第27話 終・愛は無限の力を持つ

(新人類って‥‥NTかよ!)

『NTは著作権の問題も有るのでここでは素直に『New Humans 』の頭文字を取って『NH』にしましょう』

(著作権ってどこに配慮してんのよ?で?実際のところどうなの?)

『あー…諸々の説明は夜に!NHちゃんの感が鋭くなってるんで今まで通りだと恐らく感付かれるのでその対策をしてきますので!じゃ!‥‥ハッスルし過ぎないでくださいねー!』


さっそくNHちゃんって言ってるし‥‥っと今はシャルルに集中しよう。



「…んちゅ……まだ‥‥もっとぉ」

「んんー!」


ファーストキスこそ触れるだけのソフトな感じだったのにセカンドから一気にギアが上り舌が侵入してきた。


「むー!‥‥っぷは!しゃ、しゃるるちゃん?」

「『ちゃん』はやめて下さね?だんなさま♡」

「う、うん‥‥それでね?このままだと止まらないよ?」

「‥‥だんな様のお気にめすままに…私を…食べて下さい」


とまぁそんな事を言われてしまったらねぇ?


「んぁ…!‥‥そ、そん…ぁ…そこ…んん!」


こうして俺は『2人の愛で困難を乗り越えて幸せになろうね!』ルートに完全に足を踏み入れた。



15歳という若い肉体の力を遺憾なく発揮しお互いの体を貪りあった俺とシャルルちゃんは仲良くベッドに寝ころんでいた。


「ウフフフ‥‥あぁ‥‥私は幸せです旦那様」

「俺もだよ?」


うっとりとした顔で自らのお腹を撫でるシャルルの姿を見ているとスキルも相まってで『聖母』に見えてくる。それか素直に『天使』か。


それに驚いた事に一部突出した部分ストーカ気質を除いた総評としては比較的に『慎ましい』部類に属するシャルルちゃんだがベッドの上では‥‥それはもう乱れに乱れていたので『小悪魔ちゃん』が正しいのかもしれない。


あとNHに進化した影響か『感度』とか『体力』とか『耐久値』など全てが高いらしくてね…マンネリ化した時はマジで股間の巨大化が必要になってくる気がして戦々恐々としている。


「‥‥んはぁ‥‥んぁ‥‥ダメ‥‥垂れてきちゃう‥‥」


すみません。

寝返りを打ちつつ俺の顔みながらそう言う事いうのやめて下さい。


限界を超えて致したくなってきちゃうので。


☆★☆★


延長戦に突入したかどうかはさておき。


現在の時刻は草木も眠る丑三つ時。俺は予想外の来訪者に驚いていた。


『久しぶりですね、貴方様』


脳内に響くばーむちゃんと同じ声だが横で寝ているシャルルちゃんとは違う仄かに甘い香りを放つのは――


(こ、このバームクーヘンの様な匂いは!め、女神様?)

『素直に『はい』と言いたくはない確かめ方ですが‥‥まぁハイ、私です。実は大事な事をお伝えしに参りました』


大事な事‥‥ま、まさか!?


『シャルルのスキルについてです』

(‥‥ア、ハイ)


さ、さすが女神様っすね‥‥愛の告白か!とかボケる間が無かった!


『真面目な話なんですが?これはアレですか?私も女神を辞めてカーナビに転職しましょうか?』

(すみませんでしたーーー!)


超常の存在が大量生産品にグレードダウンとか‥‥世界崩壊レベルの危機ですよ?


『こほん。彼女のスキルはユニークスキルと呼ばれるモノです』

(…ユニークスキルですか?)

『はい。非常に稀な例ではありますが過去にもユニークスキルを持った人は存在していました。そしてそのユニークスキルには2つ特徴があります』

(それは?)

『1つ目は既存のスキルとは一線を画す性能を発揮する事。2つ目は‥‥デメリットです』

(デメリット‥‥俺で言う物理法則に逆らえない事とかアホみたいに長いクールタイムとかですか?)


他にも最近‥‥いや始めから?主人を煽ったり、勝手に省エネモードに入るし、人の話聞かないしと言うデメリットの塊の様な奴も居るが…


『‥‥そう言ったレベルではありません。ユニークスキル【愛】のデメリットは

――『愛する対象が消えた場合蓄積した【愛】が反転し【憎しみ】に変わり世界を呪う』――といものです』


(‥‥はぃ?あのぉ~…聞き間違いでしょうか?世界を呪うとか言ってましたが‥‥冗談ですよね?)

『‥‥冗談ならどれだけ良かったか‥‥残念ながらホントです』

(マジかぁ‥‥え?じゃぁなに?俺の死=世界の終わりって事?)

『遺憾ながら‥‥』


No way!!!




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