん…じゃぁ改めて。おはようシャルル」

「はい!おはようございます!」


うむ。

朝日に反射するサラッサラの金髪、大海原を思わせるマリンブルーの瞳‥それに昨日大変お世話になったそのEカップちゃんも輝いて見える。


「ってホントに輝いてんのかいっ!!」

「ひゃぁ!」

「あ、ごめん‥‥大丈夫?」

「はい…実はですね?朝起きたらこんな状態でして‥‥私にも何がなんだか…」

「そ、そうか‥‥でもまぁ近くで見ないと判らないから‥‥目立つ事はない…と思いたい」

「判りました!」


にっこりと笑うシャルルの笑顔はとっても素敵だった。


なんか昨日と比べて魅力がとても上がっている様に思えるのだ。

それに肌艶も良く小ぶりの唇はプルんとしていて魅力的で‥‥うん。語彙力が死ぬくらい可愛い。


とは言え流石に腹が減ったしそろそろばーむちゃんのカロリー補給しないといけないので朝食を取りに行こう。



着替えを済ませ部屋を出ると偶然にもばーさんと鉢合わせした。


「おや?‥‥ふむ‥‥ヤッたのかい?」

「おい。せめて言葉は選んでくれよばーさん」

「ハハハハハ。その反応は‥‥上手くやった様だね?」

「あ、はい!ユーハイム様はとてもやさしくて‥‥でも時には激しく求めてくれるのが‥‥「すとーっぷ!」」

「キヒヒヒ!若いモンは良いねぇ‥‥特別サービスで今日の食事は豪華にしてやるよ」

「そりゃどーも」

「あ、ありがとう‥‥ございます」


自分から性生活の様子を暴露しかけ顔を真っ赤にしてるシャルルちゃんだが話は聞いていたらしくしっかり頭を下げていた。


こういう姿を見るとマジでご令嬢なんだが‥‥

中身はどこかの星に住む戦闘民族みたいな感じだし、俺が消えると即世界を呪うというヤバい女で…愛が重い。


多分浮気とかしたら‥‥The ENDだな。こわ。



しかし‥‥ばーさんはなんで判ったんだろう?


「不思議そうな顔だねぇ?大方どうして判った?って所だろうが‥‥なーに横に居る別嬪さんの腰つきが変わったからさね」

「腰つき?」

「他人に対する大きな壁が出来たのさ。『私には既に特別な人が居ます』ってね」

「それが腰つき?」

「まぁそんなところさね‥‥さ。ささっといきな!」

「お、おお」

「あ、はい。失礼致しますね」


ふむ。

腰つきか‥‥改めてシャルルちゃんを見てみるが‥‥


「うん。可愛い」

「そんな事言われても何も出ませんよ?」

「そうじゃ無くてさっきの腰つきって奴がね?気になって」

「ん~私には特に変わった感じはしないんですが‥‥あ、そう言えば今朝から勘が冴えるというか神経が研ぎ澄まされてる感じなんです」

「神経が研ぎ澄まされてるのか‥‥」

「はい」


そうか‥‥たった一晩で『その域』に達してしまったのか。


まぁ…うん。ノーコメントで。




ばーさんの宣言通りとても豪華な朝食を食べた後、お金を稼ぐ為に冒険者となるべく冒険者登録をする為に冒険者ギルドへ向かっていた。


「…!?」

「?」

「あ!おねーちゃー‥‥ふべらぁぁぁ!!!」


『ソレ』は突然の出来事だった。


もうそろそろで到着だと言う所でシャルルちゃんが急に抱きつてきたのだ。

横並びで歩いていたのにわざわざ俺の正面に素早く移動してだ。


急にどうした!?と口を開きかけた瞬間にシャルルちゃんが居た場所を人影が通り過ぎ‥‥建物の壁に激突した。



「‥‥どういう事?」


事情を聴きこうと顔を見上げると――


「ん‥‥」


キスが返ってきた。


いや。嬉しいけどね?シャルルちゃんの様な超絶可愛い子にキスされるのは嬉しいよ?

だけどね?


今欲しいのは『説明』なんですよ!




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