第26話 続・愛は無限の力を持つ
(ごめん‥‥もー1度言って?)
『‥‥聞き返したくなる気持ちも判るよマスター‥‥でもね?どんなに残酷でもこれが真実なんだよ?』
(いや…)
『‥‥』
(違うよね?聞き間違いだよね?)
『‥‥ごめん』
(うそ!うそよ!ねぇ!嘘っていってよぉぉぉぉぉ!!!)
『‥‥悲しいけど‥‥これが現実なんだ…ってなにこのクソな芝居?』
(受け入れがたい現実に立つ向かってた)
『まぁねぇ~~~~~私も本体から聞いた時はお目目が飛び出るかと思ったもん。だって『存在の位階』だよ『存在の位階』‥‥己は神にでもなる気かっての!』
位階とはまぁ序列を示す言葉の一つであり取り立てて騒ぐことでもないんだが‥‥序列の前に付いてる言葉が非常にマズイ。
『存在』の序列だぞ?
小難しい話は無視して簡潔かつ明瞭に意訳すると‥‥
シャルルちゃんが愛する存在=俺。
俺との間に生じる『愛』が深ければ深い程シャルルちゃんは人間から神に進化する訳だ。
ヤバいなんてもんじゃないねコレ。
(そもそもなんでこんなぶっ飛んだスキルになったの?確か付与時の精神状態に左右されるランダム付与だった気がするんだけど?)
『あー…それは簡単。神託の時に言われた『家名を捨ててマスターと共に…』って部分が彼女からしたら『私の気持ちが神に認められた!』ってなって愛が限界突破してたの。そこにスキル付与が起こったからこうなった。以上』
(一分の隙も無い完璧な理由ですね)
これ程素直に納得できたのは初めてかもしれない。
『ピコーン!ここでマスターに選択肢です。
1.Eカップちゃんの気持ちを受け入れ『2人で幸せ~以下略』ルートへ
2.虹生産ましーんちゃんの激重の愛に溺れて 『2人で幸せ~以下略』ルートへ
3.純真無垢な天使シャルルちゃんの尊い想いを受け入れて『2人で幸せ~以下略』ルートへ
4.‥‥世界滅亡ルートへ。
さぁ!選んでください!』
(選べってどれも一緒‥‥って『世界滅亡ルート』ってなに!?スルー出来ない程の存在感は放つ『世界滅亡ルート』ってなに!?)
『あー…禁則事項です』
(お前はどこかの未来人か!?‥‥てかもうこんなん一択クイズじゃん)
正直なところ…まぁ俺も悪い気はしていない。
さっきも言ったがシャルルは超が付く程の美少女だ。
そんな美少女が恥ずかしがりながらも熱烈にアプローチを掛けてくるので俺の中の天秤は『受け入れる』に傾いていたのだが‥‥そんな天秤を破壊するかの様に『貴方と一緒になれないなら命を散らします!』と宣言されてしまった訳だ。
なので…覚悟を決めるしかない。
「‥‥こほん。えーっとシャルルちゃん?」
「は、はい」
「色々言いたい事はあるが‥‥一言だけ。これから一緒に居るって事になると見たくない一面も見る事になるかもしれない。そしてそれは『君の望む姿』ではないかもしれない‥‥それでも覚悟はあるというならば‥‥俺は病める時も健やかな時も富める時も貧しい時も‥‥どんな時も君の傍に居る事を誓うよ」
「ユーハイム様‥‥」
「あ、愛してるよシャルル」
「うぁぁぁぁーー!!!」
「うぐぅ!」
感極まって飛びついてくるシャルルちゃんの勢いが予想外に強くてベッドに叩きつけられてしまったが‥‥
「嬉しいです‥‥そして私も誓います‥‥いついかなる時もお傍に居ると…」
シュチュとしてはこれ以上ない!ってほどロマン溢れるシーンなので痛みをこらえて―――
「「ん‥‥」」
シャルルちゃんと唇を重ねた。
『Congratulations!入籍おめでとう。そして朗報です。シャルルちゃんのスキルが発動して彼女は『人類』から『新人類』に進化しましたぁ~』
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