第23話 クレームを添えて
『えーっと…『神託を与えた子が…虹生産ましーんちゃんになってるから至急対応願う』っと‥‥この内容で良ければ申請だしとくよぉ~?』
(あ、待って!クレームも一緒に‥‥!)
『え?クレーム?そんな事されると私の魔改造もバレるから却下です。じゃぁ申請っと!』
(あ、お前!)
『あー働いた働いた!と言う訳で休憩いってきまーす!』
なんてフリーダムなんだ‥‥マジで羨ましいよばーむちゃん。
『まったく!そうホイホイと呼び出されるのは困りますが‥‥今度こそおひさしぶりですね貴方様』
(こ、この独特の甘い香りは!‥‥お久しぶりです女神様)
『‥‥』
(ど、どうしました?なんかご無礼を?)
『‥‥ところで『独特の甘い匂い』とはどんな匂いですか?』
(え?バームクーヘン)
『そ、そうですか‥‥今度からおやつはクッキーにした方がいいのでしょうか?』
(女神様?)
『あ、いえ失礼しました。それでばーむちゃんからは大体の事情は聞きました。本来なら良くありませんが‥神託を出したは私ですので今回は特別対応します』
(ははぁ~~ありがたきしあわせぇ~)
『といっても一度付与したスキルを剥奪する事は出来ない仕組みなのでシャルルにはもう一つ新しいスキルを付与します。但し後付けの場合は付与時の精神状態に左右されるので欲しいスキルになるとは限りませんが宜しいですね?』
(はい。それでOKです)
『後、【神託】のスキルは外部から察知出来ない様に隠しスキルにしておきます』
(おぉ~すげぇアフターサービスですね?)
なんか大盤振る舞いじゃね?
『その代わり‥‥そのばーむちゃんへのクレームを書き綴った超大作は無かった事にして下さい。いいですね?』
(‥‥この大盤振る舞いは下心アリの奴でしたか‥‥とは言えそこまで便宜を図っていただけたならこの超大作は燃やします)
『よろしい。ではシャルル本人には今夜神託を降ろしますので獲得したスキルは明日にでも聞いて下さい‥‥では!』
そういうとまたまた体から何かが抜ける感じがした。
そして翌日の朝。
「あ、だ、ユーハイムさま‥‥」
「おはよう?」
しかし今朝は大胆ですね。
普段なら腕に抱き着く程度なのだが‥‥今朝は俺の胸に伸し掛かってますね。
そしてその恰好――俺のシャツ姿――でのしかかってくるのはやめて下さい。大胆に空いた胸元とか若干短い裾からまぶしいい太ももが見えてるので!せめて横に来て欲しいです。
マジで一線超えたくなっちゃうので。
「あ、あの!あの!」
「落ちついて下さい」
「あ、はい。深呼吸しますね」
いや。だからね?俺の胸板に頭を預けながら深呼吸はしないで下さい。
「それで?どうかした?」
「じ、じつは昨日の夜‥‥女神様から『神託』が下りました。家名を捨てユーハイム様と共に在る事を望むならば新しいスキルを授け、神託のスキルは本人にのみ判るようにすると言われました‥‥」
「お、おお‥‥それは…話が凄すぎて…凄いしか言えないぞ…」
ってなんすか『家名を捨て旦那様と共に在る事を望むなら』って!
シャルルちゃんがスキあれば既成事実を作ろうとしてるの知ってるよね!?
なのにそんな神託だしたらもう絶対止まらないじゃん!
ほんと‥‥なんつー凄い事をしてくれたんだあのバームクーヘン女神様は‥‥シャルルちゃんとは別の意味で驚いてるよ。
「そ、それで‥‥今朝起きたら神託の通り新しいスキルが付与されました!」
「そ、そのスキル‥‥とは?」
確か付与時の精神状態に依存するって言ってたし‥‥なんか穏便なスキルだとうれいしい。
有るか不明だが決して【狂化】とか【暴走】とかのダークなスキルじゃない事を祈る。
「新しいス キルは――【愛】です」
「‥‥はい?」
「ですから【愛】です」
えー…なにその人類を超越しそうなスキル。
ヤバくね?
『マスター‥‥これ緊急事態ですよ」
‥‥ヤバいね。
――――――
【次回予告】
愛
人だけでなく動物‥‥果ては生命全てを慈しみ包み込こむ人が持つ原初の力。
その力が今!
たった一人の男に向けて解き放たれる!
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